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　かすみ草の原っぱ

[平和を願う] カテゴリの記事

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戦争展2010が終わった

15日のPIECE LIVE、21，22日の戦争展が終わった。と言っても、何をした訳でもないけど。色々な人がそれぞれの想いを持ち寄って、準備し、歌い、踊り、語り、報告し、展示し、作業し、進め、まとめ、あるいは聴き、観賞し、見学し・・・。どれほどたくさんの方が関わって来られただろう。平和への想いと言っても、その人ならではの視点、感性がある。その違いに触れる時、自分の想いがさらに広げられ、あるいは深められる。自分の内なる平和から、身近な平和、社会的な平和、平和活動、憲法、過去の検証、被害者であっても加害者であっても背に負っているもの・・・。様々な思いがこうやって集まり、全体として平和への力となっていく。違うって素晴らしい。ある展示を見ていたら、出展者の方が話しかけてくれた。話を聞いていたら、別の方が話に加わり、その方の体験を語ってくださった。ある人に起こった出来事、それがその子ども達や近所の方の人生に重くのしかかる。そんな出来事が、幾万も、ここだけでなく、たくさんの国に。当時も、そして今も。話を聞いて涙するだけで終わらせてはいけない、と思った。イベントは終わったけれど、これで終わりではない。これから・・・。

2010.08.25

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～　平和を紡ぐ者たちの調べ　ここに集う！！　～

今年も堺　平和のための戦争展2010が開催される。普段はそれぞれの活動をしている市民団体が、平和を願う想いと共に一同に会して、展示、ステージなどによるイベント。私も5年ほど前からささやかながらお手伝い(と言えるほどのものではないけれど)をしている。そのプレ企画として今年で4回目となるPEACELIVE 2010。出演者は障がいを持った子どもたちの和太鼓サークル・高校の弦楽クラブ・演歌歌手・クリスチャンゴスペルバンド・ダンサー・合唱団・教会の牧師＆信徒での沖縄ポップスバンド・ボーイスカウトのウクレレデュオなど(実行委員長による紹介文より)多種多様。友人たちも出演する。私は今回司会としてお手伝いすることになった。様々な背景をもつ一般の市民アーティストが、平和の想いを持ちより、歌、音楽、ダンスなどで表現する。参加者とも平和の想いで一つとなれば。近くの方、ぜひぜひお越しください。

2010.08.02

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しゃぼんだまに想いをのせて

今年も地元の戦争展が近づいてきました。すっかり夏のこの時期の恒例となった、戦争展のささやかなお手伝い。「平和をつくる人はさいわいです」の言葉を励みに。イベントホールのステージプログラム描きをします。空いたスペースに何か挿絵をと毎年頭を悩ませます。今回もさんざん頭を悩ませた挙句、湧いてきたイメージが"しゃぼんだま"。自分でも、なぜゆえ？と思う。なぜだかわからないまま、手を動かす。しゃぼんだまは、こわれやすい。放っておくと消えてしまう。みんなしゃぼんだまが大好きなのに、誰かが作ってくれないかと思っている。ひとりが一所懸命に作り続けても、空いっぱい満ちる前にどんどん消えていく。そのうち彼(または彼女)は疲れ果ててしまう。一人一人が自分の心に抱いているしゃぼんだまを、実際に作り、空に放つなら、そんな人があちらこちらで起こされるなら、しゃぼんだまいっぱいの空がきっとかなう・・・。そんなことを考えながら・・・。手を動かす。線を引き、色を載せる。戦争展の横断幕の下絵を、昨年描きました。水色の5mほどの生地に、平和の思いが引き継がれていくことをイメージして。色は別の方が、何日も格闘しながら(?!)塗ってくださいました。大仕事だったことと思います。イベントの度に使ってくださっています。ステージでのミニコンサートで歌われる戦争展のテーマ曲のひとつは、2年ほど前に私が綴ったもの。来場者が投票で選んでくださり、平和を願い歌う方が曲をつけてくださった。まだ、聴いたことはない。書いたはずの言葉さえほとんど忘れてる。詞は壊れたパソコンの中に。でも、思いは変わらない。でもこうして、私の手を離れ、皆の前で歌われることはさいわいです。今年は聴けたらいいな。

2009.08.14

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12月8日

一機の戦闘機が住宅地に墜落したというニュースがあった。現地時間で12月8日の昼。サンディエゴ近郊で。パイロットは脱出して無事だったそうだ。住宅3軒が炎上、住人4名が死亡・行方不明。ある一つの事故のことをすぐに思い浮かんだ。1977年横浜にて。この母親は自分の子供が事故の翌日亡くなったことを知らずに、いつか会えると思いつつ亡くなった、と聞いた。ただ、ただ、このニュースに涙する。12月8日(日本時間)はPearl Harborの日。

2008.12.10

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夏休みの宿題

夏休みも半分が過ぎ、前半さんざんだらだらしていた上の子もようやく「このままではちょっとまずいなぁ。」と気づいた様子。少しずつ宿題に取り掛かり始めている。私もようやく今週は外での仕事が休みになり、自由に使える時間ができそう。とはいっても、私も夏休みの宿題が・・・。今年で第4回目になる地域の市民団体による手作り戦争展のお手伝い作業。半分くらい趣味のようなものか。実行委員会の方々があちこち駆けずり回っている横でお手伝いすることになって4年目になるのか・・・。前日準備の日に掲示できるように頑張らなくちゃ。当日、どこかに掲示してあります。(ちなみに、サインは入れていません)興味とお時間のある方は、どうぞお越しください。さぁ、とりかかろう。

2008.08.11

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コスモスのように

「コスモスのように」　詞　横田早紀江　　曲　岩淵まこと　歌　岩淵まこと＆由美子このようなCDが発売されることを知り、先行販売でさっそく購入しました。今、私の背後に流れています。(5月10日読売新聞朝刊に記事がありました)風に吹かれて揺らぐコスモスのように、リラックスしながら体が自然に揺らぐような音の流れに、地に足をふんばって咲くコスモスのような思いのことばが載せられ届けられる。早紀江さんの肉声による詩の朗読に、胸が詰まる。早紀江さんの思いと共に、遠い空の下に思いを馳せる。早紀江さんの祈りに、私の小さな祈りを、そっと添える。

2008.05.08

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｢日本の青空｣

｢日本の青空｣という映画を観ました。今ある日本国憲法が、どのような過程で制定されるに至ったのかをテーマにしています。ドラマ仕立てで、観やすいものとなっています。歴史的な貴重な生映像も挿入されていて、今まで知らなかったことも多々ありました。憲法改正(?)議論がこの先どうなっていくのかわかりませんが、仮に改正(?)の方向へ向かうとすると、最終的には国民投票という機会で私たち一人一人が考え、意思表明することになっています。改正されたらこうなる、と短絡的に考えるつもりはありませんが、改正が必要なのかどうかを自分の頭で考えるための材料を、今から色々見聞きしておきたいと思うのです。平和をつくり出す人たちは、さいわいである。

2007.11.24

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戦争展のお知らせ

いつものつぶやきとは違いますが、あの戦争のことを学ぶ機会のひとつとして、ひとつのイベントのことをお知らせします。市民の手作り、カンパによる開催で、第3回目の今年も色々な団体がそれぞれのブースを出展します。アニメ映画や朗読劇、歌、お話、戦跡ツアー、すいとん試食などもあります。大人も子供もそれぞれに何か感じ、思い巡らす機会になればいいなと思います。お近くの方でお時間のある方はどうぞ。　『堺　平和のための戦争展2007』8月18日(土)　am10:00～pm5:00 　19日(日)　am10:00～pm3:00大阪健康福祉短期大学(JR堺市駅徒歩3分)＜3階ホール企画＞18日(土)am ｢おかあちゃんごめんね」　　　朗読劇と歌　　　主人公との座談会　　　映画pm「ぞうれっしゃがやってきた」　　　合唱　　　映画　　けんだまで遊ぼう　「おこりじぞう」　　　朗読劇19日(日)　　　am　―ちょっと昔の子ども達―　　　　漫画で大空襲の体験を伝え続ける元校長先生のスライドショー　　現役ジャズダンス講師による学童疎開の体験談　　♪みんなで踊ろうジャズダンス♪　　中学生と勤労動員　座談会pm　｢君死にたまふことなかれ｣～与謝野晶子が歌った愛と平和　　　合唱　　　堺学研究主宰によるお話＜しののめ公園企画＞(雨天の場合、短大3階ホール)18日 pm5:00～7:00　「PEACE ♪ LIVE」平和がいちばん　　　公募による出演でロック、踊り、コーラス、ブラスバンド・・・＜バスで巡る戦跡ウォッチング＞18日(土) pm1:00～3:00　(先着40名)＜2階教室企画＞　写真パネル、資料展示　昔の遊びコーナー　参加団体出展コーナー　　絵手紙教室(18日)　　買い物ゲーム(18日)　　戦争中の食事体験(19日)　　うたごえ喫茶(19日)　　ビデオコーナー　　展示各種18日(土)pm3:00～5:00　｢日本の戦前といま　韓国の人々との連帯交流会」　ハンギョレ通信　東京特派員　黄慈恵さんを迎えて＜テーマソング(歌詞)募集＞15日(水)締め切り事務局へ　　　

2007.08.14

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平和を願うテーマソング

この夏の、戦争展の準備が進められています。直接関わっているわけではありませんが、経過報告などを頂いています。市内の様々な団体がそれぞれの活動を持ち寄ります。3回目となる今年初めての試みとして、会場近くの大きな公園での公募による野外コンサート｢Peace Live♪｣(出演者募集中)、そしてテーマソングの歌詞募集があります。人前で歌うのは苦手なので野外コンサートに応募はしませんが、祈りを込めて歌詞を応募してみようかと、ことばを探し集めています。応募締め切りは8月6日です。応募資格は特にないようです。それまでに形を整えていきたいと思います。私のささやかな平和活動です。

2007.07.12

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レンズは平和にフォーカスをあわせる～大林宣彦氏の講演

｢レンズは平和にフォーカスをあわせる｣という題で、映画監督の大林宣彦氏が講演してくださいました。私自身にはない視点をお持ちで、考えさせられることも多く、心の内に留めておくことが難しくなったので、ここに記しておこうと思います。(要約というわけではありません)手を振りながら登場され、始終にこやかで穏やかな口調で、演台から出て舞台の前の方で立たれ、軽やかな話題から入りいつのまにか真剣な内容を、それと感じさせずに主張されるその流れは、さすが映画監督だなぁと思いました。ご自身の内側の葛藤も正直に話された勇気もすばらしいなと思いました。講演最後には、舞台から降りられ、聴衆の１人と予告なく握手されました。帰途に向かわれるときに建物の出口でお見かけしたら、またにこやかに手を振って去っていかれました。-----2001年9月11日、テレビ画面に繰り返し映された映像を見て、始めは新作映画のプロモーションかと思った。映画としては魅力的な映像だった。けれど、これは違うぞと、そして何が映されているのかわかったとき、｢しまった！俺がやった!｣と思った。テロリストが、映画としては魅力的な、お客さんの喜ぶような映像を真似して、世界の注目を集めるために本当にやってしまったのだと。映画を撮るのをやめようかと思った。美しい音というのは、生きている証拠、風のそよぎ、花の開花、全てに音がある。けれど、あの映像には、音がなかった。もし音があったなら、それこそ一番嫌な、聞きたくないような音があったに違いない。人間の音が美しい時、それは音楽となり、人間の言葉が穏やかな時、それは歌となり、人間の動きが平和な時、それは踊り(ダンス)となる。芸術とはそのようなもの。それを作り出すのが私の仕事。有名なStar Warsシリーズを撮り、巨大な富を得たジョージ・ルーカスはこのシリーズを10作(?)まで撮ると言っていたそうだが、この事件のあと、6作で製作を止めると発表した。そして、小さなデジカメで、庭の花や虫を撮っていくことにした。名誉も富も捨てて。きっと彼も、俺と同じように思ったのだろうと思う。みんなが武器を捨てたら、平和になるじゃないか。非現実的かもしれない。けれど、夢を信じていきていこうじゃないか、芸術は人を励まし、夢を与えるものでなければ。スティーブン・スピルバーグ監督が｢プライベートライアン｣という反戦映画を撮った。その映画の中では、首が飛んだり腕が飛ぶような、お客が喜びそうなシーンがある。この映画を故淀川長治氏は厳しくこう言っていた。｢この映画は物欲しそうで下品だねぇ。平和を願う映画なら、もっと穏やかな映像で表現しましょうよ。｣と。このような映画は、ほっぺたをひっぱたいて｢平和ってほら、いいだろ。｣と言っているようなもの。子供の頃に見たある映画を思い出す。ひたすら、街に作られた防空壕の中の薄暗い中にいる家族の映像のみ、1時間半。退屈な。外では爆撃音、建物の崩壊の音、悲鳴。最後に戦争が終わり、静かになった。そして、川のせせらぎ、鳥のさえずりが聞こえてくる。と、ずっと母の腕に抱かれていてすやすや眠っていた赤ん坊が、大声で泣き出す。・・・赤ちゃんにとっては、今までの爆音の世界が普通で、静かなせせらぎやさえずりは未知なる不安な音だった。そんな風に感じてしまう赤ちゃんにしてしまう戦争は、恐ろしい。音の効果だけで、戦争の恐ろしさを描いていた。20世紀は戦争の世紀、文明、経済は戦争のおかげで発展してきた。例えばカラーフィルムは、いやな言い方だけども戦争のおかげで、軍の必要があって開発された物。私たちはその恩恵を受けている。もともと戦争のために開発されたものだから、殺戮のためというDNAが残っている。それでもって、どんな平和や愛が描けるかを、私たちは考える。戦争のおかげで発展し金儲けする私たちの怖い社会。神仏自然界の意志に従っていくことは難しい。｢転校生｣という映画は、50年後の長野県の子ども達に見せたいという依頼があって撮った。けれど、ふと考えた。｢50年後は、映画があるかい?たとえあったとして、子ども達は元気で平和に生きていられるかい?｣そうあるために、今生きている私たちが何を出来るのか?平和に1歩でも近づければ。毎日すれば、きっとできる！そう信じて、依頼を受けた。悪い敵を滅ぼせば、自分が平和になると考える人がいる。宗教という、人を癒す力のあるものさえ戦争の種となる。でも正直なところ、自分の目の前にピストルが置いてあって、向こうから自分を殺そうとする人がやって来ているなら、自分はどうするだろうか。武器を捨てるということは、これくらいの覚悟が必要になる。実際、自分を守るために相手を撃つ方が現実的かもしれない。自分の命は自分の責任範囲だから、自分は銃を取らずに、死のう。でも、もし子どもが横にいたら。これは、泣きたいくらい難しい問題。戦争に勝って得られる平和は、恐ろしい平和。また新たな戦争が生まれ、必ず人類を滅ぼす。こんな空想をしてみる。滅亡寸前までいって何人か生き残るとする。様々な国籍人種。残った彼らは協力して生きてゆくだろう。その時、こんな会話をするんじゃないか。｢俺らのじいさんたちは、戦争なんて愚かなことをしてたんだって?｣戦争を捨てて得られる平和こそ。戦争を捨てることで、滅びるかもしれない。そして生残った者達はこう言うだろう｢俺らのじいさんたちは戦争を拒否して滅んだんだ。｣ある意味誇りかもしれない。　真剣に、おそれを持って考え続けてみる。すると、賢くなり真実が見えてくる。自分だけの平和なら、ヒットラーさえそうだ。自分だけでなく、あなたも、みんなも平和になるように。平和に向かう私たちが呼び覚ましたものが3つある。オンリーワン、スローライフ、温故知新。ナンバーワンでなくオンリーワンを叫びだしたことで、競争を重視しなくなる。ファストライフでは早く結論をと急きたてられていたけれど、スローライフで立ち止まってみる、考えてみることが出来るようになる。一つずつ見つけてきたものを生かし新しいもの(平和)を見つける温故知新。21世紀は、ゆるし合って深め合おう。古今東西映画が描いてきたテーマ、人は傷つけ合って、ゆるし合って、愛が芽生える。人間の性善を信じる。でも、私自身は性悪。妬みや人の不幸を願う気持ちもある。いや、これではいけない!そう思っているうちに、友の成功を喜べるようになる。これではいけないと、考えれば、性善に鍛えられる。考えることをやめれば、性悪になる。自分の平和はあなたの平和。自分の平和よりあなたの平和。そんな風に考える自分は、あなたの中にある。そう信じることが、平和を手繰り寄せることになる。どっちが正しいかわからないけれど、どうせ間違えるなら銃を捨てたい。なぜなら、美しいから。美しいものは間違いではないと信じる。信じるとは、そちらに歩いて行くこと。

