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昨日のことである.
ワールドカップも手伝ってか,JRはいつもになく少々込んでいた. お年寄りの立ち姿も目立つ. 若者は雑誌を読んでいるか 寝たふり. いつものことである. ここで若者にどうこう言おうというので無いことを付け加えておく. 目に元気そうに写っても,体がつらい場合もあろう. 私があきれ果てたというのは,立っている老人より少し若い ご年輩の非常識きわまりない『おばはん』<失礼,あまり非常識だったのでこの老人を以後もおばはんと呼ばせていただく失礼をお許しいただきたい.>のことである. ご年輩にもなろうものならば,人の痛みも分かってしかり,である. ところがそのおばはんは「向かい合わせ4人掛け」の「座席」に手荷物を起き,へらへらした顔であたりを見回している. 明らかに混み具合を確認して,優越感に浸っているご様子. 我が物顔である. 一通り周りを見渡し,その後手荷物の上に腕を『でえーーーん!!」と偉そうに置いたから堪らない. そのおばはんよりもひと一回りも上のご老人の付き添いの紳士が, 「すみません,母を座らせていただけます?」 と.柔らかくお願いされた. するとそのおばはんは, 「はっつ!」 と捨てぜりふ. もう一度 紳士を睨み付けてからね荷物をめんどうくさそうに足下に置いたから堪らない. その席は4人掛け. 荷物はそのおばはんの足下にでは無く,後の3人のばしょにデーーンと据えられた. すると,元々向かいに座っていたご老人が黙っては居ない. 「奥さん,常識的に考えて 荷物,膝に置いたらどうでっか!」 おばはんも負けては居ない. 苦し紛れに出た言葉は, 「私,足も腰も悪おすねん.」 すると向かいに座っていたご年輩の身なりのいい女性が, 「荷物,お膝に置けへんのでしたら,席変わって通路にお荷物,置かれたらどうです?」 と,たしなめられた. しかしそこはおばはん,負けては居ない. 「私,足が悪いのでんねん.」 返す言葉が無ければ,「体」云々の一言で逃げの一手. 気の弱い私はそのおばはんに顔を合わせずに, 『おいおい,足が悪けりゃ買い物も考えてから買えよ.』 と,内心そのおばはんをしかる. 戦いは留まることを忘れ,周りのご老人がさも一致団結したかのように,一斉にそのおばはんを睨み始めた. おばはんもたまったものでは無い. もはや,おばはんには誰一人として,味方する物好きな人は居ないようである. おばはんも人の子. いくら鈍感なおばはんといえども,尋常で無い. 殺気だった自分に不利な空気を感じとり 観念したかのように,あまり人の出入りのない次の駅で・・・自称「足の悪い」おばはんは「元気な足取り!」で「寂しそう!」にお降りになった. 知能一致団結逆転勝ち. 残った車内のご老人たちの勝ち誇った満足げな空気が 辺り一面に広がっていた.ご老人たちに暗黙の了解で,仲間意識が生じていたのは言うまでもない. かくてお年寄りの熾烈な戦いに幕を閉じたのである. 居合わせた私たち中年層は非常に重々しい空気に,ご年輩の方々以上に...疲れ果てた時を過ごした. くわばらくわばら どんとはらい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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