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カテゴリ:ING入賞作品 鬼羅の歌
鬼羅の歌 その夜 鬼羅の耳の奥で 男の子の歌声が響き続けた。 体の内はドクドク鳴りつづけ カアッと熱くなったかと思うと 冷たい刃物のような風がふきぬけたりした。 心の臓と腹の臓がいっしょくたに絞られ 痛んだ。 夜が明ける頃 鬼羅は決めた。 自分をこんな目にあわせた男の子を 探そう。 探して食ってしまおう。 鬼羅の腹が ぎゅるるぅと喜んだ。 鬼羅は獣のように 四つんばいになり 地に鼻をつけ 男の子の匂いをたどった。 太陽が昇りきる頃 山のふもとに 小さな畑と小屋をみつけた。 また あの歌声が聞こえる。 芋の葉が広がる畑に 男の子がいた。 腹が ぐるうっ とせかす。 鬼羅は 男の子の背に しのびよった。 写真byげこる「げこるでつくる」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.05 07:09:54
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