2007.05.15

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「平和のための戦争展2006」のお知らせ

「堺　平和のための戦争展　2006　――　かがやけ９条　こどもたちと　平和のバトンをうけつごう!」大阪健康福祉短期大学(JR堺市駅すぐ近く)　にて詳しくはこちら

2006.08.12

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「イラクからの報告」江川紹子、森住卓

「戦時下の生活と恐怖　イラクからの報告」江川紹子･文、森住卓･写真、文5月に江川氏の講演を聴き、この本を購入した。サインが欲しかっただけと言えば、そうなんだ。高くなかったし。森住氏の講演も以前に聴いたことがあったので、手元に置きたくなった。そこには、日本に住むわたしたちとそれほど大きく変わらないような、イラクの市民の生活がある。日々仕事に精を出し、家族を思い、将来の夢を思い描く子ども達。そんななかから、家族が、街が、消されていく。お2人の講演を聴いてから読んだので、行間にイラク市民の生活や想い、筆者の彼らに向けられる視線を感じる。本は、あまりにも淡々と綴られているように想う。文章だけでは、伝えることが出来ないものの大きさを感じた。それでも、目をふさぎ続けるよりは、目を向けようとする方がいい。イラクにあるのは、人間の生活、人間の営み。人間がそれを、壊したという事実。

2006.07.15

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クリスチャンと平和憲法

正田眞次先生をお招きして、お話を聴く機会が与えられた。「すべて重荷を負うて苦労しているものは、私のもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。わたしは柔和で心のへりくだったものであるから、わたしのくびきを負うて、私に学びなさい。そうすれば、あなたがたの魂に休みが与えられるであろう。わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」マタイ11:28～29(口語訳)招きの言葉、そしてイエス様の"くびき"を負い、学びなさい、草すれば安らぎが与えられると続く。くびきとは、複数の牛や馬が同じ歩調で同じ方向に向かうためのもの。いつもイエス様の隣で同じ方向を向き、学ぶように、ということ。「『隣人を愛し、敵を憎め』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。しかし、私はあなたがたに言う。敵を愛し、迫害するもののために祈れ。こうして、天にいますあなたがたの父の子となるためである。天の父は、悪い者の上にも良い者の上にも、太陽をのぼらせ、正しい者にも、正しくない者にも、雨を降らしてくださるからである。」マタイ5:43～45はじめにこれらの御言葉の紹介があった。クリスチャンは平和をつくる者「平和をつくり出す人たちは、さいわいである。彼らは神の子と呼ばれるであろう。」マタイ5:9先生が主宰されている「学座･とうごまの葉の下」とは、ヨナ書4章の話から名づけられたそうだ。ここでヨナ、そして私たちが学ぶべきこととは、「神様が数えている一人一人の命の尊さ。」十字架の上での「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです。」ルカ23:34　というイエスの祈り。「自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ。」マタイ22:39　ルカ10:27　というイエスの命令。そして、日本国憲法についてひとこと。押し付け憲法だと言われるけれど、当時の多くの人々が支持していた。そして、この憲法公布後は、戦闘行為によって一人の犠牲者も出していないということ。たくさんの本を紹介していただいた。「沖縄に基地はいらない」アレン･ネルソン著「ネルソンさん　あなたは人を殺しましたか」アレン･ネルソン著「在日」姜尚中著「わたしが愛する日本」アグネス･チャン著「青い棘」三浦綾子著「闇に輝くともしびを継いで」スティーブン･メティカフ著などなど。ほかにも絵本をたくさん紹介していただいた。「なぜ、あらそうの？」ニコライ･ポポフ　字のない絵本「わたしのヒロシマ」森本順子「ライオンのマルジャン」鎌田慧「ウミガメと少年」野坂昭如「地雷ではなく　花をください」葉祥明「小型武器よ　さらば」柳瀬房子「国境を越えて　戦禍を生きのびたユダヤ人家族の物語」ウィリアム・カプラン、シェリー・タナカ、シュテファン・テイラー、千葉茂樹/訳　　杉原千畝さんについて「ぼくはあの戦争を忘れない」ジャン･ルイベッソン「おにいちゃん、死んじゃった―イラクの子どもたちとせんそう」詩　谷川俊太郎「おとなはなぜ戦争するの」堀直子「あなたがもし奴隷だったら」ジュリアス･レスター谷川俊太郎さんの絵本のあとがきのことばが、わたしの抱いていた思いと重なり、深く心に残った。私の個人的な平和の想いも、これが原点だと、固く思う。

2006.05.26

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江川紹子さんの講演

今日、江川紹子氏のお話を聞きに行ってきました。広い視野で冷静に洞察する力がある人だなあと感じました。彼女は、人の話をよく聴こうとする方ですね。講演後、江川紹子氏と森住卓氏の「イラクからの報告」という本を一冊買ってサインもらっちゃいました。オウム真理教事件の取材、その後9.11をきっかけにイラク戦争前のイラクでの取材をされてきた彼女が感じたこと。フセインが「アメリカが今までしてきたことの報いだ。」というコメントを発し、それまでにも経済制裁を続けていたアメリカへの怒りや憎悪に満ち満ちていると思って行ったイラクの人たちは、意外にも"様々"だった。アメリカ軍の誤爆によって子ども3人を失ったある母親は9･11のニュースについて「かわいそう。だって、罪のない普通の市民でしょう。」と。意外だった。「アメリカは許せない」という人もいた。「Knowledge is the beginning.知ることは始まりだ」「お互いに違うところばかりをみつけるのではなく、同じところを探し、それをきっかけに親近感を持ち、相手に対する想像力をひろげる」事の大切さをおっしゃってました。「一人は小さい力のように思えるけれど、国を動かすのも一人一人の力だといわれていました。「いろいろな人のことを見聞きし、自分の頭で考える判断すること、相手のことを想像すること、それが失われること(オウム真理教の修行)と上の人が言ったことがすべて正しいと思うことの恐ろしさも。今の日本では想像力が欠如してきているような印象を受けることがある。イラクでの人質事件のときに子どもを助けたい一心の家族に多くのバッシングや批難の声が浴びせられたことなど。子どもの命がどうなるかわからない状況の中で、親はできるだけのことをしてやりたいと思うことがそんなに罪なことなのかと。野田淳子さんの歌も、前座で聴くことが出来ました。とくに千羽鶴、それに込められた思いに涙がこぼれました。いいお話と歌を聴くことができた時間でした。

2006.05.23

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命に国境はない

「命に国境はない　報道の見えない壁の向こうで、イラクでは何が起きていたのか？」という題の講演を聴いた。講師は高遠菜穂子さん。あの時、報道で見た憔悴しきった彼女の顔とは全く違い、生き生きと確固たる者を内に秘めているような顔つきでした。報道の見えない壁の中、イラクの町で何が起きているか。高遠さんがされていた医薬品を運ぶ、ストリートチルドレンの自立サポートなどの活動のことも交えて話されました。どれもこれも、報道されなかったことばかり。掃討作戦の際は、街のkmも先から立ち入り禁止になっていたそうです。また、いろいろなところで、持っているビデオや写真CDなどは没収破棄されるそうです。命がけで取材したフリーのジャーナリストたちは、取材を終えるとまず映像などをたくさんCDなどにコピーして、それを分散させて国外へ持ち出すそうです。信頼できる人に託して。イラクはもともと多民族･多宗教が柔軟に混在、共存してきた社会だそうです。彼女は、イラク人と仲良くしているスパイと疑われ、何度かアメリカ兵に銃を向けられたそうです。同盟国であるはずの日本人に。実際に発砲されたこともあるそうです。その彼女はアメリカ軍に拘束されるかもとは思っていても、イラク人に拘束されるとは思っていなかったそうです。ある日本人ジャーナリストが米軍に拘束された時には、たくさんのイラク人男性と共に「敵国兵」という文字と番号が胸に書かれたそうです。報道の妨害が確かにあったようです。イラクの民間の人は、今、米軍からフセイン支持者の残党･ザルカウイ容疑者の仲間ではないかと狙われ、外国人武装勢力からテロの対象として狙われ、また、イラク政府の中の、イランシーア派の影響が大きい部署から狙われているそうです。イラクの街、主にファルージャで起こったこと、たくさんの人が亡くなった話に、先日祖母を亡くした体験が重なり、イラクでは国籍民族を問わず何万人もの遺族が、わたしが感じた以上の悲しみ怒り苦しみを負っていらっしゃることを知りました。そのお一人お一人の死に様をお話から想像するだけで、気分が悪くなってきました。途中で高遠さんが「これから遺体の映像がたくさん出てきますので、気分の悪くなりそうな方はお気をつけ下さい」との声にはっとし、会場を出てしまいました。ロビーで目をつぶり椅子に寝ころんで話だけ聴いていました。不可解な遺体の様子という貴重な映像は見られなかったのですが、話だけでもわたしには十分ショッキングな内容でした。淡々と話される彼女の話は非常に衝撃的で重いものでしたが、それがイラクの街の日常だったんです(今も大なり小なり、かな)。そのことを思うとやりきれない思いです。戦争というものは、人間をこれほどまでに残酷なものに変えてしまうものなんだと。森住さんや綿井さんの話とも重なる部分が多かったです。戦地に実際に行って来られた方々の生の体験の話によって、報道されない現地の姿を想像する大いなる助けとなります。重なる部分が多いからこそ、メディアで報道されていなくても事実なんだと感じさせられるのです。高遠さん、よくぞ無事に帰ってこれらの話と映像を持って帰ってくださった、と、心から感謝します。彼女の話と貴重な働きが、人づてに様々な形で広がっていくことを願います。　

2006.02.04

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無防備地域宣言運動

yahoo!ニュースでこんな記事が目に留まった。無防備地域宣言運動というのがあることも初めて知った。無防備地域については、先日立命館平和ミュージアムに行ったときに展示により知った。覚悟とリスクはあるけれども、わたしにとっては一番納得のいく平和を守る方法だと思った。ただ、国家として実現可能なのかどうかは判断できない。地方の自治体単位でこのような運動が広がりつつあることを知り、ひとつの希望かもしれない思った。

