カテゴリ:本
「月読」の朔夜一心が登場する連作短編集
人が死ぬと月導が現れる 月導には様々な形があり、視覚に訴えかけるもの、温度や匂いに転化されたものもある。 月導には死者の想い(主に最期に気にかかっていたこと)が込められていて、それを読める(その意を汲める)者を月読と言う。 月読は月導に対して嘘は言えない。 月読命が夜の国と月導を司る神とか。 それぞれの事件に対して一心が関わっていく。 どこかで繋がるかと思ったらそうでもなかった。 "そこにない手"の河井刑事は「月読」にも登場なので、さりげなく「彼ら」の話は上がるけど、進展はなし。 月導は死ぬと気にその人が思ったことが現れる。 それだけのことで、その人の一生や、深い意味が隠されているわけではない。 それでも、何を思ったのかを知りたいがいる限り、なりたくてなったわけではなくても一心は読み続けていくのだろう。 ―ネタバレあり― 朔夜一心:月導の意を汲めることから幼い時に両親、兄弟と引き離され、月読である宿父に育てられた月読。 普段は翻訳家との二足のわらじで生活。 ・落下する花 憧れの先輩が残した月導は「(かつての恋人を)殺した」というものだった。 その真相は? 登之場助教授:月導を研究 和佐友喜 :月導に興味がある学生 田波 :和佐の友人 野嵜桜月:和佐の憧れの先輩。飛び降り自殺をする 沢島卓斗:事故で亡くなった桜月の彼氏 喧嘩別れした後事故で亡くなった沢島。 彼の死が桜月のせいだと詰った友人の言葉を聞き、 彼の死を自分のせいにすることで彼を手に入れたまま死ねると自殺。 ・溶けない氷 自殺した歌手の月導(溶けない氷)を持っていた伯母の真意とは? その歌手の月導を狙う謎の老女とは? 智子伯母:自分の死後、月導を読むよう一心に依頼していた。 真由子 :月読に場合によってはその意を他に漏らさぬよう依頼した伯母の真意を探る 永瀬:刑事 真由子の父のことを思っていた伯母は彼に似た歌手の月導を手に入れていた。 月導に隠れた思いが表れていたら他言せぬようにと一心に依頼するが、その心配は無用に終わる。 老女は歌手の元恋人で自身も元歌手。 ・般若の涙 事故で死んだ妻の月導の意味とは? 藤重克昌:大学教授。 事故で死んだ妻の月導が近所の話題になっていることから、 公衆の面前でその意を知らせるよう一心に依頼 麻美 :正彬の娘。依頼を強く望んだのは彼女。 樋浦正彬:克昌の義弟。義兄の為、一心に連絡。 水原:畑等署刑事課の刑事 般若の月導は正彬の妻のものではなく、彼女をひき殺した車に乗っていた同乗者のもの(事故時に運転手によって殺された)だった。 妻の月導は香り。 ・そこにない手 殺された男の月導に導かれるのは犯人か? 大倉昌行:娘の月導を握って殺された男 河井寿充:一心と面識がある刑事 犯人は元妻。入浴中に死んだ娘の月導の意味を巡って事件は起きた。 章タイトルはそれぞれの月導の形 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 4, 2007 03:07:56 PM
[本] カテゴリの最新記事
|
|