第七章 月の光アイツも、コレと同じことを言っていた。月の光の中で、あの時―――――― 第七章 月の光 雫も、元は、ちゃんとしたリヴリーだった。 今は、悪意の固まりでしかない雫。 『チカラは、リヴを傷つけるためにあるんじゃないんだよ!』 鈴琉。 幽は、お前の生まれ変わりかもしれないな・・・ 「雫?」 幽が、つぶやく。 ビュウン! 「こんちわー」 一匹の、ハナマキが飛び込んできた。 雫も、まつのきも、幽も、あっけにとられていた。 「どうしたんですかー?僕、クロワールって言います。何かお役に立てること、ないですかぁーー?」 ニコニコと笑うクロワールを、雫は見つめていた。 ヒュン、と伸びるようにして、雫はその場からいなくなっていた。 「お前、追跡できるか?[/drive]できるか?できるな。よし。雫を追いかけてくれ。」 まつのきはクロワールにそういうと、ヒュン、と、飛んでいった。 鈴琉。お前は、俺の前に、わざと幽をあらわしたのか。 雫は、セントミラノス霊園にいた。 月が照らすその場所は、鈴琉の眠る場所。 小さな、場所。霊園の、一角。 小さな、墓が並ぶその場所に、鈴琉の墓はあった。 |