2005.11.21

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色々な立場から平和を願う

読まずに山積みになっていた新聞をまとめ読みした。いくつか目に留まって記事があったので、まとめて紹介しようと思う。(記事はすべてA新聞より)10月22日「声」欄に、75歳の方の投稿記事があった。「死者は、死者をして死なしめよ。前の戦争で死ななかった者に死者を語る権利はない。･･････戦前戦中の日本は、天皇が神であり、国民全員が生命をささげて『神の国』を完結すべきだとされた時代であった。･･･誰が降伏することなど思ったか。『自分は生き延びて死者を賛美する』などと考えた人はいなかったはずだ。だからこそ現代の日本に、死者を讃える資格のあるものなどいないのである。死を免れたものたちが許されるのは、あの多くの人々の命を奪った侵略戦争とファシズムの元を断つために生きることだけである。憲法9条が存続してきたのも、死者からの許しがそこにしかなかったからである。･･･」戦争を体験し生き延びてこられたからの、重い言葉だと感じた。11月3日には『憲法って何?自民党案を読む」という連載コラムに映画監督是枝裕和氏がこう語っていた。「第2章のタイトルが『戦争の放棄』でなくなったというのが最も象徴的だと思いますね。『戦争の放棄』を放棄したっていうことでしょう。･･･結局、アメリカの都合でしょう。押し付けられた憲法だからダメだ、自主憲法だっていう人たちが何でこれを許すのか。･･･僕自身は『正しい戦争がある』という考え方を否定するものとして、9条を持ってお積極的に国際的な共有財として活用していくべきだと考えている。アメリカの世界戦略の行き詰まりを見ても、9条はそれに変わる世界観を提示し得る先進的な思想だと思う。･･･アジアを侵略した加害者であったという記憶を自らに刻み付けて、非戦の決意として9条を再定義すべきです。軍事増強して『普通の国』になっていくための憲法なのか。話し合いで紛争を解決できる国と国の関係の構築をめざす憲法なのか。どちらも100％の安全はないし、犠牲を伴うけど僕は後者のリスクなら引き受ける。」同じコラムに作家福井晴敏氏はこう語っている。「『亡国のイージス』でおれが見てほしかったのは、『撃たれる前に撃つ、それが鉄則だ』という主著と、『撃つ前に考えるのが人間だ』という主張のぶつかり合い。『撃たれる前に･･･』って言っていた若者は、『撃つ前に･･･』って言う･･･言葉を聞いて、結果、工作員に撃たれる。じゃあ、その若者は馬鹿だったのか。馬鹿だという人は、おそらく一人もいないでしょう。･･･ただ、完全非武装の国家っていうのは、ファンタジー。絶対こっちからは撃たないし、最初の一発は我慢する。平和国家を名乗るには覚悟がいるということです。･･･アメリカかと国益が完全に一致することはありえないんだから、自分の盾だけで全土を覆えるように体制の変更を進めておかないといけない。･･･税金で、国がどんな装備を買って、どれだけの能力を持っているかを･･･何の教育もしていない。そんな中で、右か左かを選べっていういまの改憲議論は危険ですね。･･･9条を隠れみのに、体制変更と戦争教育を進めるのも大人への道。もっと言えば今の解釈の中で、やれることはまだある。」これらの記事ではそれぞれの立場からの意見ではあるが、根底には平和への思いが流れているのではと感じられた。非戦の決意とリスク、平和国家の覚悟。平和を願い求めることは日本に住んでいる他国の人たちを守り、他国で生活、活動している日本人や日本企業の生命と信頼を守ることにもなる。何が起こるかということに対する想像力を働かせることは必要だ。そのためにも過去の戦争で起こったことを様々な角度から知り続けたいと思う。ただ「夫や子供を戦場に送りたくない、戦死させたくない、人殺しをさせたくない。」という感情だけで「戦争反対！」と叫んでいるだけでいいというものではないだろう。力のないわたしが一人でも今出来ることは、まず自分の心を平和に保ち、家族や友人、隣にいる人と平和を保つこと、そしていろいろな立場の人の意見を聴き続けることかなぁと思う。ふと、先日の平和的手段による紛争転換の講演を思い出した。

2005.11.17

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新国民歌「われら愛す」を歌ってみた

26日(金)から開催されている「堺平和のための戦争展2005」のプログラムの1つに新国民歌「われら愛す」を語り歌おう、というテーマがあった。話す人は決まっていたが、実際に歌う人が足りないというので、どんな歌かよくわからないまま参加することになった。楽譜はもらっていたが実際に聴いたのは数回だけ。当日の朝20分ほどの練習だけだった。時間がきて、話が始まった。「われら愛す」とは昭和28年に公募で選ばれた歌詞に公募で曲をつけられたもので、国民の間に広がったものの、その後「君が代」の推進により忘れ去られてしまっていたものだ。それが、ここ数年静かなブームだという。戦後の復興の時期、青春時代を過ごした方々の希望の歌だったようだ。話が終わり、さあいよいよ舞台へ。アコーディオンの演奏に合わせて。練習の時は音を取るのに必死だったが、本番は歌詞を味わいながら歌うことが出来た。　(日本の豊かな自然を喜び感謝する思いだろうか)　(戦争が終わり安心して暮らせる日々に空と水の青さが目に眩しく映ったのだろうか)　(戦争をした悲しみ、大きな犠牲があった悲しみだろうか)　(人々は愛に満ち真っ直ぐだったことを思い出せたのか)　(人間として･･･)　(もう戦争は2度としたくないという祈りか)　(戦争からの解放の喜びだろうか)歌いながら(　)のようなことを想像していたら、胸がいっぱいになってきて涙がこぼれそうになった。やばい、ここで訳もわからず泣いてしまっては･･･。会場の、ある程度の年齢以上の方は一緒に口ずさんでおられた。その当時のことは体験していないけれど、いい歌なのかもしれないと思った。

2005.08.28

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アニメ映画「キムの十字架」

「キムの十字架」という映画を観た。アニメなので子供向けだろうと思うが、子供にはストーリーの展開(時間が前後するので)理解が難しかっただろうと思う。兄弟ばらばらに日本に強制連行されて来て、実はすぐ近くの山向こうに弟が居たことに、終戦後に兄が気づく。弟を探しに行くと、弟は信仰を守り、同胞の身代わりとなって死んでいたことを知る。石工だった兄は、弟が死んだ壕の中に十字架を刻み続ける･･･。強制連行のむごさを訴える映画というよりは、苦難な状況にあっても信仰を固く守り続けたクリスチャンの話だった。ふと監督･製作者の名前に見覚えを感じたので調べてみると、以前にビデオで観た「死線を越えて　賀川豊彦物語」の監督･製作者だったんだ。なるほど･･･。

2005.08.26

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「Little Birds」監督綿井健陽さんの生の話

ジャーナリストの綿井健陽さんの講演会「Little Birdsイラク・戦火の家族たちを語る」に行った。以前「Little Birds」というドキュメンタリー映画を観たので、生の話を聴くことができるいい機会だった。以下、印象に残った話を拾いあげてみようと思う。彼の目から見たイラク戦争、戦争というものについて。-----イラクでは今、支配者が変わっただけで、市民は依然として声をあげることができない。「Little birds　イラク戦火の家族たち」のタイトルを考える時に、もう一つの案があった。「レイシュ」アラビア語(?)で「なぜ？」誰も答えられない、解決策を！という思いで。「Have been killed」という案もあった。「死」は遺体、血、内臓、脳髄を連想させる。「破片」が怖い。何100ｍも飛び散って、人が死ぬ。戦争は破片だ。爆弾、コンクリート片、ガラス片･･･。それによって人は、目を、手を、足を失う。地雷出足を失っても、病院に運ぶまでの"数日"の間に傷口から足が腐ってきて、切断しなくてはならなくなる。不発のクラスター弾は、地雷となる。最前線の米兵でも、そこにあるのがクラスター弾か何かわからない。知らされていない。戦争の場は、最新の兵器の実験場である。アメリカ軍、イスラエル軍などの。南アフリカでは、地雷除去機を作っている会社が地雷を作っているという現実がある。沖縄国際大学で米軍のヘリが落ちた事故があった。あのヘリは沖縄で訓練を受けてイラクへ飛び立っていくものだ。同じヘリがイラクの空を飛んでいる。装甲車、兵、F15もみな、沖縄の米軍基地で訓練を積んでイラクへと向かう。日本の米軍基地はイラクへの出撃基地である。ファルージャ攻撃の部隊は沖縄の部隊だった。日本はこの戦争に加担している事実。ファルージャのモハメド君は、目を怪我して日本で治療を受けた。けれど、彼に知っておいて欲しいのは、沖縄のこと。沖縄から米軍がイラクへ飛び立っているということ。人を殺しながら一方で人助けをしている。ありとあらゆる現場が戦争の最前線となっている。戦争の"周辺(範囲)"がどんどん拡大している。カイロやロンドンのテロを見ると明らか。テロは絶対に、防げない。テロを防ぐには、こちら側が今までと同じことを"やめないと"無理だ。「世界はなぜ911だけを追悼するのか」アメリカのイスラム教徒に言われた。バレスチナでは以前からいつも起こっていることではないか。世界の出来事は何でも、映像化されている、というものではない。3.20にイラク戦争が始まったわけではない。「今まで何をしていたんだ」「何を今ごろ取材に来たんだ」と、イラクの人々に言われた。未来志向の対話の条件(環境)は何か。支配者と被支配者の間で対話が成り立つか。今こちらがやっていることを考え直さなくてはならない。テロを防ぐためには。バスラでは薬(抗生物質、抗がん剤)がない、NGOも今はゼロ。ヨルダンにいるNPOの原さんが薬を勝ってくるまで運ぶ活動をしているが、資金もない日、非常に危険になっている。クラスター弾の影響で白血病が多く、次から次へと患者が来て、ベットが足りないので入院治療も出来ない。2、3日治療して家に帰って容態が悪化してそのまま死を迎えることも多い。病院で出会った患者には、2度と会えない。映画の中で写真の重みの差を訴えたかったシーンがある。米兵がフセインの息子を殺害した記念写真を撮っているところ。彼らはいつもカメラやビデオを携帯している。戦利記念写真にピースをして納まる。自衛隊の食事を撮るメディアたち。隊員がメディアのリクエストに従って、食事を口に入れるまねをしている。笑顔があり、笑い声が聞こえてくるNPOの原さんがイラクの病院で、以前に撮った一枚の患者の写真を本人に渡そうと、本人の行方を聞いて回るところ。「今自衛隊はイラクで何をやっているのか?」日本にいる人、様和の人々、自衛隊の隊員たち、それぞれが疑問に思っている。給水作業は2005年2月に終了している。危険になっているので、宿営地内の作業(安全対策)で精一杯。「サマワで自衛隊は"自衛"をしている」という。彼らは"命令"の通りにイラクに行っているだけ。彼らを送る人を選び続ける限りは、居続ける。外務省、官邸、自衛隊応援団は拡大の一途。現地に自衛隊が居ると、地元の人、日本人、NGOが危険にさらされる。駐留に600億円かかっている。現地の隊員は600人。12月以降はアフガニスタンが危ないんじゃないか･･･？あちらこちらで米国が戦争を起こす。その後各国が協力する構図。殺すか殺されるか。ヒロシマ・ナガサキのことはよく知られている。しかし、「なぜ自衛隊を送るんだ」と思う人が増えている。NGOの活動などで信頼する日本(人)に裏切られたと思わせている。どこかで断ち切らないと、どこかで爆発する。イラクに必要な支援は?イラクに"何をしてはいけないか"を考えなければならない。自衛隊派遣の意義はふたつある。次の派遣へのステップと実地訓練だという。今やらなくてはいけないことは立場の違う人に、知ったことを話すこと。黙認＝沈黙の共謀。ある日のクウェート新聞で、大きな写真2枚付きで自衛隊出隊の記事(イラクに入る前にクウェートへ行く)、同じ費に九条の会の大きなカラー写真付きの記事、ヒロシマで祈りを捧げるミュージシャンの記事があった。-----「何をしてはいけないか」今までと同じことをしていたら、止まない。大きな問いかけだ。

2005.08.26

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南條　亮　ジオラマ展　

「戦後60年の夏に捧ぐ　人間この愚かですばらしきもの展」　南條亮　ジオラマ展テレビの地方ニュースで紹介されていました。是非行きたいと思い、子供たちと行ってきました。図録も買ってしまいました。空襲直後の町並み、黒焦げの遺体。そして敗戦後混乱、命の危険から解放された安堵感の漂う人々の暮らし･･･。無言の人形たちであっても、一人一人があの時代の語り部なんだなぁと感じさせられました。敗戦後の、貧しい暮らしであっても人々のほっとした表情、子供たちの笑い顔、庶民の暮らし。明治の道頓堀界隈。今にも動き出しそうなほど1つ1つの顔が表情豊かでした。さて、南條さんが現代の街の様子をジオラマにしたら、一体人々どのような表情をしているのだろうと思いました。

2005.08.16

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9･11と7･7

朝刊を見て初めて知った。世界は嵐の中をさまよっているよう。暴風雨の中、進むべき方向を見出せずに、強引に船を進め嵐を静めようとしている。その強引さによって自らも傷を負いながら。ちょっと帆の向きを変えれば、風力を推進力に換えて違う方向に楽に進めるかもしれないのに。ある詩を思い出した。「一隻の舟は西に、もう一隻は東に向かう　だが、吹いているのは同じ風　舟の行き先を決めるのは、強い風ではない　それは、舟に張られた帆」「敵を愛し、迫害するもののために祈れ。･･･あなた方が自分を愛するものを愛したからとて、何の報いがあろうか。」マタイによる福音書5章44、46節(口語訳)。感情的に非常に非常に困難なことだとは思けど、このことが出来るように祈ろうと思う。人と人も、社会と社会も。

2005.07.08

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ピースアクション、ピースリレー

平和を願うあるイベントと行進に参加した。イベントは2回目、行進ははじめて。きっかけは、役割を頼まれたから。半分気が進まず。こんな気持ちで行ったとしても、現地には平和を願うという点で"一致"する人たちがうようよ。たとえ、思想信条は違っていても。こういう場に参加するということは、その"一致"する思いを、ただ持っているだけではなくて、アピールする一つの手段なんだと思う。他の人に強制するためではなく、持てる思いを表すだけ。イベントや行進のやり方全てに大賛成、というわけではないけれど、平和を願う思いを表すためだけに。これで社会が大きく変わるとは思えない。けれど、誰も何もしなければ変わらない。今のままの世の中でいい?今のままの世界でいい?今のままの地球でいい?自分たちのため、子どもたちやまだ顔も見ない孫、ひ孫たちのため。(喜ばれて生まれてくることを祈りつつ)ちょっと気になることを言わせてもらえば、沿道の人たちだけにでなくもっと報道関係にもアピールする方法はなかったのか?一主婦の立場で参加するのに、掛け声(シュプレヒコール)が生活感覚からかけ離れていたし、理解できない内容、あるいは誤解を招きそうなことばもあった。せっかく初めて参加した人は、引いてしまうんじゃないかと思う。実際、気持ちが乗らずに言えなかった言葉もある。毎年やってるから、やっときゃいい、ってもんでもないでしょう。多くの市民の方にとっては、参加しようと思うのに敷居が高い、参加しても「次回また」と思いにくいのではないだろうか。もっと、とっつきやすくなればいいのだけれど。

