水色の朱鷺 ~夢の中の鳥~肩に銃を担いだ少女が、廃墟の中に座っていた。入り口の方で、からん、と、小石を蹴る様な音が響く。 「誰・・・・?」 「伊里亜だよ・・・?」 その瞬間、少女がすばやい身のこなしで立ち上がり、相手の懐に滑り込む。 「・・・ごめんなさぃッッ!」 少女は涙を流しながら、相手に詫び、銃を構える。 細く長い指が、銃の引き金を引いた。 ガ ァ ン ・ ・ ・ 「梓・・・」 『伊里亜』は、口から血を吐きながら、倒れこみ、少女の名前を呼んだ。 梓と呼ばれた少女は、つらそうに下を向き、つぶやいた。 「ごめん・・・伊里亜」 梓は短剣をつなぎから取り出すと、伊里亜ののどのあたりに構える。 「やめてェェェッッッ!」 水色の朱鷺 ~夢の中の鳥~ 『水色の朱雀』と、いう集団を知っていますか? その集団は、殺し屋の一族。命じられれば、誰でも殺す。 『水色の朱雀』のメンバーの一人、梓は、まだ12才になりたての女の子。 背は小さく、いつも水色のだぶだぶのつなぎを来て、銃を背中に掛けている。 重そうなスニーカーをはき、赤みがかった茶髪の髪を綺麗に肩で整えている。 小さなナイフを血に染めて、廃墟に立ち尽くす、梓。 涙が瞳から一滴零れ落ち、廃墟のコンクリートの地面をぬらす。 梓は、血で濡れたスニーカーをきゅっきゅっといわせながら、廃墟を後にした。 梓のツナギには、血が飛び散ってついていた。 「伊里亜・・・もっといっしょにいたかったのに・・・」 きゅっきゅっとスニーカーの音を響かせながら、梓は廃墟を後にした。 ジャンル別一覧
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