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カテゴリ:子供
前回、賢浩に「アメリカに行ってしまえ」と言ってしまったと書いたが、さすがに本人も悪いと思ったらしく、翌日からはかなりいい子に変身していた。
賢浩たちはスキー教室に今月末に行く。そこで安全のためスキー場で守らなければいけないルール10箇条を一字一句間違えずに覚えろ、という課題を出された。そのテストが水曜日にあり、火曜日の夜に必死で暗記していた。テストに落第した子は、スキー場でも安全に関する授業を受けなくてはならず、テストに合格するまでゲレンデにでられないのだそうだ。それで私も問題を出してあげたりして、手伝った。そんなことをしていたら12時を過ぎてしまい、賢浩に「ママ、お誕生日おめでとう!僕が一番最初だね。」と言われた。なんだか先が思いやられる新たな年の始まりだった。 水曜日の夜は、「誕生日特別パッケージ」といって、オイルやクリームやパックを使っての顔から足の先までのマッサージを1時間。ヒーリング・ミュージックをかけながら、あちこちマッサージしてくれた。すごく気持ちよくて、延長して!と頼んだけど、断られてしまった。 木曜日はファッシングで仮装して学校に行く日。賢浩は漫画ナルトにでてくる暁の「うちはイタチ」のコスチューム。車輪眼に似せるため、カラーコンタクトまで買っていた。 金曜日は子どもたちは学校が休みだったが私は出勤。 社長から「お誕生日おめでとう」といって、プレゼントをもらった。感動した。 家に帰ってきたら、賢浩が夕飯を作ってくれていた。キャビアやトリュフなど高級食材を使った3コースメニュー。すごくおいしかった。夫は仕事で10時にならないと帰宅しないので、土曜日に料理を作って欲しいと伝えていたのに・・・。本人は「今日も友達の誕生日に呼ばれているから、返ってくるのは午前2時頃になる。」と言って、悪びれもせずに夕飯後出かけていった。 未成年が夜中に友達の家に行って酒を飲んで騒いでいるって、どうなのかな? 知らない子の話だったら、絶対に相当な不良だと思ってしまっているだろう。 帰りは、参加者のうちの一人のお姉さんが車で迎えに来てくれて、一緒に乗せてもらったそうだ。お姉さんは現在同じギムナジウムの12年生。ドイツでは18歳以上は一人で運転できる。だから、年齢的に恵子とかわらないと思う。素行不良かそうでないかの線引は難しいなーと思う。 今日はニコちゃんがJくんの誕生会に呼ばれている。Jくんは近所に住んでいるので、しょっちゅううちに来る。Jくんはものすごく頭がいい。5年生や6年生のクラスにはいっても普通にやっていけるほど、ずば抜けている。クラスでもできない部類に入るニコちゃんなんて足元にも及ばない。だから、ニコちゃんはJくんにいいように利用されているように思えてならない。 とにかく口が達者で、自分に都合のいいように話を全て持っていく。私ははっきり言って彼が嫌い。ニコちゃんは、簡単な宿題にでも1時間も2時間もかかる。そもそも家に帰ってきてすぐに宿題を始めない。しかし午後1時過ぎにはJくんがうちにくる。ニコはまだ宿題をやっていないから、後でね、と言うと、「あの宿題は任意のものだから、やる必要はない。」とか「僕は4時までしか遊べないから、ニコは僕と遊んだ後に宿題をする時間は十分にある。」とか「本当にまだ宿題をやっていないのか証拠を見せろ。」とか「あと何分かかるのか?」とか、とにかくしつこく食い下がり、簡単に家に帰ってくれない。帰ったとしても、また5分後にはうちにくる。 カードなどを集めていると、必ず「これを僕にくれ」という。しつこいので、ニコちゃんも根負けして上げてしまう。または「一緒にカードを集めよう。二人で集めたほうが早い。」といって、自分が全部管理する。文句を言うと「ニコも好きなときに僕から借りれる」と抜け抜けという。