2005.07.03

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立命館大学　国際平和ミュージアム

立命館大学国際平和ミュージアムへ行った。世界でも、大学が平和関連の博物館をもっているのはここぐらいだという。バスに乗って着いたところは大学構内!数年(そんなわけないか・・・)～○十年ぶりに触れるこの空気!芝生の広場の向うに学舎がたたずんでいる。行き交う学生たち。(いいなぁ、共学で！・・・個人的な声です)その場を離れいざミュージアムへ。改装ほやほやのミュージアムでは、広い入り口の吹き抜けロビーに大きな火の鳥の壁画(?)が向かい合った壁に掲げられている。左右にそれを仰ぎながら説明を聞く。「右の暗い色調の方が過去、左の明るく輝く色調のが未来。そして今わたしたちは現在に立っている。わたしたちは、明るい未来を造っていかなくてはならないんです。それには過去を"反省"しなくちゃいけないんです。」強い決意と意思の込められている言葉だった。館内の詳細を御紹介するのは不可能です。というのは、わたしたちも説明をうかがうので精一杯で、時間の関係上ゆっくりじっくり展示を観て読んで感じる間が持てなかったんです。とても残念。また今度ゆっくり行かなくちゃね。泊まりで行く?地階の展示室に入るとまず、明治頃からの年表があった。歴史の苦手なわたしも、ない記憶を必死に搾り出しながら、見ていた。細かいことは頭に入っていないが、「(60年前に終わった)15年戦争は、明治の頃からの政治、軍隊の流れで起こったんです。政治がだらしなくなって軍隊が気に入らない首相の首を切ることをしだしたんです。」15年戦争、という言葉は耳慣れなかった。子供のころ習った第二次世界大戦につながる、中国への侵略戦争に始まる一連の戦争のことだとようやく理解した。説明してくれた70歳の女性が何度も言っておられた言葉が耳に残ります。「このように、力のない者・・・子ども、障害者、女性・・・にまず影響(被害、人権が奪われること)がくるのが、これが戦争なんです。」「障害者は座敷楼に入れられ、兵隊に行けない＝国のためにならないといって差別され子どもにさえ罵声を浴びせられ、本人も家族も辛い思いをしていたんです。"人権"なんてあったもんじゃなかったんです。」説明文をゆっくり読むことは出来なかったけれど、写真や展示物そのもんが訴えるものは、少しは受け取れたんじゃないかと思う。「今わたしたちが、戦争を体験された人の話を、何でも、聞き取っていかなくてはならないんです。」地階が過去の戦争についての展示。2階では「戦争のない状態が平和なの?」という問いかけとともに、「人間の能力の開花を妨げる様々な事実(『暴力』)が示されている。ここには、先日聴いた「オレンジの話」トランセンドの考えも「平和的手段による紛争の転換」ということばで書かれてあった。異なる場所で以前聴いた話が、ここでまたひとつつながっていく。平和について考えることって、こうやってあちらこちらで見聞きしたことが頭の中でネット―ワークをつくり、つながって1つの大きな全体の形を作っていくことなのかなと思えた。ネット―ワークが増えると、全体が大きく丈夫に(確固たる信念に)なっていくんじゃないかと。・・・ただ今ネットワーク構築中！入館時に頂いたパンフレットがこれだけでも充分立派な学習資料になりそうなので、ゆっくり目を通し、今まで見聞きしたことを思い起こしてみたいと思う。お昼の中華料理＆お庭散策(竹林の小道、川を眺めながらのアジサイの小道)、お土産選びも素敵な時となった。帰りのバスでは、手話で「青い空は」「あの青い空のように」を歌った。それから、ある方が、茨木のりこさんの詩を朗読してくださった。強制連行された一人の中国人、劉連仁さんの人生を描いた30分もの作品だった。新婚で身重だった妻に知らせる間もなく強制労働させられ、北海道に連れてこられた。ある夜脱走し、それから13年も厳しい寒さの北海道の山地で生き延びてきた。戦争が終わったのも知らずに。発見され、「なぜ日本人は自分を殴らないのか」と訝る。通訳のために来た背広を着た同胞に驚く。「日本人はもう中国人にひどいことは出来ないんだ」スパイの容疑をかけられながらも、何もしてくれない行政、政府をよそに、心ある同胞と日本の市民の努力で、強制連行された中国人の膨大な名簿の中から彼の名が見つけ出された。再び踏んだ故郷の地。迎えの列の中にいた凛々しい青年と中年の女。東洋の風習どおりきっともう他の家に嫁いでいるだろうと思っていた、妻と我が子。ひととき、聴き入った。情景が思い浮かんでまぶたが熱くなった。その後、藤原貞子作「生ましめんかな」も朗読してくださった。戦争に思いを馳せながらも、途中の休憩時には宇治茶ソフトクリームを買っておいしくかぶりつく自分。矛盾を抱きながらも。こういう体験って、時間が経つほどに熟成されて体の一部となっていくのよね、きっと。

2005.06.24

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「Little Birds　～イラク　戦火の家族たち～」

綿井健陽氏が1年半に渡る取材で記録した123時間の永続から102分の映画作品を作成した。知人から「行かない?」と誘われて、イラク戦争のことはずっとずっと長い間心の片隅でわだかまりとなっていたので「行く。」と即答した。ドキュメンタリー映画なので、映像が揺れる。字幕なので観続けなければならない。背もたれが低い椅子で画面を見上げ続ける･･･。嫌な予感･･･。画面では空爆後の街の様子が。血まみれの人、死体、瓦礫の山、大量の血糊。始まって早々に気分が悪くなってきた。血の気が引いて油汗が出てきた。むかむかする。画面を観続けるのは辛くなって、片目ずつ細めて観ようとしていたら、ときどき意識が遠のいていった。ふと目を開け、映像の"事実"と自分の身体の不快感が一緒くたになってわたしを襲う。上映中、かなり辛い戦いだった。一緒に行った方に心配かけちゃったね。開戦数日前から、いくつかの家族、街の人々に目を向け、カメラ越しに会話を交わす。開戦前、新聞の見出しに不安を覚える表情。平穏だった街が、ある日突然建物も人々も奪われた。子ども3人を一度に無くした家族。爆弾により飛び出た脳を中に入れて包帯で巻いて病院へ連れて行った父親。クラスター爆弾によるほんの小さな破片が目に入り見えなくなった少女と家族。クラスター爆弾の不発弾をいじっていて右手が吹き飛ばされた息子を持つ母親の嘆き。その子の弟が手を失った兄を馬鹿にする。人々の声。「街の人々を殺すのが、イラクの開放か?!」「一体俺たちがどんな罪を犯したというんだ?!」「わたしたちに必要なのはNPOの力、彼らはわたしたちに必要なものを持ってきてくれる。ほかのことはイラク人で出来る。」「サダムは去った!」「アメリカは出て行け!」「(カメラに向かって)おまえら(日本人)もあいつら(アメリカ)の見方だ!」アメリカ兵にもカメラを向け、カメラ越しに問い掛ける。「イラク人は喜んでいるのか?」　「喜んでいるさ!」「大量破壊兵器はどこだ?一体どこにあるんだ?」　「なぜ俺に聞く?そのカメラで探せばいい。」「市民を殺すことが、イラクの開放か?」　「ノーコメント･･･。」無言で去る。自衛隊のサマワ到着の取材シーン。大勢の取材陣に囲まれ、言われるがままに宿営食を口にするポーズをとる隊員たち。1年後。「戦争前は、仕事から帰ると子どもたちがみんなで迎えてくれたんだ。それが本当の幸せだった。」「人間は戦争をするために創られたんじゃない。」「戦争で一体誰が得をしたと言うんだ?!」「生きていれば、貧しくったって幸せになれたんだ。」「･･･運命だと思うしかないじゃないか。」彼らの信仰から来る言葉も、ところどころに感じられた。言いようのない理不尽さ、悔しさ、悲しさ、怒り。どこへもやりようのない感情。イラクという戦地にあったのは、人々の暮らし。家族との時間、笑い。それがいきなり、恐怖に襲われ、奪われた。もう戻らない。それでも、現実。これが全ての事実ではないだろうけれど、確かに事実の一部ではある。知らずに済むが、知らなければならないこと。精神的にも身体的にもきつい映画だった。それでも、行ってよかったと思う。イラクでの必死な生活と、いい加減にしていても生活できる今の自分の生活の対比を感じた。誘ってくれた知人といろいろなことを話し、分かち合う時間が与えられたことに感謝。

2005.06.09

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ひとつのオレンジを分けるには?　～平和的手段による紛争転換

「みんなで考えるピースワークショップ」として、奥本京子氏(トランセンド研究会、大阪女学院大学助教授)によるワークショップがあった。まず「平和学」というものについて。平和学は健康学(医学)と似た所がある。健康学は、健康という概念を追い求め、それが失われた時にどう回復させていくかを考える。平和学は、平和という概念を追い求め、それが失われた時にどう回復させていくかを考えるものである。ところで、平和の反対語は?　戦争あるいはもっと広く言うと暴力。暴力は氷山にたとえることが出来る。水面上の目に見える(全体のほんの一部の)直接的暴力(戦争、自殺など)、浅い水面下の構造的暴力(差別、軍備など)、深い暗い水面下の文化的暴力(男尊女卑、無関心、風土、習慣など)がある。平和といっても戦争がない状態である「消極的平和」と、構造的暴力がない状態の「積極的平和」がある。ところで、トランセンドとは超越するという意味で、知的なジャンプをすること、ひとつの事実を様々な角度から見ることをしていく。知的なジャンプとは?例えばあなたが南極点に立っているとする。そこで、｢50cm動いてください、ただし北に向かっては行かないで下さい。｣と言われたときあなたならどうするか?そう、上空に向かってとりあえずジャンプするんだ!八方ふさがりのような状況にあってふと目をあげて違う視点で見る、このジャンプを知的なジャンプと呼んでいる。｢紛争(confrictコンフリクト)｣の暴力的解決は戦争やいじめになる。では平和的解決は･･･話し合い、対話。ここで｢交渉｣というのは駆け引きが入ってくるので平和的解決には入れない。トランセンドでは紛争は"チャンス!"として捉える。トランセンドの例として、1つのオレンジを7歳の男の子が2人で分ける場面を考えてみる。1つのオレンジを前にした2人の男の子はこれからどうなるでしょう?ここでグループごとにいろんな意見が出された。・じゃんけんをして勝ったほうがもらう。・2人の間で力の強い方の子が全部取ってしまう。・半分分けする。・大人など(権力)に訴え仲裁してもらう。・争っている間に第3者に持って行かれる。・2人で食べて、種を植えて何年か後には実がなるので2人で腹いっぱい食べる。などなど。では、これらの中で2人の満足度はどうだろうか?A君の満足度とB君の満足度をたて横の軸にとってみるとどうだろうか？A君B君ともにおおよそ50％の満足度なら妥協ということになる。2人とも100％の満足度、さらには＋αが加えられるような方法は見出せないだろうか?ここで抑えておくべきポイントは｢狙いは何か?｣「当事者は誰か?｣「第3者は?」2人が対話を重ねることによって2人の距離が縮まっていく。時間制限付でいったん2人ともがそこから撤退することも1つの手段だ。平和的手段による紛争転換には、紛争当事者へのAttitude(態度)共感、Behavior(行動)非暴力、Contradiction(矛盾)創造性が必須の要素としている。もう一つの例が出された。祖母の形見の真珠のネックレスを姉妹2人に与えられた時、どうしたらいいか?ひとりひとりが身近な紛争を(単純なものから)探し、分析し、それを「トランセンド」してみてはいかが?

2005.05.28

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「クラウディア　奇蹟の愛」村尾靖子著

「クラウディア　奇蹟の愛」村尾靖子著を読んだ。実在の人物への取材を元にした話です。きっかけは、職場のある方のご実家が村尾氏の近所でお知り合いなので「この本読んでみて」と薦められた。わたしなりの大まかな内容をまとめる。第2次世界大戦の終戦直後、当時(今の)北朝鮮に妻子3人で住んでいた弥(本当は難しい方の"や")三郎さんは、いきなり無実のスパイ容疑でソ連に連行された。与三郎さんは、尋問拷問を受け調書を取られ裁判を受けるも発言も許されず、10年の懲役の有罪判決が下りた。シベリヤなどで生き地獄のような、人間は働く道具にしか過ぎず、働ける者しか必要ないような強制労働をさせられながらも「生きなくてはならない、こんな汚名を着せられたまま死んでなるものか｣と、何とか生きる手段を見つけ出していった。零下20～30度もの厳しい寒さ、過酷な労働条件で何度も死ぬ目に合った。けれど、彼の意思が通じたのか、刑は7年に減刑されたが、その後もしつこい監視や尋問に合った。後に彼が書いた手紙に「何度か生を絶とうとしたこともあります。何時も思い浮かぶのは、あのころの思ひ出でした。そして自分を叱り、生きていれば何かに出会えるとい智頭に信じて生きてま参りました。」と書いてある。スターリンが死んだ際の恩赦があり日本人受刑者の送還が始まったが、既に刑を終えていた弥三郎さんはソ連側の日本人帰国者名簿に名前がなかったそうだ。生きるためにソ連国籍を取り、働いていた彼はクラウディアという女性と出会った。その後2人は結婚し、一緒に暮らし始めた。――人間はいくら努力しても運命に逆らうことは出来ない。それならば、自分に与えられた運命と共に生きていこう――こう決心した彼女もまた、辛い過去を通ってきていた。彼女は｢スパイの妻｣という村人たちの冷たい視線が注がれ続けた。ようやく日本に妻子が生きていることがわかり、クラウディアは日本の、再婚せずに待ち続けていた妻のもとへ、37年余り共に暮らした弥三郎さんを返す決心をした。彼女はロシア正教の信者ではあったが、熱心な信者であったわけではないとこの本には書いてある。――人を愛するということは、時間や距離ではない。一人を自分だけが独占し、自分のそばに縛り付けておくことでもない。本当に人を愛するということは、その人が希望することを応援し、力になり、希望をかなえてやるように努力することだ――――神は、人の心の中にこそある――――人の心は自由でなくてはならない――――弥三郎を助けることで自分も救われた。弥三郎が日本へ帰りたいなら、私は全力でその希望をかなえてあげるよう努力しよう――――あなたと共に暮らした私の心情を煎じ詰めて言えば、「愛する」ということです。　真実の愛は、ただ自分を犠牲にしてこそ愛することの価値があるのだと、私は固い信念を持っていました。――一方、妻子はその後、何とか日本に帰国することが出来、妻の実家で夫の帰りを待ち続けた。半世紀もの間。女でひとつで何とか働くところを見出し、またよりよい職を得るために勉強し資格をとって。その後、弥三郎さんは妻子と51年ぶりに再会した。それは、つまり37年暮らしたロシアの妻クラウディ後の別れとなった。弥三郎さんは、終戦53年たってようやく無実だったと証明され、｢復権証明書｣が発行された。終戦前後に生きてきて、そのどさくさの中こんな形で人生を狂わされ、もとにも戻れず半世紀以上の時間を奪われてしまった人がいる。こんな理不尽なことがある。この、言い表すことの出来ないつらさの中での愛。1人の男と2人の女。最後に作者は書いている。「戦争の本当の悲惨さは、それを望まなかった人々が、個人の力ではどうすることも出来ない大きな波に飲み込まれ、大切な人生を翻弄され続けることではないだろうか。」読みだすと途中でやめることが出来なくなって、涙で目を腫らしながらほとんど読んでしまった。お薦めです。

