|
カテゴリ:あんなこと、こんなこと
2ヶ月ほど前、夕方に玄関のベルを鳴らす人がいて出てみると、恰幅のよい50代のオヤジ。
おくさん、知ってる? 慣れ慣れしい!突然なんだ!? 向かいの家、差し押さえになったんだけど、まあ、通常考えたらウチが引き取って家を壊して建て直さなきゃならないんだけどさ。それも大変で…。おくさんとこで買わない?安くするけど。 "買わない?"って・・・スーパーの大根かっ!? 地元の人間ではないので引越しの可能性が高いのでいりません。 おむかえのウチは4人家族で、オヤジは大工さんなんだけど、家族みんなちょっと変わっていた。あっても目をそらして自分から挨拶をしてくれることは一度もなかったし、一番やっかいだったのは町内会費を徴収に行くとき。明らかに在宅なのに(玄関の戸が半開き)いつも居留守を使われるので徴収担当になると、大変だった。夕方人の気配や車の音がすると急いで出て行って家人を捕まえるのだが「今、お金なくて…」と払ってもらえないことはたびたびあった。 「差し押さえ」って・・・? ○○家解散!!ってやつか!? うっそ~~~? ありがたいことに私の父もそして主人もきちんと生活に困らないだけの給料を毎月もってきてくれたので、「家がなくなる」などという恐怖は味わったことがない。 ってか、身近にそのような人を見たのは初めてだ。 その後おむかいの家族は、毎日のように車に荷物を積んでどこかへ運んでいた。"引越し"という感じではない。布団の上になべをそのまま積みむりやり車に押し込んでいるという感じだ。 それが夜通し行われた次の朝、家には人の気配がなくなった。 突然訪れた(たぶん)不動産屋…。「差し押さえ」などという超個人情報を簡単に他人に話すなんて、身元が怪しすぎ。 夜逃げ同然ひっそりといなくなったお向かいの家は、競売にかけられたのが売れたのか、今日から取り壊しが始まっている。 不況不況と騒いで入るが、その現実を目の前にして、なんだか現実ではないような不思議な、理解しがたい複雑な気持ちである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[あんなこと、こんなこと] カテゴリの最新記事
|