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January 20, 2013
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「神去なあなあ日常」続編。
まったりほのぼの?風味。地のしをん氏風味なところ(文体)も。
のどかでありながら、自然の厳しさと素晴らしさが広がり、
仕事や濃い田舎の人間関係にも慣れてきた主人公・平野勇気(20)の恋愛に
あれから進展あったのかとか、村の成り立ち、
ヨキ(30代前半)やおやかたさんである清一(30代)の過去等もあきらかに。

読みやすく、また続きが読みたくなる一作。

*なあなあ:神去弁で「ゆっくり行こう」「まあ落ち着け」「いいお天気ですね」などなどオールマイティに使える言葉。

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前作も今作も勇気がパソコンに書いた文章という設定。
中村清一班は、清一、清一の幼馴染で勇気が居候している家の飯田与喜、
田辺巌(50代)、小山三郎(70代半ば)。

飯田家は与喜、妻・みき、繁ばあちゃん、犬のノコ。

神去村神去地区の中学生以下の子供は清一の息子・三太(小1)のみ。

第一夜 神去村の起源
神去村にあった大きな池の神は大きな白蛇の神だった。
凶作の年、村人が平たい土地で作農できるよう池を移動してほしいと願い、
蛇神は族長(のちの村長)の娘を嫁にすることを条件に池を移動。
その後、娘は自分のもとに通う若者・ナガヒコと夫婦になる。
ナガヒコが蛇神と知っても娘は彼を受け入れ、子供も生まれ幸せに暮らす。
だが、娘が老いて死に、彼女以外に自分を満たす存在はいないと気付いた蛇神は
村の一番高い山に住む神・オオヤマヅミに村と村人のことを見守るよう頼み、
自身は空の彼方にある、生まれた場所に帰っていく。
それから、その山は神去山、村は神去村と呼ばれるように。

本当にその土地にあるような起源話。


第二夜 神去村の恋愛事情
梅雨の間と、夏の林業繁忙期が終わった後に教習所に通い、勇気は運転免許取得目前。
勇気の片思いの相手・直紀(勇気の4~5歳年上で姉・裕子の夫・清一に横恋慕)を
ドライブに誘いに(40分歩いて彼女の家に)行き、
小学校の先生をする彼女を同僚(男)が送ってきたのを目撃。
嫉妬し、直紀にちいさいと言われてしまう。
しょげる勇気にみきはヨキとのなれ初めを話してくれる。
2つ年上のヨキをずっと好きだったみきは、女子にずっとモテて全く振り向かぬヨキを想い続けた。
そんな変わらぬ彼女に根負けしたヨキは彼女を選び、結婚。
みきは押したもん勝ちだと勇気の背中を押す。


第三夜 神去村のおやかたさん
山には神木としか思えない、不思議なことが起きる木があったりする。
いやな感じがするときはその感覚を大事にする。
秋、車購入目指してヨキの軽トラで稲わら配達人のアルバイトを始める勇気。
気が向くと直紀が助手席に乗ってくれることも。
清一が高校生の頃におやかたさんになったという話を聞き、
同じころ、ヨキの両親も含め、村で同じ日に16人も亡くなっていることを知る。