2005.03.30

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「100人の村から憲法が見えた」池田香代子氏の講演を聴いて

心に響く言葉があちこちにちりばめられ、穏やかな表情語り口にも、しっかりと学び、進むべき道を固めてこられた方の"芯"が感じられた。わたしたちは無力ではなく、微力なんだ。わたしたちに出来ること、わたしたちにしかできないこと。教育基本法前文なんて、初めて聴いた。これが改定されようとしている雰囲気。もっと知らなくては、知らない間に危ない方へ行ってしまうことになるかもしれないと思った。まず関心を持つこと。他人事ではないと知ること。できることをしていくこと。継続は難しい･･･。

2005.03.21

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「100人の村から憲法が見えた」池田香代子氏の講演

3･20平和のつどい～今、みんなで考えよう　伝えよう　平和を　というイベントのメイン講演が「100人の村から憲法が見えた」という池田香代子氏の話だった。それをわたしなりの解釈でまとめてみる。まず、会場内の展示コーナーに「日本に置ける武器規制の歴史」年表があったのだが、それについてのコメント。豊臣秀吉の刀狩りによって武士以外の武器所持を禁止した。年表では抜けていたのだが、その流れを徳川家康が受け継ぎ、自ら(武士たちの)武器まで放棄し、鍬や鋤に作り直したのだそうだ。権力者が自ら武器を放棄するのは世界的にもほとんどなく、彼が二人目だという。もう1人はアメリカ先住民のピースメーカーという人(とおっしゃっていたと思う)。これからが講演の本編。池田氏は9･11以前には平和活動には全く感心がなかったそうだ。でもあのことが起こり、どういうことなのか知らなければと思ってアフガニスタンでNGO活動をされているペシャワール会の中村哲氏の講演を聴きに行った。そこで感銘を受け、生まれて初めていいこと(活動資金の寄附)をしようと思った。100万円ぐらい欲しい。そんな時、あるメールのことをを知った。これを多くの人に送りたい、そしてお金が欲しい。その印税で草の根のNGO活動に使ってもらいたい。そんな動機で、このメールを本として出版することにした。元がメールなので、いろんな人がいろんな文を付け加えてまた次の人へ送る。送った人、文を付け加えた人一人一人が作者、その一人一人の想いがこめられているメールなんだ。出版してみると、予想以上に売れた。100万円どころではなかった。1冊売れると手元に入ってくるのか数十円。それが積もり積もって3000万円にもなった。すごいと思った。「わたしたちは"無力"じゃない、"微力"なんだ」すると、今度は怖くなった。本当にこのNGOでいいのか。そこで、当初決めていた100万円を寄附し、あとは100人村基金として取っておいた。そして自分で色々勉強した。実は、そのお金のほとんどは国内で使ってしまった。日本に逃げてこられる難民の方々を支援するため。9･11以降、日本でアフガニスタンからの難民に対して非常に厳しくなり、一度に何十人もがテロ支援の疑いを掛けられ、強制送還を待つのみの難民収容所に送られた。難民申請しても、なかなか認めてもらえない。捕らえられた人々は、アフガニスタンのなかでも肩身の狭い思いをしている民族で、テロ支援とは関係があるはずもない人々。ボランティア弁護士が全くの無償で駆けずり回って、彼らを仮出所できたとしても、保証金のようなものが何十万円も必要だそうだ。彼らにそんなお金があるはずがない。また、困るのは医療。厳しい収容所生活で持病が悪化し、あるいは手のひらに山盛りの精神科系の薬を飲まされかえって体を悪くする人々。手術を受けても、保険に入れないので全額自己負担。釈放されても、働いてはいけないという。何で、こんなに難民に冷たい日本に逃れてきたのかと、あるとき思い余って訊いてみた。「アフガニスタンで活動している日本のNGOの人たちは、分け隔てしないから。日本なら助けてくれると思った。」しかし、泣く泣く強制送還されたある人は、去り際に支援者に向かって「日本人、海外に来たら覚えていろ。」そんなことを支援者にしか言えない、その心のうちはどんなだっただろう。これを聴かされる支援者の方の胸のうちは･･･。「世界がもし100人の村だったら」のCDも作った。100人村風の訳もつけた。このCDのはじめに「イマジン」(原作ジョン･レノン)を入れた。これを聴いたある若い人が、「これって憲法じゃん」と言ったそうだ。また、絵本の「世界がもし100人の村だったら」を本棚の日本国憲法の横においていますという80代の方がいらっしゃった。世代を超えて、"100人村"から「日本国憲法」を連想された。これはすごいことだぞと思った。"Imagine!(想像してごらん)"いろいろな人がいて、一緒に暮らしていることを。憲法は、日本語と英語があって共に公文書とされている。その、英語憲法の前文の書き出しは"We ～"憲法は、"わたしたち"のせりふだということ。じゃ、誰に向かって?政府に対して言い渡している、わたしたちのセリフである。(「憲法はわたしたちを縛るものではなくて、わたしたちが政府を縛るためのもの」という、以前の大原穣子氏の講演を思い出した)日本国憲法には弱点があると批判する学者の意見がある。批判1　権利ばかりで、義務が少ない。→憲法で明文化されている義務は「勤労義務、教育を受けさせる義務、納税の義務」。これらはわたしたちの「権利」でもある。憲法は、"わたしたちの高らかな人権宣言"である。ここに「国を守る義務」だとか「国を愛する義務」を入れると、おかしなことになる。憲法第13条では　「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」とうたっている。国民の権利が最大に尊重されるべきだと。この憲法で政府を縛り、他の法律で市民を縛るという、バランスがちゃんと成り立っている。東京大空襲の写真展に行った。悲惨な写真の数々。会場で被災者本人にお会いした。本来なら人に見せたくないであろう、悲惨な自分の姿の写真。けれど、「ほら！見ろ!」と突きつけられていると思った。その写真をちゃんと見ることで、辛い苦しいその人の尊厳を取り戻すことになるのだと。「平和は一人一人を大切にすることからしか始まらない」難民の一人一人をも。批判2　戦後間もない時代人々が茫然自失していたときに、アメリカ側が1週間で作り上げた憲法草案を押し付けられた。いろんな憲法の寄せ集めだ。→そのころ、原水禁運動に割烹着姿の杉並区の主婦から10万人規模の運動にもなった社会をそんな風に表現するのは当時の人に失礼。決して茫然自失なんかではなかった。何とかしなくてはというパワーがあった。今、イラク戦争反対集会をしても4万人がせいぜい。実は、鈴木安蔵ら憲法学者たちが1945年12月に憲法試案を発表していた。それは、明治の自由民権運動の流れを継ぐもので、彼は土佐藩のものを研究した。(この当り、ちょっとあやふや。調べ切れていません)その試案が英訳されGHQ民生局に渡された。新しい憲法を作ろう!と意気込んでいる人たちはまず何をするだろう?当然、いろいろな国の憲法を見てみてよいものを取り入れようとする。そうして、よいところをつまみ食いすることで、"人類共通の理念"が浮かび上がってくる。このときもまさにそうだった。「人の想いは、そのときに表に出なくても伏流水のように流れて、時が来たら表に出てくる」新憲法の公布が決まると、マッカーサーから当時の首相吉田茂に手紙が送られたそうだ。「一年経ったら、憲法を見直してはどうか」これに対し、吉田茂はそっけなく「わかりました。」とだけ返事をしたそうだ。これは外交的には「断ります。」という意味だそうだ。マッカーサーはどうやら9条を変えさせたかったようだ。というのは、朝鮮戦争を控え、自国の若者の代わりに出来れば他の国の軍に戦ってほしかった･･･。吉田茂は、この以来を外交的に拒否した。本当は日米安保条約も結びたくはなかったらしい。警察予備隊(後の自衛隊)も。東アジア非武装構想すら持っていたという。とこが彼は昭和天皇が大好きだった。折にふれ昭和天皇に呼び出され怒られていたらしい。それ以降、マッカーサーは何も言ってこなかった。というのは、この憲法が民衆(世論)に熱狂的に支持されたから。このようなことから、当時の人々の憲法への熱い想いが伝わってくる。批判3　今の時代に合わない、時代遅れのもの→確かに、環境権やプライバシー権などの新しい概念は入っていない。しかし"バックキャスティング"(後ろを振り返って、役割を割り振る)というやり方がある。もし100年後に世界人類が存続しているとすれば、今から100年後までに一度も核兵器を使わないでおかなくてはならない。そのために交戦権を早めに放棄しておかなければならない。じゃあ、50年後は?30年後には?何をしておかなくてはならないか?そう考えると、逆に100年先取りしている憲法といえる。「政治を縛っているロープ(憲法)がきついから緩めよう」あるいは「憲法の枠内でやっている、･･･やっている？あれ?はみ出たから憲法を変えよう」という改憲論はおかしい。全く憲法改定反対、というのではない。議論は大いに結構だと思う。憲法より危ないのは、教育基本法。これを改めて読んでみると、このとおりにやっていたら、学校はもっとましなんじゃないかと思える。教育基本法　前文「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。」これも前文は「われらは～」で始まっている。なんと立派な理念だろう。これも近々わかりやすいことばに直した本を出版する予定。これは一般法律と同じ扱いなので、変えやすい。注意しなくては。どうやら、「教育行政に口出しするな。考えることをするな、黙って働く国民になれ。」と変えられようとしているという。今の学校を変えるには、教育基本法を変えるより、学校教育法などを変えたほうがいいんじゃないか。こんな話をしていると、よく質問されることがある。「じゃ、今の私に何が出来ますか?」その１　"今の気持ちを親しい５人に話をしよう"恥ずかしいし、怖い。けれど、「こんなこと思っているのは私だけかと思っていた」という人も多い。人に話をするということは、意見の違う人の話も聴くということ。説教することはお薦めしない。その２　"メディアを支えよう"「よい報道をありがとう。もう一度放送を観たい。(あるいは)あの記事についてもっと詳しく知りたい」との声が、良識を持った一人一人の報道人たちに勇気を与え、大きな企画となっていく。FAX、電話、メールなどでもいいがはがきが一番いいそうだ。回し読みもしやすい。仕事を通じて何か出来ないかと考えている大人たちもいるんだ。その３　"買い物(お金)は投票用紙”世界の紛争の陰には、石油や水の利権争いがちらちらしている。じゃ、その紛争の種を小さくするには、できるだけ石油や外国の水を使わないで済むような商品を買うこと。石油を使わないためには、新鮮なものは地産地消。輸入物はフェアトレードのものを。日本は食糧自給率が40％だというのに、年間の食べ残しが2000万ｔもある。年間の全世界の食糧支援が1000万ｔと比較すると･･･。仮にこの食べ残しがなくなれば、食糧自給率は80％ぐらいになるんじゃないか。輸入食品が多いということは、外国の水を使って作られた作物、食肉をたくさん食べているということ。たとえば、ヤングコーンを作るにはきれいな水がたくさん必要。ある外国の産地では、村人の飲料水用の井戸をヤングコーンのために明け渡し、その静で何人もの村人が水不足で亡くなっているという。(ああ、なんてショックなこと。バーチャルウォーターっていう概念の新聞記事を以前に読んだことがある)その４　"何かひとつ平和のことにかかわる"その５　"笑顔！"暗い顔して「平和を!」なんて言っててもねぇ。これらは、わたしたちにできることであり、わたしたちにしかできないこと。"記憶を失った社会は品性を失う"と言われる。そのため、語り継ぐことが大切だと。

2005.03.20

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３．２０平和のつどいのお知らせ

【３．２０平和のつどい】　　　　世界では今尚、戦争や紛争など悲しい出来事が起こっています。「平和って何だろう」について、お話や朗読、展示などを通じて、大人も子供もみんなで考えて見ませんか。（チラシより）３月２０日(日)　9:30～14:00じばしん南大阪【講演】　10:00～11:30　　　「100人の村から憲法が見えた」　　　　　　　　　　講師　池田香代子さん【朗読劇】　12:45～13:30　　　「この子達の夏―1945･ヒロシマナガサキ」【子どもコーナー】　10:00～12:00　　　缶バッチづくり、平和クイズラリー　　　　　　　　　　　　　　　　　短編映画「太陽をなくした日」【展示コーナー】　時間中