それで納得するニコも馬鹿だと思うが・・・ 恵子の部屋においてあったお菓子が半分以上食べられていたことがあった。まだ封を開けてもいないチョコレートの箱を勝手に開けて食べていた、しかも、扉付きの棚の一番上に閉まってあったのに・・・。ニコちゃんに問いただしたら、Jくんが開けろというから、開けて食べた。と言った。その話のどこまで本当かわからない。ニコちゃんが一人で勝手に食べたということも十分想像できるが、Jくんが入れ知恵しているというのもありそうな話。とにかく、Jくんは我が家ではやりたい放題。ニコちゃんを舎弟と思っているのだろうか? 今日、Jくんの誕生会で、すでに招待状は2日前にもらっていた。プレゼントを買いに行く時間がなかったので、今日の午前中ニコちゃんと買いに行く予定にしていた。 ちょうど出かけようとしているところに、Jくんが「今日、僕の誕生日だから。」と言いに来た。ニコちゃんが「これからプレゼントを買いに行くから遊べない」というと「僕は、LegoのXXXが欲しいから、それを買ってね。」と言った。「90ユーロだから。すごくカッコいいんだ。」と付け加えた。台所で彼の話を聞いていた私は「ふざけるな!」と思った。夫は「プレゼントは何がもらえるかわからないほうが楽しみが増えるでしょ?」と言ったら、「でも、僕はLEGOのそのシリーズが絶対にほしいからね。もう少し安いセットもあるから、買えるはず。」と言って、帰っていった。あまりの図々しさに呆れてしまった。賢浩は「Jたちは、いつも他の子には本しかプレゼントしないんだから、うちからも本をプレゼントしたら?」と言った。Jくんも「うちのママは、他の子のプレゼントには本しか買わない。」と言っていた。 わが町には2軒おもちゃ屋さんがある。最初の店には、JくんリクエストのLEGOがあったが、一番安いセットでも40ユーロ。さすがに子供の誕生日プレゼントとしては高すぎる。それで、そのおもちゃ屋さんの商品券にして、足りない分はどこかで出してもらって買えばいいかな、と思ったのだが、ニコちゃんは、物でプレゼントしたい、と言いはった。それで、別のおもちゃ屋さんにもいったが、そこにはお目当てのシリーズさえ置いていなかった。リクエスト以外の何をプレゼントしても喜んでもらえない気がして、選ぶ気がなくなった。 結局は車のプラモデルにした。細かい作業なので、休み中暇つぶしにいいと思ったからだ。 誕生会は3時からと書かれていたが、Jくんは2時すぎにうちに来て「暇だから、遊ぼう」とニコちゃんを誘った。しかし、ちょうどニコちゃんはピアノの練習中。断らせたら、ニコちゃんは不機嫌になった。 ピアノをしていても、宿題をしていても、Jくんが来るとそこで中断してしまう。「断ったら、もう遊んでもらえなくなる。」とニコちゃんは言う。それならそれで結構だと思うのだが、ニコちゃんはそこで集中が途切れてしまう。本当に迷惑している。Jくんは自分が頭がいいから、宿題にそんなに時間がかかるわけがない、と私達が置かれた状況を理解できない。あんなに頭がいいのに、自分のことしか考えられない彼が最近は憎らしくし仕方がない。 どうしても仕事の関係で、にこちゃんが一人きりで家にいる時間がかなり出来てしまう。ニコちゃんに悪い知恵をつけそうで、Jくんをうちになんて入れられない。ママがいない時は絶対に友達を家に入れるな、誰かが呼び鈴を押しても出るな、と口を酸っぱくして伝えている。でも、Jくんだったら、「大丈夫だよ。ママが帰ってくる前に僕が家に帰ればわからないよ。」とかなんとかいって、絶対にうちに上がり込みそうだ。来週の水曜日は小学校だけが休校。私も夫も賢浩もいない。絶対にJくんが遊びに来るに決まっている。もう本当にいい加減にして欲しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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