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カテゴリ:コドモ
日曜日、チンクエチェント・ミーティングの帰り、環状道路を走っていると、2台前の車が突然、急ブレーキを踏んだ。
環状道路だよ。皆平気で140キロとか出している道路だよ(速度違反だけど)。 突然そんな風にブレーキ踏まれたらビックリするじゃん。 キキキキキー、とタイヤを鳴らしながら、脇道に逸れるその車。タイヤから煙が吹いているのがよく見えた。 私たちは幸い、150mくらい離れたところにいたから良かったけど、その車の後ろにぴったりくっ付いていた車はさぞかしビックリした様子。そりゃそうだよなぁ。 事故にならなくて、とりあえず良かった。 さて、一体この急ブレーキの車に何が起こったんだろう、ってやっぱり思うでしょう? 急ブレーキを踏んで横道に逸れた車。停まったと同時に助手席から金髪の女性が出てきて、車の後ろの方にスタスタ歩き出した。 おい、環状道路だよ? 高速道路みたいなものだよ? どこ行くつもり? まもなく、運転席から男性と、それから後部座席から5歳くらいの男の子が出てきて彼女を追った。 なるほど、家族か。 男性が女性の腕を掴むと、女性、ヒステリックに叫び、ヒステリックにその手を払いのける。 男性は続けて、叫びながら女性の胸座を掴む。女性は男性を殴る。男性も手を上げる。 子供が間に入って必死に二人を分けようとする。叫びながら。 ・・・嫌なシーン見ちゃった。 大人二人だけだったら、醜い夫婦喧嘩の図だな、って思った程度だっただろうけど、間に子供が入っている。子供は必死に両親を止めようとしている。 こういうシーンって、切ない。 「親に振り回される子供の人生」という義母との話題のついでに、こんな話をしてみた。 そしたら、出て来るわ、出て来るわ、こういう話。 義母が昔ベビーシッターしていた親戚の娘、クリスティーナ。彼女のこと、かなり小さいときから見ていたんだって。 彼女の両親は、物凄い夫婦喧嘩が派手な夫婦。 2歳半の頃のクリスティーナの言葉、義母、今でも覚えているって。 「きのう、マンマ、なげた、まど、パパ」 一瞬、マンマがパパを窓から投げたのかと思ったら、違ってちょっとホッとした。彼女が実際に言いたかった内容は、こう。 「昨日、マンマがテレビをパパに投げつけて、テレビが窓から下に落ちた」 あんまりホッとできる内容でもない・・・。この時は、この夫の方、警察に妻を訴えに行ったんだって。 夫が覚えているのは、 「マンマ、れいぞうこ、たたく、パパ、パパ」 マンマが冷蔵庫でパパを叩いたのかと一瞬私は解釈したけど、誰が冷蔵庫を持ち上げて叩くさ? プロレスの選手じゃあるまいし・・・。 実際は、 「マンマがパパを冷蔵庫に叩き付けて殴っていた」 ・・・2歳半の子供から聞くには忍びがたい内容。 ここの夫婦の喧嘩は派手で、4階の窓からもの投げまくり。水槽投げたこともあるし、飼っていた猫を投げたこともある。意地悪に夫の服切り裂いてこれも窓から投げちゃったり・・・。 どうせならお金も投げてくれないかな。喜んで拾いに行くのに。 これがね、いまだにらしいんだ。いまだにこんな夫婦喧嘩。 クリスティーナはもう16歳くらい。 子供って犠牲者だと思う。両親が喧嘩しているのを見て、子供は苦しむ。 うちの子供は現在1歳7ヶ月。1歳前、歩けない頃から、私たちが些細なことで喧嘩すると(って言うか、言い合い?)、それに気付いていた。大声で叫んで、泣き出す。歩ける今は、人の脚にしがみ付いて訴える。 こんな風にされると、些細なことでも喧嘩できない。子供の様子を伺いながら、になる。 子供ってすっごく分かるんだな。 話のついでにもうひとつ、両親の喧嘩じゃないんだけど、トラウマがあるもうすぐ4歳の子供について話題になった。 夫の従兄の奥さんの兄弟に、私と同い年のレオがいるんだけど、レオ、いろいろ事情があって、毎年、タイとケニアとバジリカータ(イタリアの南部の州)で過ごしていた。タイにいたとき、女友達に彼の子供ができた。それが、ローベルト(ロにアクセント)。 タイの国籍しか持っていなかったローベルトをイタリアに招くに当たって、まず彼にイタリア国籍を持たせるため、レオが父親ということを証明するため、DNA鑑定をして、無事、父子と認知され、イタリア国籍を取った。 母親であるタンも、子供がイタリア国籍ということで、イタリアに滞在を許可される。 2年後の今年初め、タンはイタリアの生活に慣れなく、国にはまだ他にも子供がいるということで、タイに帰ることを希望。当然、ローベルトをどうするかという話に。レオが、自分が面倒をみると言い、タンはローベルトをイタリアに残してタイに帰った。 その時彼らはバジリカータの家にいた。 夜、ローベルトが寝付いてから、タンは出て行く。ローベルトには何も言わずに。 今年の8月、レオのお兄さん夫婦がレオとローベルトを訪ねてバジリカータに遊びに行ったとき、最初の夜、お兄さんの奥さんが2階でローベルトを寝かしつけることに。その間、レオとお兄さんは出かける支度。程なく、車で出かけて行った。 2階でトロトロしていたローベルト、家から車が出て行く音を聞いて、ビックリして飛び起きた。 「パパだ! パパが行っちゃう! 僕も一緒に行かなきゃ!」 寝かしつけていたレオのお兄さんの奥さんは、「パパじゃないよ。おじさんがタバコを買いに出かけて行っただけだから大丈夫」って安心させて寝かしつけたそうだけど、このローベルトの行動って、ママに置いていかれたトラウマからでしょう? 置いていかれるのが恐いんでしょう? 3歳ちょっとのときの記憶が、一体いつまでこの子のトラウマとなるんだろう。 両親は3歳ちょっとの子供に何が分かるかと思って何も言わなかったんだろうけど、本当はちゃんと言った方が良かったんじゃないかな、って思う。子供って、分からなそうで、結構ちゃんと分かっている。 いつも喧嘩している夫婦、別れないのは子供のため、片親しかいないんじゃかわいそうだから、っていう考えもどうかしていると思う。両親がいつも喧嘩しているのを見て育った子供が幸せなはずがない。別れてしまった方が、両親のためでもあるし、子供のためでもあるんじゃないかなって私は思う。 子供の前では気を付けなきゃ、って改めて思った日だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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