2005.03.17

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「大阪宗教者九条の会」ができるらしい

朝刊より。府内の仏教、キリスト教、神道などの宗教者らが、憲法九条の堅持を掲げて「大阪宗教者九条の会」をつくり、27日19時～設立記念講演会を開くそうだ。大江健三郎氏らがつくった「九条の会」に賛同する10人の宗教者が呼びかけたらしい。宗教の違いはあっても信仰を持つ者として、いや特定の信仰は持たない人であっても、普遍的な"平和への願い"というものは持っているのではないだろうか。その思いを出し合い、寄せ集めることって、気恥ずかしいし、小さなことのようだし形になりにくいことだけれども、全国的にあちらこちらで発生し形になり大きくなってくると、大きな力になると思う。憲法九条を一字一句そのまま残せ、とまでは思わないのだけれど、前文を踏まえてこの平和への思いは残してほしいと思う。九条は確かにあいまいな点がある。そして解釈の範囲で運用されている。じゃ九条をもっと細かく具体的に規定したらどうだろう。でも、法律って、細かく具体的に決めれば決めるほどはみ出る部分が出てくるように思う。融通もきかない。逆に解釈の範囲でのぎりぎりの運用の方が、歯止めもきくだろうし、臨機応変に関連法案で対応できるんじゃないかと思う。一昨日だったか、テレビの生放送で九条討論をやっていた。わたしは睡魔に勝てず布団の中で朦朧として所々聞いていた。次の日、その番組を見たという人に感想を聞いて、色々話した意見が、「九条はこのままで、今までどおり解釈で運用した方がよさそうな気がするね。」というものだった。理由は上に書いたとおりだ。九条に限らず、憲法改正(改定?改悪?)論議が高まってきて、一人一人が憲法に関心を示すようになることはいいことだよね。以前に聴いた講演のなかで、「憲法は国のあり方(政治、行政)を監視するためのものだ、国民、くらしを守るためのものだ。」と聞いた記憶がある。(言葉はさだかではないけれども)ただ単純に、平和を望み、暮らしが守られてほしいと思う。今朝の天声人語に、旧約聖書の引用があった。(引用は口語訳より)「こうして彼らはそのつるぎをうちかえて、すきとし、そのやりをうちかえて、かまとし、国は国にむかって、つるぎをあげず、彼らはもはや戦いのことを学ばない。」　イザヤ書2章4節ニューヨークの国連本部前の広場の壁に刻まれているそうだ。敗戦後の日本は、このようだったのかもしれないなぁ、見たわけじゃないけれど。《参考》日本国憲法前文日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。第二章　戦争の放棄第九条１．日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。２．前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

2005.01.26

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1･11憲法9条を守り生かす講演の夕べ～超主観的講演内容のまとめと感想

「今、この時代に、このごろ考えること」作家、憲法「九条の会」呼びかけ人　小田実氏小田氏はまず、今年1月に阪神淡路大震災10周年を迎えるにあたり、震災について話されました。彼自身も家族も親戚も被災され、家のすぐ横で高速道路がひっくり返ったといいます。昨年末にインド洋での大津波災害がありましたが、大きな災害というものは、物事の飾りがはぎ落とされて剥き出しの本質が出てくる、それは社会の本当の姿だとか人間の本当の姿だという。日本一豊かな地域であった神戸が、そのすぐ前にテレビ報道されていたルワンダ難民収容所の(悲惨な)状態になった。避難所に集まり、コンクリートの床に地べたで寝て、食糧配給もなかったという。給水車も来ず、行政による広報もなかった。備えがなかった。これはいったいなんだ?!そこで、「市民が市民を助ける」「軽症者が重傷者を助ける」という戦地での原則をもとに、運動を始めたそうだ。そこで集められた資金は市民救援基金として、市民生活再建のために使われた。ところが、行政の集めた義援金は、市民生活そのものではなく、建物や道路の建設に使われた。行政のやることには隙間がある、それどころか全部隙間だらけということがわかった。隙間のところに本当なら公的援助が必要なのだ。行政は平気でうそをつく、政府の言うことを信じたらいかん。ほかの国では違う。まず生活基盤ができて市民が安心して初めて、生活の復興･回復の第一歩と考えている。危機が起きたら、まず市民生活再建のために公的援助金をまず出す。それを日本は、個人の生活は個人の自助努力でということで、また法律がないということで出さなかった。今でもほとんど変わっていない。阪神淡路大震災の1年前に、アメリカのノースリッジ大地震があった。高速道路がひっくり返っているのを見て、日本政府は「日本ではありえない」と言っていた。その際アメリカはいち早く個人に公的援助金を出したそうだ。そのときのアメリカの言い分がこうだ。「アメリカ合衆国は民主主義の国だ。　民主主義の中心は市民だ。　市民の生活が危機に陥るのは民主主義の危機だ」自助努力というのは、「お上は何もしない、お前ら勝手にやれ」ということ。この国はなんだ?!総理大臣や代議士に震災の責任はない。ただ、われわれの税金で彼らを"働かせ"われわれの生活が安定するように、彼らに政治を"させている"。これが"主権在民"だ。しかし、「自助努力で」といわれることで、震災が"人災"に変えられている。「生活基盤は必要な人に最低の生活援助を！それができてから、自助努力ができる」実は島原の雲仙岳噴火、奥尻島の地震の時には、(一人当たり？一世帯当り？)1200万円の義援金が渡された。阪神の時はたった40万円。政府が言うには「被災者が多すぎた。」被災者のせいなのか？！これが同じ国なのか？！これはいったいなんだ?!生活再建のためには、国からの公的援助がまずベースにあり、地方自治体からの公的援助がそれに乗っかり、さらに民間からの義援金が上乗せされるという3階建てであるべきだ。生活再建とは、住居の確保、事業所の確保、雇用の確保の3つ。危機は、政治テロと自然テロ(災害)と考えることができる。この二つ全体を含めて国を変えていかなくてはならない。政治テロはアメリカ追従を止めれば、なくなる。日本は災害大国として、自然テロにも十分備えていかなくては。そこで、平和憲法が生きてくる。日本だけの問題ではなく、地球的規模の視野で。インド洋津波のあと、きっと難民が多く出るだろう。それを日本は受け入れるべきだと思う。戦後、日本に"民主主義と自由"をもたらした国が、その後も一方的な殺戮と破壊を繰り返している。第2次大戦終了間際、アメリカ国内では"平時"だった。新聞には、大阪などの大空襲攻撃の記事の横に株式市場、靴やバッグの広告などが普通に載っていた。日本は完全な負けだった。天皇が降伏を受け入れるのに、アメリカは数日間空襲を中断したが、天皇はわが身が心配で降伏をぐずぐずしていた。陶磁の3人の悪者であるヒットラーとムッソリーニは既に殺されていた。残るは"ヒロヒト"だけだった。そうしている間に8月11,12日空襲が再開され、また多くの人が亡くなった。天王星保持の内諾をアメリカに取り付けてようやく降伏したという。アメリカ空軍の偉いさんが後に"日本の航空自衛隊の発展に寄与した"ということで勲章か何かを授けられたそうだ。その彼が、ベトナム戦争を指揮した時に言ったことが「ベトナムを石器時代に戻す！」戦争体験者は、第2次大戦後も"戦争の継続"を語り継がなくてはいけない。戦争非体験者は"爆弾で解決するのか？"と問い続けなくてはいけない。爆弾で解決しないからこそ、パレスチナではアッバス氏が出てきて話し合いでの解決を目指している。ほかの国や地域で、今こそ、日本の平和憲法が注目を浴びているとも聞く。日本国憲法前文は"世界平和(反戦)宣言"で、それを具体化したのが9条(非暴力、非武装)だという。是非前文を読んで欲しいと。「民主主義･自由＝平和主義･平和憲法今こそ9条」-----以上がわたしなりにまとめた内容です。はじめに震災の話が出ていたので、戦争とどう関係があるのか、と思っていました。話を聞くうちに、小田氏の大きな大きな視点、時間も空間も超えるような視点を感じさせられました。「私はこう思う」という理屈ではなく、事例を挙げ、そのつど「これはなんだ？！」と問いかける姿勢、そしてそれを原動力とする行動力に感服しました。アメリカ民主主義の光と影が対照的に思われました。"主権在民"という基本姿勢がアメリカ社会に"当然"あることを初めて知ったように思います。反面、民主主義を世界にもたらすという名目で、今もなお、対等な戦争どころか「一方的な攻撃と破壊」がくり返し続けられている事実。憲法9条は、決して時代遅れのものではなく、何十年も時代を先取りしたものなんだと、新しい"目"が開かれたような気がしました。

2005.01.12

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紅白歌合戦のさだまさしの歌を聴いた

さだまさしの「遙かなるクリスマス～紅白歌合戦バージョン」の紹介を事前にちらっと耳にして、是非この歌を聴いてみたい、と思った。お節料理を重箱に詰めながら、歌順が気になる。家族は、チャンネルを変えいろんな番組を観ていた。何とかお節を形にしてテレビを見ると、あと数曲だ。お風呂にも入りたいけど、まずはテレビを見るためにスタンバイ。家族は、マツケンサンバが終ると早々に寝室に入ってしまったので、居間で一人静かに鑑賞することが出来た。この歌を聴くのは初めて。しかし、"メリークリスマス"を浮かれている世間の目が向かないところには、悲しい、悲しい、現実が、確かに、ある。自分の楽しみだけを追い求めていていいのか。この季節にこそ、ほかの人の、悲しい思いをしている人のことを思い、その人達の幸せを願い、出来れば少しでも行動することを忘れてはいけない。じ～んときました。さだまさしさんの熱唱が、心に突き刺さりました。大切なことを思い出させてくださってありがとう。

2004.12.31

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訃報

朝のニュース速報で知った。やはり、という思いと、どうしてこんなことが、という思いが交錯する。拘束されたというニュースを初めて聞いたとき、わたしの中で彼の行動を裁く思いがあった。「危険だといわれているのに、いったい何しにいったんだろう。安易な気持ちで行くから、そんなことになるんだ。」と。でも、しばらくして考えが変わった。どんな行動をとったにせよ、人間が殺されるべき理由なんてないはず、と。このようなことが、今回に限らず多発する状況こそが、愁うべきことなんだと。あの時あんなことをしなければこんなことが怒らなかったのに。あの時ああしていれば・・・。いくらそう考えたところで、今の状況を大きく変えられない。じゃ、今、ここで、自分には何ができるのか。無力感に襲われる。彼のご家族のコメントが心に残る。「支えていただいた多くの方々には大変な心痛をおかけし、おわび申し上げたい。感謝の気持ちでいっぱいです。このような結果になったが、イラクの人たちに一日も早く平和が訪れることを祈ります」「（息子の）死を無駄にしない生き方を選びたい」怒り、失望、やりきれない思いなどもたくさんあるだろうに。神様今回の事件に限らず、心が痛む事件が頻発しています。そのたびにやりきれない思いに支配されます。どうか、それぞれのご家族の心が癒されますように。イラクに平和がもたらされますように。このようなことをする人たちが、正しく裁かれますように。この言いようのない悲惨な事件をとおして、神様の光が現されますように。あなたの愛と平和で全世界が支配されますように。言葉にならないうめきのような祈りを、イエスさまの御名によって。　アーメン

2004.10.31

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台風の日にあの被爆アオギリが・・・

今年は、立て続けに台風が上陸している。そして今日も。お昼ごろ暴風警報が出されたため、学校は昼から下校となった。うちの子どもたちも、強風の中家に帰ってきた。家中の窓を閉め、(めったにつけない)クーラーとテレビをつけて家の中で過ごす。同じマンションの子供たちは、廊下などでたむろして遊んでいる。元気な子達は、暴風の中、公園で野球をしている。ちょっとはなれた家の子が自転車で遊びに来たが、「風が強いから家から出るのは危ないよ」と言って、家に返した。が、ふと、家まで送っていったほうがよかったかと後悔する。無事に帰れたか、心配が募る。うちの子達もマンションのどこかに行ってしまって、「ちょっと行ってくる」とも言えなかったのだ。テレビのニュースでは、ひたすら台風を追っていた。どこかでは、お年寄りが突風でこけて怪我をしたとか、屋根から落ちて亡くなったとか・・・。そんな中、目に止まったあるニュース。広島の平和公園にある、被爆アオギリが突風のため根元からなぎ倒されたという。つい先日(8月20日)にこの目で見てきた、あのアオギリが。原爆に遭い、黒焦げになった幹から新芽が伸びて更に59年間行き続けてきたアオギリ。台風の風に、散ってしまった。被害にあわれた方々が、どんなにかその生命力に力づけられただろう。励まされたことだろう。そのシンボルとして、平和公園に移植されていたアオギリ。人々の希望、平和への思いが込められていただろう。生きているものはいつか必ず死ぬ、そんな当たり前のことが今更ながらに、目の前に突きつけられる。被爆アオギリが倒れても、人々の希望、平和への思いがいつまでも続きますように。「わたしたちは、見えるものにではなく、見えないものに目を注ぐ。見えるものは一時的であり、見えないものは永遠につづくのである。」コリント人への第2の手紙　4章18節

2004.09.07

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ヒロシマのうめき

生まれて初めて、広島に行った。子どもたちを連れて日帰りで。目的は原爆ドームと碑めぐりと広島平和記念資料館と袋町小学校平和資料館。広島市内に入って、川の多い街だなと思った。聞くと、三角州の街だという。原爆が落とされた後、大勢の人々が熱さと渇きのため水を求めて川に入りそこで亡くなったという話が思い出された。現地のボランティアガイドによる数々の碑の説明。その方の穏やかな口を通して、ヒロシマの思いが伝わってきた。「この悲惨なことを繰り返してはならない。」「この苦しみを述べ伝え、語り継がなければならない。」「これを知った人がまた他の人に語っていって欲しい。」8月6日に原爆が落とされ、その年の末までに約14万人もの人が亡くなったという。半径2km内の市街地の建物が跡形もなくなり、一瞬のうちに蒸発して消えてしまった人々も多数いた。一つ一つのいのち、一つ一つの人生、暮らしが、ともに無くなった。今なお、原爆症や原爆を原因とする(とは政府に認められていないが)複数の癌などで苦しむ人も多い。新幹線に乗ってはしゃいでいた子供たちも、何か感じただろうか。またいつか、見聞きしたことを思い出すだろうか。