第四夜 神去村の事故、遭難
11月半ば、オオヤマヅミさんのお祭りで山根のおっちゃんから
お守り代わりのオコゼの干物をみせてもらう勇気。
その時に、20年前の5月6日に村にそのころあった大峰講に参加したメンバー
清一とヨキの両親を含む16人が乗ったマイクロバスが事故に遭い、亡くなったことを知る。
その後、山で捻挫してしまった勇気はヨキと夜明かしすることに。
勇気はヨキから事故当時の話を聞く。
当時小学5年生だったヨキは思春期と反抗期がはじまりかけてる頃で、
両親にろくに挨拶もせず送り出してしまったこと、
事件の知らせを聞き、高校生だった清一に覚悟するよう伝えられたこと、
両親を確認したこと、繁ばあちゃんのこと、
未成年だったにもかかわらず、親戚に恵まれなかった清一は会社の顧問弁護士に動いてもらい
山と資産を守り(遠縁にあたるみきの両親が後見人、山の実務は三郎じいさんが受け持った)、
高校、大学を卒業して名実ともに社長になるまでわけの分からぬ親戚らを撃退し続けたこと
(そのおかげで神去村は豊かな山々を維持することができた)、
生まれた時から清一はおやかたになるための教育を受けていたこと・・・。
ヨキは今でも両親出発の際にちゃんと声をかけなかったことを夢に見るという。
勇気はすべてを知っているみきとヨキが結婚した理由の一端を感じる。
捻挫で数日静養になった勇気は、山に行けずにつまらないと感じるようになるまで成長。
繁ばあちゃんにパソコンに記した自分の覚書の存在を教え、
面白いネタがあったら教えてと言うと、山根のおっちゃんが探し物をしている姿を知らせ、
通りかかったら「失せものなら、あげの準備はしたか」と声をかけろというのだった。

ぐぐっと深みが増す一編。

第五夜 神去村の失せもの探し
紛争当事者の言い分が食い違い、周囲ではどちらが正しいか判断できなかったとき、
神去村ではお稲荷さんにおあげ(油揚げ)を持ってお参りすると、
自分の都合のいいように嘘をついていたほうが怪我や病に罹り、天罰が下るのだという。
今ではお裁きの案件は持ち込まれなくなったが、失せもの探しに力を発揮するといわれているのだそうな。
山根のおっちゃんが探すのはオコゼの干物(貴い守り神by山根)。
稲荷に参るおっちゃんに見届け役として連れて行かれた勇気。
後日、オコゼは山根のおっちゃんの元に戻る。
また、直紀が探す就職祝いに清一からもらった万年筆も、稲荷に参ってすぐ勇気の助言もあり発見。
神去村ファンタジーの一つだと思ったが、霊験あらたかだと感激する勇気に
村で一番大事かつ難しい人間関係を荒立てないため、
稲荷に参ったという話を聞いた犯人がお稲荷さんの罰が怖くてオコゼを返し、
そうなったらそれはお稲荷さんのおかげでよいとなると中村班のみんなが言うのだった。
それが信心が集まれば力も絶大になる現役のお稲荷さんというものだと。
真相を知るが、お稲荷さんに愛着もわく勇気であった。

第六夜 神去村のクリスマス
直紀にキスされるも、彼女の同僚の奥田が気になってしまう勇気。
清一の息子・三太にクリスマスのことを聞かれる。
おやかた教育をするなかで贅沢にならすといけないとクリスマスの扱いを考える清一に、
お金をあまりかけずに皆でムードを楽しもうと説得。クリスマスパーティーをすることに。

清一のおやかた教育には頭が下がる。さりげなく林業の試行錯誤も垣間見れる。

最終夜 神去村はいつもなあなあ
繁ばあちゃんがロックしてたはずなのにパスワード(naoki)に見当を付け、パソコンを開き、
勇気の秘密文書を読んでいた!パスワードを変更(shige)し、防衛成功。
心づくしのクリスマスパーティーは和やかに進行する。
が、遅れてきた直紀を送ってきた人物を勘ぐってしまい、直紀を怒らせてしまう。
三郎じいさんらに愛について諭された勇気は、翌朝直紀に謝る。
直紀は嫉妬するほど好いてくれてるのに自分を信じてくれてないことに怒ったと答える。
クリスマスプレゼントを渡し、再度告白する勇気。
勇気を不安にさせるのは自分も嫌だと直紀は受け入れる。

百年後を見据えて山に木を植え続け、先祖が植えた木を切り続けて生きてきたこの村の人たち、
あとを生きる人が幸せであるよう祈って手入れする、その信頼こそが愛だと思う勇気。
都会とは違う時間軸に生きているような神去村の人々の心の豊かさがここにあるように感じた。





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Last updated  January 20, 2013 05:35:29 PM
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