日々のあぶく?

2005/06/28(火)22:43

こわれた腕環 ゲド戦記2・ル=グウィン作 清水真砂子訳

本(1447)

THE TOMBS OF ATUAN(アチュアンの墓所) 1971 アーシュラ・k・ル=グウィン(Ursula K.Le Guin) 挿絵   ゲイル・ギャラティ 扉カット ルース・ロビンス ゲド戦記の第2弾。 カルガド帝国の中の一島、アチュアン。 テナーという名を取り上げられ、喰らわれし者(アルハ)と呼ばれる巫女として闇のモノ(主)に生涯を捧げる運命を担った少女。 彼女の教育係と、他の巫女(彼女は大巫女となる)、世話係のマナンをはじめとする宦官しかいない地。 大巫女の館の周りにも王座の神殿、墓所、大王の神殿、兄弟神の神殿などしかなく、 墓所の地下には迷宮があり、そこに闇のものがいるという。 巫女として生きるしかない彼女はある日、彼女しか入ってはいけない、 彼女の管理下にある迷宮に潜り込んだ魔法使いを見つける。 地下に隠された財宝を盗みに来たのか、彼の目的はわからないまま迷宮に閉じ込める。 しかし、なぜか気になり彼に食事を運んだりするようになる。 侵入者に対し闇の主は動き出すのか? 名もなき闇の主、みたこともない闇の存在に身を捧げる巫女、伝説の腕環、 今回も一気に読んでしまう。 ゲドは影との戦いからもう一冒険後、竜王と呼ばれる魔法使いとして登場。 和の象徴としての(エレス・アクベの)腕環、自分の存在、それぞれの真実、目的、闇と静寂、そしてそこに差し込む光、 不変と倒壊、死の世界しかなかった価値観が崩れる日、自由の重さなどが描かれる。 後の物語に影響を与えているところもあれば、地下迷宮、死と深いかかわりのある地、 生贄、兄弟神や石柱や壁画などクレタ島やミノタウルスの迷宮を彷彿とさせるモチーフである。

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