2004.08.22

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受け継がれるもの～親から子へ

実家の家族が久々に勢ぞろいした。両親と祖母とわたしたち3姉弟とその家族たち。毎度お決まりのバーベキューを庭でする。今回は生後3～4ヶ月の赤ちゃんが2人いるので、交代で家の中で待機。会が進むにつれて、毎度おなじみの母娘喧嘩が始まる。母娘とは、母とわたしではなく、祖母と母。いつものことなので、周りは楽しみながら言葉をはさむ。わたしにとっても長年見慣れた光景だ。こんな、見慣れた光景を見ながらふと思った。母とわたしも、意見が合わないときがある。そんな光景を子供たちが見てずっと育ったら、やはりあきらめの境地で面白がって眺めるのだろうか。なんだか、ドキッとした。母とわたしの気が合わないのも、なんだか2人だけの問題ではないような気がしてきた。気が合わないと、反発するのではなく、同意できないながらも認められるようになったらいいのに。祖母と母も、母とわたしも。子に受け継がせるものは、もっといいものにしたいよ。

2004.07.18

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ピースリレー初参加～参加で何が変わるか

毎年、5月から8月の丸々3ヶ月間、各地の生協をつないで東京から広島長崎へ向けて平和行進(ピースリレー)が行われている、のは知っていた。けれど、近くでは平日の午後が多く子供も小さかったので、参加したことはなかった。今年は、ピースリレーのお昼休みを兼ねて、土曜日に市内の公園でピースアクションと称して平和集会が行われることとなった。今年は参加してみようかな、集会だけでも、と思っていたら、行進の街宣カーのうぐいす"嬢"の役を仰せつかってしまった。行進にすら参加したことがないのに、うぐいす"嬢"だなんて！原稿はあると聞いたが、どれだけ心をこめられるだろう。一体何が変わるだろう、と、ついこのあいだの日曜日まで思っていたが、だんだんその気になってきた。しかし、何せ未経験、初体験。見聞きしたこともないことを努められるのか・・・。心配ながらも2人の子供と一緒に集会に参加。そこで歌われる歌は、子供たちがよく知っていた。学校の平和集会で毎年歌うから、覚えたという。きたがわてつさんの声に合わせながら子供たちが歌う「青い空は」「広島の有る国で」「折鶴」目が潤んできた。集会後、いいよいよ行進出発。街宣カーに子供たちと共に乗り込み、原稿を読む、というか、街の人々に訴える。日中の暑いさなかで人通りはほとんどない。誰かに、この思いが伝わりますように。シュプレヒコールも、と言われていたが、さすがに聞いたこともないことは出来なかったので、「ちょっと難しいから、いいです」と言って頂いた。「ほっ。」でも、シュプレヒコールのない行進は寂しかったようで、途中で1人の人が車に乗り込んでくれて、やってくれた。さっすがぁ！予定していた休憩所に到着して、役割は終わり。お役に立てたのだろうか。でも、そんなにドキドキしなかった。そこから、暑さと脱水気味のぐったりした身体を引きずりながら、帰途に着く。はぁ～終ったぁ～。さて、今日の参加で何か変わったのだろうか。子供たちは、また参加したいといってくれた。日本が、世界が大きく変わることはないけれど、少なくとも、私自身の心の中で、平和ということを、もっと深く考える思いが与えられたと思う。大きく変えられたじゃないか！----ばて気味ながらも、子供たちと夕方のテニス会に参加。予想通り、気力はあっても体力がついていかず、すぐにばててしまった・・・。参加してくれた人たち、ありがとう！かえって体重を量ったら、1.5kgも減っていたよ。脱水だね。

2004.07.03

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世界の平和を望み、つくるということ

自分ひとりで、平和を願っていたって、祈っていたって、本当に平和なんか来るのかと思っていた。毎日のように報道される戦争のこと、人質のこと、捕虜虐待のこと、民間の人を巻き込むことを承知で実行される空爆・・・。この国に限らない。過去何千年と続いてきた膨大な数の様々な戦争。人類の歴史で何十億人もの人々が犠牲になってきたという。一人一人には生活があったし家族も友人もある。突然引き裂かれるのだ。ニュースを見聞きするたびに、言葉にならない悲しみに襲われ、人間のすることの愚かさを感じている。ただ、無力な自分に失望し、涙を流し、嘆くだけだった。なぜ?!何のために?!今日の礼拝メッセージは、戦争の話から始まった。話が始まって間もなく、涙が溢れ出る共に身体が震え手足の力が抜けていった。魂が震えていた。今まで漠然と感じていたことが、意味整然と牧師の口からの言葉となって、魂を揺さぶった。礼拝終了後も、しばらく立つことができなかった。戦争は、決して国と国の間にだけあるのではない。一人一人の中にまず平和をつくることが大事なんじゃないかと。一人一人の心に平和があったら、戦争はなくなる。人間が自分の心を治めている限りは、心の中の戦争はなくならない。人間が国を治めている間は、国と国との戦争も・・・。人間が正しく善悪を判断できるのか。人間の支配の"終わりの日"には、平和が来る。クリスチャンは、自分で心を支配することを手放し、神様に全てをゆだねるとき、心の平安が与えられる。心に平安がある人と人の間には平和がある。まずは一人一人の平和。家族と、友人と、ご近所の人と、買い物で出会った人と、道ですれ違った人と、車の運転中に目を見て合図をした人と、それぞれの間にまず平和をつくることが出来たら・・・。各地の生協をつないでの"ピースリレー2004"が5月7日に東京を出発し広島、長崎を目指して日々行進している。わたしも生協の委員の一人として役割が回ってきた。リレー参加は今年初めてだし、型どおりするだけなのだけれど、こんなことをしても平和なんて来るのかなという戸惑いがあったし、心をこめてするのは無理かもと思っていた。しぶしぶ引き受けたものの、あまり気乗りがしなかった。けれど、今日平和の本質がわかった。遠く離れた国のことだけじゃない。自分自身の心の中にあるもの。ピースリレーでの役目に対しての、心が備えられた。ハレルヤ!いよいよ今週。元気に参加できそうです。「平和を作り出す人たちは、さいわいである。　彼らは神の子と呼ばれるであろう。」マタイによる福音書5：9わたしは心から平和を望む。

2004.06.27

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自分たちのことばで語る憲法とわたしたちのくらし～大原穣子さん(方言指導)の講演会

メインの講演に先立って、ピースリレー2004(5月7日東京出発～8月6日広島へ、8月9日長崎へ)を実際に歩いてこられた方の話があった。今年ピースリレー2004年に自費で(約45万円)東京から約90日リレーコースを全部歩く22歳の青年Ｋ君という人がいるそうだ。彼はイラクで拘束された高遠さんの知人だそうで、彼の話として高父さんの活動紹介があった。彼女はイラクの、親を亡くした子供たち、ストリートチルドレン(麻薬、窃盗、殺人までも)を集めて、食材をもってきて一緒に食事を作る活動をしていた。子供たちは地域の大人からも見放され、食べ物にももちろん飢えているが愛情に飢えていた。そんな子供たちが、その活動を通じて高遠さんのことを「お母さん」と呼ぶようになっていたという。国は人道支援の名目で自衛隊派遣をしたが、本当の人道支援とはこういう草の根の活動なのではないか、という話だった。さて、本題の大原穣子さんというドラマなどの方言指導のお仕事をされている方。彼女は仕事のかたわら、方言指導の仲間の方と共に、日本国憲法を方言で言い換えるという活動をされている。冒頭の、「憲法は本棚に飾っておくものではなく戸棚にしまっておくものでもなく、くらしにとってもかかわりの深いものなんです。」という彼女のことばが印象的だった。堅苦しい条文を観ても読む気もしないし、また読んでみても意味がすっとわかりにくい、じゃそれぞれの地方のことばに直してみようと、活動を始められ、本やＣＤも作成されている。始めに憲法11条(基本的人権の尊重)を広島弁で、憲法24条(個人の尊厳、両性の平等)を大阪弁で、憲法25条(生存権)を京都弁で話してくださった。続いて方言とは。その土地で生活と共にずーっと受け継がれてきた大切な文化、遺産だということ。母の胎内にいるうちから聞いていて、生活の中で周りの人々に話し掛けられて１２歳頃までに身につくことばがその人の母語だという。ただテレビが普及した現在は、その大切な方言はドラマの中でしか残っていない。第2次世界大戦に日本が負けてできた「新しい憲法の話」を学校で教わったときの新鮮な喜び。(このときに、まるっきり違う価値観を教える側として三浦綾子さんがいらしたことを思い出す)終戦50余年、他国に責められず、国の名によって人を殺したことがないのはこの憲法(第9条)のおかげだという。憲法9条は日本の国だけのものではなく、世界の国々の人々のためのものであるという。ＥＣ憲法にこの9条の内容を盛り込みたいとイタリアの首相が発言したそうだ。憲法については、20年以上も昔、学校で大事なところを読んだ覚えはあるけれど・・・。今、憲法改正(改悪？)論が湧き上がっているが、今ある憲法がいったい何をいおうとしているのか、どれだけ暮らしに関わっているものなのか、知っておかなくてはならないと思った。

2004.06.12

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イラクへのうめくような想い

特にイラクが好き、というわけではない。昨年3月に攻撃される前のイラクのことを知っているわけでもない。攻撃が正当だったかどうかもわからない。イラクという国の中では、人々は何を思い、どのように生活しているのだろう。色々な出来事がニュースとして伝わってくる。それは情報のほんの一部だろう。モスクが攻撃を受けた。各国の人たちが拘束されているようだ。日本人も。民間人が。軍隊の人も、自分の意思のみで赴いているわけではない。決定するのは母国の政府だ。イラクの人もイラクに来ている人も、イラクに派遣している国に住む人も、狙われ、命が脅かされている。どうしてこんなことが。ビリージョエルの歌のフレーズが脳裏にこだまする。♪Who is wrong? Who is right? ♪誰がそんなことわかるのか。戦いを始めるのは人間だけれども戦いを止めることができるのも人間だと今こそ信じたい。----こんな悲しい心でニュースの見出しを見たすぐ後に、スーパーのチラシを見る。平和なような、日本。

2004.04.09

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スプリングカーニバル～子どもたちの未来に平和を

朝から、「ぞうれっしゃがやってきた」のリハーサル。息子も出演させる予定だったが、急遽祖父母宅に行ってしまったので叶わず。娘と2人で参加した。2月から練習に行けなかったので、、わたしにとっては初めての全体合わせ。総勢200名超が舞台に並ぶ。舞台にたって歌うのは初めてじゃないし、なんせ200人もいるのだから、誰もわたしなんて見てないわと、緊張は全くなかった。本番、緞帳が上がり演奏が始まる。さぁ！・・・効果音もあり後半気分も盛り上がって、涙が出そうになったが、何とか歌い終えた。子供たちは本番に強いようで、みんな元気にはっきり歌えていた。どうか、平和を望む思いが一人でも多くの人に伝わり、広がりますように。他のプログラム（いずみ自民生協平和のとりくみのスライド上演、朗読劇「折鶴～ファントムはなぜ落ちたのか」、森住卓さんの写真スライド＆子どもたちによる朗読「イラク湾岸戦争の子どもたち」）も、戦争って？平和って？日本は平和？を考えるのにとても良い内容だったと思う。一大イベントが終り、ほっ。そういえば、今日は一応結婚○○周年記念日だった。夫は出張でわたしの実家泊だけど。

2004.03.27

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イラク戦争と占領支配の被害の記録～自衛隊派兵を問う～

たまたま近所のショッピングセンターに買い物に行ったら、チラシを配っていた。イラク写真パネル展。昨年春にイラクを訪れ、劣化ウラン弾の被害の実態を調査したヒロシマの平和活動家、森瀧春子さんの写真を中心にしたパネル展。今、イラクはどうなっているのだろう。用事を済ませて、娘を引き連れて会場に向った。写真は、以前見たことがあったものも多かった。そして、自衛隊派兵を問うパネル。自衛隊が行くサマワの町にも劣化ウラン弾が落とされたという。そしてそのことを国は認めていない。自衛隊の人たちは知らされぬまま行かされるというのか。また、テロリストではなく住民の人が自衛隊をアメリカの味方の軍隊だと思って攻撃を仕掛けてきたら、住民に銃を向けるのか、というような内容だった。自衛隊については、断片的な情報しか知らず、新聞によっても取り上げる立場が真っ向から違う。政党によっても「派兵」と言ったり「派遣」と言ったり。実際にイラクの人、サマワの人は今本当に何を望んでいるのか。自衛隊ができること、しに行くこととの間にギャップもあるらしい。人道支援、国際貢献というなら、大地震があって街が壊滅的な被害にあったイランはどうなのか。劣化ウランが落とされて危険ならば、現地の人も立ち入り禁止にすべきじゃないか。などと、素人の強みでいろいろなことを考える。派兵（派遣？）に賛成とか反対と言う考えは、私の中でまとまりきらないので、アンケートを書かずに会場を後にした。ただ戦争は悲惨さ、悲しみ、恨みを長年にわたって残す、ことは確かだ。そして誰かの手によって復興させなければ。復興させても心の傷は癒えないだろうが。戦争反対、これだけははっきりしている。(追記　２月４日の新聞によると、自衛隊は"イラン国際緊急援助活動(地震)"を行っていたそうです。）

2004.01.24

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ぞうれっしゃがやってきた―合唱団結団式(2004年3月27日平和に関するイベントに向けて)

