幸せの青いクジ
例えば、中学生の頃、近所で小火があった。建てたばかりの新築の家が中途半端に焼け落ちていた。いつどこで地震が起きて家が倒壊してもおかしなくないのに我が家は無事だ。毎日起きる自動車事故に我が母が巻き込まれないとも限らない。風呂に入るたびに自分が転んで頭を打つ姿をイメージしてしまう。しかし私は生きていて妹も元気で母も家も無事である。不幸というはずれクジを引くのではなく幸福の当たりくじを引き続けているのだと思う。日々の生活の中でさまざまな偶然とバランスのもと今まで幸せの当たりくじを引き続けてきた。少し前ある選択をしたのだけどこれでいいのだと思いつついろいろ後悔はした。しかし母を見て自分の選択は正しかったのだと思った。たぶん家族やこの家を守る為に私は生きていけるのだと思う。