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日々のあぶく?

May 31, 2007
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短編集。

結構グロイ話が多い。
…だけど、なんだかするりと読めたのは痛覚というか、感覚描写が少なかったからか?

―ネタバレあり―

・C10H14N2(ニコチン)と少年―乞食と老婆
子供に関心のない(エリート?)両親のもと"いい子"であろうとするたろう。
突然、名家の妾の子にいじめられるようになったたろうが出会ったのは一人の乞食。
「普通」の人には親切でも、身なりの貧しい人には暴力的な町の人々。
その間にありながら、最後に歪みを放出するたろうの物語。

「周りの人に親切に」の"周りの人"はどこまで規定されるのか?
誰にでもある表と裏が描かれている。

・Ω(オメガ)の聖餐
殺された人間を食べ、処理をする巨大化した人間・オメガの世話係となった俺。
かつて数学者のアシスタントをしていた俺、脳を食べることで進化したオメガ。
死亡したオメガの代わりとなった俺はオメガの脳を食し、ある(数学)理論にたどりつく。

・無垢の祈り
級友に"おばけ"と呼ばれ、疎外される小学生のふみ、信仰宗教にはまった母、暴力的な義父
町に流行る殺人事件の犯人を探すふみは母に捨てられ、義父に追い詰められていき―

行き場のないほど追い詰められた時に現れる犯人が救い主に?

・オペラントの肖像
「人間は同じ過ちを犯すもの」を前提に、"条件付け(オペラント)"により人間を管理するようになった世界
芸術はその条件付けを覆すものとして排除されていた
管理者である私の母は実は堕術者(条件付けから解き放たれ、芸術を愛する者)だった
同じように堕術者を母に持つ娘に心惹かれた私は彼女を助けたいと思い―

恋する女性すらも条件付けされている。そんな世界。
どちらが管理者で監視されていたかというラストは容易に想像できる。

・卵男(エッグマン)
連続殺人犯として捕まった私は死刑を待つ間、捜査官とまだ見つからぬ死体について駆け引きしたり、
自分から情報を取ろうと配置されたであろう隣の檻に入った男との会話を楽しんだりしている
隣の檻に入った男はアンドロイドだと思うのだが―

どちらが操作の為に配置されたアンドロイドか?
実は"私"こそが死刑囚が狂わないように配置されたアンドロイドだった。

・すまじき熱帯
金の為、母子を捨てた父と一緒に熱帯に渡った俺は麻薬の売買で王国を築いた男の土地を目指す

王は腐っても王か?
人は総じて死に、どこまでも救いはない。

・独白するユニバーサル横メルカトル
連続殺人犯の親子二代に使われる地図帳の独白

視点が面白い。
新参者のカーナビと違い、自分達はプロだと言ったりするのだ。
…この話、どこかで読んだ記憶があるのだが、なんだったんだろう?
2006年第59回日本推理作家協会賞受賞作だそうな。

・怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男
生きたまま人間を解体していく男と解体される女の話

そういや登場人物に”その筋の人"も多いよな。
暴力的、闇の中ではなんでもありなイメージなのだろうか?






Last updated  May 31, 2007 11:08:55 PM
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