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水曜日の夜、恵子から至急のメールや電話が何度もあった。しかし、水曜日はニコちゃんの誕生会で忙しく、メールをみることも携帯をチェックすることも忘れていた。
木曜日の朝に気付き、朝から何度も恵子にコンタクトを試みたができなかった。 夕方、ようやく話すことができた。 昨日は一日中生物の実験で、電話やPCが使えない環境にいたとのことだった。 去年の外国語大会での副賞として、4週間の北京での語学研修がプレゼントされ、すでに指示通り、大学のホームページから申し込みをした。今回は、申し込み費用は自己負担らしく、クレジットカードの番号も入力しなくてはならなかった。ところが、水曜日になり、主催者側から間違ったリンクを指示してしまった、別添の申込用紙に記入の上、今週中に中国大使館に郵送してください、という通知が来たそうだ。4人が語学研修参加の権利を勝ち得たのだが、4人とも大学のホームページから直接申し込み、クレジットカードで支払い済み。去年とやり方がまったく違うなーと思っていたが、まさか、指示された申し込み方法が間違っていたとは・・・・ とにかく、そういうわけで、申込用紙を書き込んで郵送してほしいというお願いだった。 なんだか、あわただしい。 恵子が、「それと、今日、奨学金事務局から手紙が届いたのだけど、選抜されなかったって書いてあった。結構ショック・・・」と言った。「残念だったね。」というと、「うん、高校から推薦されたほかの友達はみんな受かったのに、私だけ。。。。」と言って、声を詰まらせた。 「プレゼンテーションのために、1週間寝ないで頑張ったのに・・・・。オーケストラもだめだったし、・・・・」 恵子の成績は文句なくトップレベル。しかし、自分をアピールすることが苦手で、面接ではいつもいい印象を残せない。高校の選考会でもそうだった。恵子は補欠だった。ぎりぎりで入学許可が下りた、しかし、ふたを開けてみれば、恵子は首席で卒業し、恵子と同じ年に合格した5人中、3人は転校や留年で卒業できなかった。どういう基準で選んでいるのか疑問を感じた。 ドイツでは、グループで行動させ、その中でどういう役割を果たすか、ということを重視しているように感じる。恵子はおとなしい子で、自己主張をしない。よく言えば、わがままではない、悪く言えば、自分がない。ドイツでは、わがままは欠点にはならず、自己主張の強い子供ほど受け入れられるのではないだろうか? 水曜日にニコちゃんの誕生会をした。弓矢を工作をしたのだが、誰も自分で作ろうとしないで、私に作ってくれ、とせがんだ。こういう場でも、「俺のを一番に作って!」と材料を私の手に持たせる子と、私の手が空くのを待っている子がいる。私が他の子のを作っていても、容赦なく、「俺のはまだ?」「ここにもテープ張って」「どうやって遊ぶの?」「うまくできない」と自分のことしか考えず、待つことができない子がいる。 「順番だよ」とか「それぐらい自分でできるでしょ」とやり方を説明しても、やろうとしない。 結果的に、自己主張の激しい子の方が、早く自分のほしいものが手に入る、というのは事実だと思う。おとなしい子はどうしても後回しになる。もちろん、こちらも気を使って、一緒に遊ばせようとするが、自分から輪に入ってこないないので、限界がある。 先に弓矢を手に入れた子は、それで遊び始め、そのうち、「矢を探すのが面倒だから、もっと矢がほしい。」と言い出す。おとなしい子は、そういう要求はしない。もしかしてそう思っているかもしれないが、口には出さない。自己主張の激しい子は、私が他の子の弓を作っていて、自分はすでに弓矢のセットを持っているのに、もっと矢が必要だ、早く作って、とせきたてる。そのうち痺れを切らして、自分で台所から勝手に材料を取ってきて、作り始める。 おとなしい子は、どんな遊びをしても、楽しんでいるのかどうかよくわからない。でも、自己主張の強い子は、「すげー楽しい」とか、「俺はあれがしたい」とか、はっきり言うので、わかりやすい。後者のほうがどんな場面でも適応していけるだろうなーと思わせる。 恵子は典型的な前者。感情を余り表に出さない。だから、グループ行動の時に、印象に残らない。 日本では出る杭は打たれるといって、悪いイメージだけど、ドイツでは、出ていない杭は引っこ抜いてもらえないので、杭は出ているほうがいいと考えているのではないだろうか。 恵子は、これからいかに自分をアピールしていくかを学ばないと、この先欧米社会で生きづらいと思う。無理してでも自分を変えていくようにしないと、いつまでも、悔しい思いをすると思う。内向的な性格を外交的に変えていくのは難しい。私自身が外交的ではないので、恵子の気持ちはよく理解できるけど、何もしてあげることができない。模範を示してあげられなくてごめんなさい、と申し訳なく思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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