ピチェーニエ
新潟にロシア・チョコレートなるものを売っている「マツヤ」というお菓子屋さんがあります。マトリョーシカの形をした箱の詰め合わせとかあって、ロシア雑貨好きにはたまりません。なんでも先代のご主人が、ロシア人の職人から伝授を受けて、いまでもひとつずつ手作りだそうです。このお店ではチョコレートの他にもロシアケーキなるものを売っているのですが、これはいわゆるデコレーションケーキではなくて、ちょっと豪華なクッキーという感じ。たしかにロシアにもこういうの売ってるんですよね。で、その中のひとつに「ピチェーニエ」と言うのがあります。マツヤさんの説明では、「イギリスからロシアに伝わったというお菓子を再現。クッキー生地の上に卵白とブラウンシュガーをからめたスライスアーモンドを乗せて焼き上げたものです」ということなんですが、ロシアでピチェーニエというとクッキー全般のことを指します。そのピチェーニエ。ロシアでよく食べました。市場に行けばピチェーニエを売っている店が必ずと言っていいほどあります。いろんな形や味のものがあって、店先にずらーっと、大箱ごと並べてあったりします。もちろん量り売り。しかも安い!!1キロ50ルーブル(約200円)くらいが平均かな。すなわち庶民のおやつなんですね。日本で言ったらおせんべいってところでしょうか。昔はこんなに種類はなかったんじゃないかと思いますが、中にはソ連時代、いや、もしかしたら帝政ロシア時代からあったんじゃないかっていう感じの、年期を感じさせる素朴なピチェーニエもあります。私のお気に入りは、カラスムギ(オートミール)の粉をつかった、シナモン風味の丸いピチェーニエです。ちょっとしっとりしていて、とても風味が良いのです。他のピチェーニエはすごく甘ったるいのが多いですが、これは甘さもほどほどで、いくら食べてもあきません(でもカロリーは高いから太りますが)。しかもロシアでは超スタンダードなピチェーニエみたいで、たいていの市場やお店で売っています。しかも安い(こればっかりですね)。なんて、書いていたらピチェーニエ食べたくなってきてしまった・・・。マツヤさん、作ってくれないかな~。