4254185 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

雪組『黄昏色のハーフムーン』

<第9回>

▽雪組公演 ミュージカル・ドラマ『黄昏色のハーフムーン』
▽宝塚大劇場1990年6月~8月
作・演出・・・中村暁
作品紹介・・・1940~1950年代のニューヨークヲ舞台に、ショービジネスに夢をかける青年達と田舎から出てきた娘達の青春をロマンティックに、そしてコミカルに描いた作品。
作品評★★★★☆☆☆☆☆☆
鑑賞日・・・2002年9月15日

▽中村暁先生の大劇場デビュー作。この演出家は「自分探し」をテーマにした作品が多いのですが、この作品では、主人公の二人が、共に幼い頃想いを寄せた人をずっと想い続け、いつかきっと巡り会えると信じながら毎日を懸命に夢に向かって生きている姿が描かれています。ある意味では「自分探し」というテーマに沿っているように解釈しようと思えば解釈できます。
さて、主人公の二人、作曲家を目指すフィリップ(杜けあきさん)とシルヴィア(鮎ゆうきさん)はお互いが想いを寄せている相手だとは気付かないのだけれども、まさに運命の赤い糸によって巡り会い、愛し合うようになる。くさすぎるほどくさい設定なのだけれども、それを平気でやってのけるところが中村先生なんですよね。でも、分かりやすいからある意味大筋は大劇場向きな話だといえるかもしれませんね。
杜けあきさんの的確にして大きな演技がどれだけこのお芝居を救っていることか!あらためて演者の質の重要性を再認識させられました。
黄昏色のハーフムーン

※“こうっぺ”の画像は作品とはなんら関係ありません(色だけ・笑)

この二人に、作詞家を志すピート(一路真輝)さんと、フィリップに恋するダンサーのクリスティーン(五条まい)さんとの恋の行方、愉快なチンピラ銀色ウルフ(高嶺ふぶきさん)と流し目スタン(轟悠さん)との掛け合いなど楽しい場面も豊富でとても気楽に見ることができます。
しかし、全体を通してみると、まとまりがあるようで締まりのないドタバタコメディーのように見えるところも数場面ありました。この辺が中村先生はいつも上手く処理できてないですね。きっと大劇場だと1時間35分の鑑賞には堪えないものだったのではないかと思えてしまいました。だから評価もちょっと厳しくつけました。

でも、僕が初めてTVで見た宝塚がこの作品で、これをきっかけに宝塚を見るようになったんですよね。ただ、その時はストーリーがいいなとかそんな風には見ていなかったのですが。
ちなみに五条まいが最初に好きになったジェンヌさんです。まだ経験不足で一本調子な台詞回しは気になりますが、こうして見ると一生懸命さが伝わってきますね。のちの風花舞さんに雰囲気が似てますね。

※併演作品…ショー『パラダイス・トロピカーナ』 作・演出 酒井澄夫でした。





© Rakuten Group, Inc.