ぞうれっしゃがやってきたという合唱組曲がある。元は実話の同名の絵本である。[あらすじ]昭和12年サーカスから東山動物園にやってきた4頭のぞうは子供たちの人気者でした。でも戦争が激しくなり各地の動物園では次々と動物たちが殺されました。そんな中、名古屋の動物園では園長や飼育係が必死で守りぬきました。そして戦争が終った後生き延びた2等のぞうを見たいという子供たちの夢を乗せた特別仕立ての[そうれっしゃ」が全国各地から名古屋へと向かって走ったのです。これを来年春の生協でのイベントに向けてやっていくことになった。今日はその結団式。子供から大人まで、老若男女集まった。はじめに一曲だけ練習をしてみる。初めて歌うのいうのに、途中で声が詰まって歌えない。なんて心を打つ悲しい内容。悲惨な状況の中で生き残ったぞうを守り抜き、やっと戦争が終って、それを全国各地の子供たちが「ぞうれっしゃ」に乗って見に来る。こんなに泣きそうになっていては、練習どころじゃないよなぁ。原作者の小出隆司氏が名古屋から来てくださった。当時の話、戦争体験、動物を殺さざるを得なかった状況、そして平和を願う気持ち・・・。話は尽きない。平和を願う強い思いがひしひしと伝わってくる。子供たちは約1時間半の話の間、退屈してしまったようだ。おとなしくさせるのが大変だった。ちょっと長めの話の後、絵本と楽譜とCDの販売があったので、絵本だけ買ってきた。これから3月まで練習があるが、歌う自信が・・・ない。

2003.11.29

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プラトーン

プラトーンというベトナム戦争の中での出来事を題材にした映画(テレビ版)を見た。先日、ドクさんの話を聴きに行ったところなので、ベトナム戦争というだけで反応してしまった。わたしは学生のころ歴史と名の付く教科は大の苦手だったので、その政治的経緯や経過、結果については何も知らない。ただ後に残った悲しさ、悲惨さのことに思いを馳せるのみだ。一体戦争って、あるいは戦地に行く兵士たちは、誰に対して何に対して戦っているんだろう。「ここに居れば生きるか死ぬかしかない。ただ生きて国へ帰ることだけ考えるんだ。」といい、極度の緊張を強いられ平常心での判断ができなくなる。新たに任務についた兵士は日常生活の良心をもって戦地にやってくるが、それが何の意味もなさないことへの精神的な苦しさ。ただ生きて帰ることだけを考える、任期終了が近い兵士たちのやりとり。良心的な判断を持ち出し、隊の中での仲間割れが起こり、味方ですら脅したり、殺してしまう。ドラマ、ではあるが戦争というもののほんの一部を映像で見たような気がした。

2003.09.25

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シンポジウム　戦争と環境破壊　

大阪市中央公会堂でのシンポジウムに参加した。主催はＣＡＳＡ（地球環境と大気汚染を考える全国市民会議)初めて中にはいる中央公会堂。古い時代の面影を残し、天井もとっても高くいい雰囲気だった。会場の集会室にも、天井にステンドグラスがあるなど、装飾が凝っていた。○「ベトナム戦争と枯葉剤」　グエン・ドクさん（ツーズー病院平和村）　フエン・ゴック・バンさん（ホーチミン市戦争証跡博物館副館長）ドクさんは、１９８１年生まれ。１９８７年（と思う）にべトさんとの分離手術を受けられた。現在は元気に病院のコンピューター事務をしながら、今いる枯葉剤の影響を受けた子供たちの面倒を見たりしている。今時の若者だなぁと思った。「自分は幸せだ、皆さんに自分のことを知ってもらっているから。」今は彼女もいて、「普通の人になりたい。」言われていた。政治家になるつもりは？の質問に、「政治家についてよくわからない。」と。フエンさんは、ベトナム（国民）の悲しみをすべて背負ってこられたようだった。物静かな話し方の中に、声を詰まらせ、涙を拭き、時には声を荒げ、戦争や枯葉剤の影響でどんなに悲惨な悲しいことが起こったのかを訴えておられた。１１人の子供を無くした母親の話・・・。少なくなってきたとはいえ今なお、枯葉剤の影響で奇形児として生まれてくる赤ちゃんがいるという。差し出したり拍手をする手のない子供、脚のない子供・・・そんな子供たちが今１５万人いるという。ベトナム人の夢は小さい、それは”平和”だという。ベトナム人は勤勉dから、物質的な被害には打ち勝つことができるが、精神的な被害には今も打ち勝つことができない。「アメリカの戦争犯罪についてどう思うか」という質問があった。これに対し、「わかってほしいことは、アメリカは自分の（戦争）犯罪をわかっていない。大きな戦争をしてきて、今まで償っていない。それは、アメリカ国民の責任ではなくて、アメリカ政府の責任。実際には裁判はされていないけれど、兵士たちは、自分の心で裁かれていると思う。いつかアメリカ政府が、ベトナムにしたことをわかって何かベトナムに対してやってもらいたいと思う。」と答えられた。○「イラク戦争と子供たち」　森住　卓さん（フォトジャーナリスト）森住さんは１９９８年からイラクの取材をはじめられた。湾岸戦争のときには、イラクのクウェートとの国境付近に３００ｔ(広島の原爆一万数千倍)もの量の劣化ウラン弾が投下された。今回のイラク戦争では、約８００ｔが投下されたという。劣化ウラン弾とは、天然のウランを核分裂材料として濃縮するときの絞りカスだ。重くて固くて安い材料として、弾頭に使われる。装甲車の固いボディーをも貫く。また貫くときの摩擦熱で一瞬のうちに高熱となって、中にいる人は皆一瞬のうちに黒焦げになってしまう。もちろん低レベルとはいえ放射性物質だ。また、焦げた後の酸化ウランは、重金属毒性をも併せ持っている。(鉛や水銀中毒のようなもの)水溶性なので、雨によって土や地下水を汚染する。そこで育つ野菜も汚染される。汚染された草を食べた家畜の肉も乳も汚染される。それがイラク全土に出荷される。風で飛ばされると、空気中に拡散し人や動物の呼吸器に入り、放射線を出し続ける。黒焦げになって放置された、装甲車に登って遊ぶ笑顔の子どもたち。これがバクダッドやバスラ市内にも落とされたという。また、イラクの核開発の中心的施設が(英米軍は警備をしなかった)略奪にあった。そこにあったのは、天然ウランの黄色い粉末の入ったプラスチックのドラム缶。人々は、放射能の知識も何もないので、中のウランをそこらじゅう(道路や川)に棄て、川でドラム缶を洗い、飲料水をためるのに使っているという。その川で泳ぐ子供たち。その道路で遊ぶ笑顔の子どもたち。唯一略奪に合わなかったのは、厳重に英米軍に警備されていた石油省だという。経済制裁によって、食料が不足し、生後４ヶ月で５００ｇも体重が減った赤ちゃん。イラクでは１９９４年頃から子供たちの癌罹患数が白血病を中心に３～４倍に増えているという。５歳以下の幼児死亡率も湾岸戦争後は１０００人辺り１２０～１３０人と２倍に増えているという。たくさんの、テレビや新聞には載せられないような写真を見せていただいた。先天性の奇形で生まれた赤ちゃんたち。目を背けたくなるような写真が多かった。取材先の病院の医者のことばが耳に残る。「この子達の写真を撮って、世界に知らせてください。それがこの子達が生まれてきた意味なのですから。」あの子達は長くは生きられないのだろう。その子たちの使命が、命をもって、自分の姿をもって、戦争の影響を世界に知らせることだなんて･･･あまりにもむごいことだと思う。イラクの街の写真には、たくさんの、元気(そうな)子供たちが笑顔で写っていた。その横にある、ウランのドラム缶、棄てられた天然ウラン、黒焦げになった装甲車。多くのことを感じ、考えざるを得なかった。○「米軍基地の環境被害」　大島琴一さん(立命館大学、ＣＡＳＡ理事)国内にたくさんの米軍基地のある日本で、知らなかったでは済まされない問題を、初めて知った。日米地位協定第４条１項「合衆国は、この協定の終了の際またはその前に日本国に施設および区域を返還するに当たって（要は、米軍基地が日本から撤退するとき)、当該施設および区域をそれらが合衆国軍隊に提供されたときの状態に回復し、またはその回復の代わりに日本国に保証する義務を負わない。」実際フィリピンで、基地で働く労働者の健康被害、近辺の地下水の汚染、基地周辺の廃棄物処分場で、有価物を回収していた労働者の健康被害、そしてその子供たちの先天異常がある。そしてフィリピンでは２０００年８月に、被害の遺族たちが環境ＮＧＯの支援のもとで、フィリピン政府とアメリカ政府を相手取って、損害賠償と汚染除去を求める訴訟を提起した。ところで、ドイツでも同じような地位協定があるが、１９９３年に改定され環境問題を含む様々な項目で改善がなされた。それに従い、ドイツ駐留米軍は、基地返還の際に過去の使用実態をめぐり、その履歴を元に環境汚染の調査を行っている。そして、撤退後であっても原状回復義務がある。基地内では、一体どんなことをしてどんな化学物質がどれだけ使われているのか、知ることはできない。また、使用されている化学物質の種類や量もちょっとやそっとの量ではないだろう。演習で弾薬を山肌に打ち込んだりしているとも聞く。さて、どんな弾薬やら。そして、土、水などの汚染の実態もわからない。仮に米軍が撤退しても、元の汚染のない状態に戻さなくてもよいらしい。撤退したって、その後利用の使用がないじゃないか。まず汚染状況から調べて、それを除去するまでは。知らなかったなぁ。以上、３つのテーマでのシンポジウムで、内容が重くてたっぷり、頭がはちきれそうだった。めったに聞くことがない現状をある視点から少しでも眺めることができて、よい機会だった。どう活かしていけばいいのか、わからないけれど。

2003.09.03

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世界陸上、アフガン女性初出場！

たまたまテレビで世界陸上の女子１００ｍ予選を見ていた。ふと、他の選手とウエアが違う彼女が目に留まった。彼女は、わたしが中学生のときの体操服のようなウエアだった。Tシャツに長いジャージズボン。靴も一見普通の運動靴。何かあるなと思った。スタートして、みるみるうちに他の選手に離されていく。でも、１００ｍを走りきってゴールするのが、他の選手のゴール後、後方で見えた。なんだか嬉しかった。彼女の名前は、リマ・アジミ（アフガニスタン）というのを次の日の新聞で知った。アフガニスタンは今年７月に正式に国際陸連のメンバーに認められたそうだ。そして、初の女性選手。イスラム教の戒律からはじめて人前に素顔を見せたという。アフガニスタンといえば、一昨年の同時多発テロのあと米英軍に攻撃を受けたことが記憶に呼び戻された。今どうなっているのかはわからないが、その国からの参加ということに感銘を受けた。平和でなければ、参加はかなわない。今は平和なのだろうか。イラク戦争のことで記憶から遠ざかっていた国が思い起こされ、この国の平和を願いたい。今後も、アフガニスタンが国際的なスポーツ競技に参加することができますように。

2003.08.23

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イラク報告

昨日の晩のことですが、こんなタイトルの番組を見かけました。家族が見ていたのを、途中から横でちらちらと充ちただけですが。アグネス・チャンが現地へ行ってリポートしていました。食べ物がないので今までの職業を棄てて猟師になったが、全然魚が取れないおじさん、鍋いっぱいのスープのような一日分の食料を、大家族で分け合って食べている。・・・などなど。その後夫が子供たちに問いかけた。「電気もガスも水道も今日いきなり止まって、食べるもんがなくなったら、どうしたらいいと思う？」急な問いかけに答えが出なかった。「どうやって水や食料を確保するか？」そんなことすら考えたこともなかった。お金をもってスーパーに行けば、食べたいものが好きなだけ買えるのが当たり前。イラクでの生活とのギャップ。きっと世界中を見渡せば、こんな生活はイラクだけではないのだろう。たまには、そんな想像力を働かせるのも必要だと思った。

2003.08.19

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広島平和宣言

今年、初めて広島平和宣言の全文を読んだ。毎年宣言されていただろうに、今まで気に求めなかった自分が悔しい。心に残ったところを抜粋してみたいと思う。-----「被爆者が訴え続けてきた核兵器や戦争のない世界は遠ざかり、至る所に暗雲が垂れ込めています。」「・・・『核兵器は神』であることを奉じる米国の核政策・・・」「・・・国連憲章や日本国憲法さえ存在しないかのような言動が世を覆い、時代はまさに戦後から戦前へ大きく舵を切っている・・・」「米英軍主導のイラク戦争が明らかにしたように、『戦争が平和』だとの主張があたかも真理であるかのように喧伝されています。しかし、この戦争は、・・・罪のない多くの女性や子供、老人を殺し、自然を破壊し、何十億年も拭えぬ放射能汚染をもたらしました。開戦の口実だった大量破壊兵器もいまだに見つかっていません。」「かつてリンカーン大統領が述べたように『すべての人を永遠に騙すことはできません』。そして今こそ、わたし達は『暗闇を消せるのは、暗闇ではなく光だ』という真実を見つめ直さなくてはなりません。」「『報復』という闇に対して、『他の誰にもこんな思いをさせてはならない』という、被爆者たちの決意から生まれた『和解』の精神は、人類の行く手を明るく照らす光です。」「「・・・世界住の人々、特に政治家、宗教者、学者、作家、ジャーナリスト、教師、芸術家やスポーツ選手など、影響力を持つリーダーの皆さんに呼び掛けます。いささかでも戦争や核兵器を容認する言辞は弄せず、戦争を起こさせないために、また絶対あくである核兵器を使わせず廃絶させるために、日常のレベルで祈り、発言し、行動していこうではありませんか。」-----今や日本は「唯一の」被爆国ではないと思う。（６月１９日の日記を参照）けれど「最初の」被爆国として、世界の国々へ、指導者たちへ、ひとりひとりへ訴えていく責任はあると思う。この夏、家の近くの戦跡や資料館を訪ねてみませんか。

2003.08.06

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イラクへの自衛隊派遣

昨日の朝刊よりイラク復興支援特別措置法案において、自衛隊の活動地域は「非戦闘地域」と定めている。これについて、民主党の管代表が「現地の米軍司令官が『組織的なゲリラ戦が行われている』と言っている。どこが非戦闘地域なのか、一箇所でも言えるのか。」と小泉首相にただした。これに対して首相は、「どこが非戦闘地域なのか、わたしに聞かれてもわかるはずがない。」----素人のわたしでも、あきれてしまった記事だった。非戦闘地域がどこなのか分からないということは、自衛隊をどこに派遣したらよいのか分からないということではないのか。そもそも、非戦闘地域なんて存在するのか、素朴な疑問。

2003.07.25

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