テーマ:ミステリはお好き?(1430)
カテゴリ:本
ふと「誰の本読んでるんだっけ?」と思うことが多い道尾作品。
だが、"道尾作品"と意識した途端、引っ掛らぬようにせねばと警戒心が強くなる(良い意味で) 「Welcome to riverside cafe SUN's」で彼らが回想するのはあの時の出来事― 相模大学に入学した秋内静はボーイッシュな羽住智佳に惹かれる。 それを見抜いた容姿はおそろしく整っているが癖のある友江京也が 「智佳と仲の良い巻坂ひろ子と自分が付き合うから、自分と一緒にいればいい」 と秋内に提案した事から友人に。 バイトの合間に彼らと行った海、そこで椎崎教授の息子・陽介と愛犬・オービーにも会う。 バイトに戻り、仕事中に見かけたのは、ファミレスから出て来る京也らと、 道端で立ち止まった姿勢から一転、駆け出したオービー、 そして、その反動(リードをしっかり持っていたため)で車道に飛び出し、 事故にあった陽介の姿だった。 事故に京也が関わっていたのではないかと不審に思った秋内は、 動物行動学に詳しい間宮の助言を受け、調べ始める。 タイトルは”事件の鍵を握るオービーの行動も、動物と喋れるソロモンの指輪があれば分かるのに"という意味がこめられている。 間宮に言わせれば、「本当に向き合い、観察すれば、指輪などなくても分かる(サインを受け取り、理解できる)」らしいが。 ~ネタバレメモ~ 椎崎と不倫(プラトニック?)していた京也。 それが原因で別れた元夫が京也を狙っていた行動が、 主人に危害を加える様相だと感じたオービーが、陽介を守るために攻撃に転じたことが事故に繋がっていた。 相変わらず、大小の仕掛けがあり、楽しませてもらった。 秋内の祖父が微妙に絡んでいる所が絶妙。 「Welcome~」の店名が"三途の川"を指しているというのはツボでした。 だが、視力の弱い犬が、道の反対側にいる人間の"眼鏡とナイフ"を判別できただろうか? それだけで"攻撃のサイン"と受け取るには…歩道を挟んでならまだしも、車道挟んでいるならば、 実際犬を飼っている身としては、これはないんじゃ(無理)?と思う。 ということで、キーポイントの説得力が弱いのがもったいなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 23, 2007 01:57:02 AM
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