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* * *  わんわん笑劇場 * * *

モモ(日本猫サバトラ:享年6ヶ月)

パパとママの初めての「子供」~モモ~

ももにゃん




ある春の、休日の朝。
何やら外で猫の声が聞こえます。

ニャーニャーニャー。
ニャーニャーニャー。

元気に鳴く猫の声。
その猫の声を、ベッドの中で聞いていました。


朝10時頃。
まだ猫の声が聞こえます。

ニャー・・・ニャー・・・ニャー・・・。

昼12時。
まだ猫が鳴いています。
朝からずっと、同じ場所あたりで。

ニャー・・・。


ニャー・・・。


ニャー・・・。


朝よりも小さく、弱々しい声。
心配になった私は、外に出て猫の声がする方を探す事にしました。


私がこの家に嫁に入る前、パパは私の母から
こんなことを言われたそうです。



「うちの娘、よく動物拾ってくるからよろしくね」



私は家の中からじっと耳をすませ、パパには何も言わずに
外へ出た時、パパから一言。



「拾ってくるなよ~(^▽^)」



パパにもバレバレだったのでした。


どこを探しても見つかりません。
確かに声は聞こえるのに、どこにいるのか。
猫の声はさらに弱々しくなり、だんだんと聞き取るのも
難しくなってきました。

30分ほど探したでしょうか。
向かいの家の敷地内に、山積みにされてあるガラクタの中から
声がするのが分かりました。


向かいの家の敷地に勝手に入りました。
家の人が出てきたら、その時に事情を話して謝ればいいや、と。
幸いにも(?)向かいの家の人は留守でした。

かすかな鳴き声を頼りにガラクタをかき分けました。
よく分からない鉄くずのサビが洋服にくっつき
変な油のような物で手がベタベタになりました。


かき分けていたら、小さなオイル缶に辿り着きました。
オイル缶の中をそっとのぞくと、手のひらほどの子猫。
小さな身体に、グリグリとした大きな目。

オイル缶の中で逃げ回る子猫をやっとの思いで捕まえると
諦めたように、逃げようともせず抱かれていました。


抱いて連れて帰ると、猫探しでどこかへ行ってしまった
私の代わりに、パパが家事をしてくれていました。
ニコニコしながら見せると

「拾ってきたな?」


と大笑い。
桃の花が満開の日でした。

その子が、パパと私が2人で初めて飼う事になる
サバトラ猫「モモ」。
通称モモにゃんとの出会いでした。


モモにゃんは、やっぱり猫だからなのか。
さっぱり懐きませんでした。
でも、パパが何とか懐いてくれよと、猫の声真似をして
モモにゃんに近づきます。
小さなモモにゃんは、パパの口の中にお母さんがいると思ったのでしょうか。
パパの口の中を必死に覗きこみます。
それからしばらくは、パパにべったり。
寝る時は、座っているパパの身体によじ登り、肩の上で眠ります。
だんだん身体が大きくなってくると、さすがにパパの肩には
乗れないと悟ったのか、今度は寝ているパパの首に
まるでマフラーのように巻きついて眠るのでした。


寝る時以外は、相変わらず懐きません。
おもちゃを与えれば、じゃれるどころか、バキバキとすぐ壊すし
のどを触ってもゴロゴロしない。
身体を撫でようとすると噛みつく。
呼んでも来ない。
私達がご飯を食べているときも、横でじーっと見ていて
おかずを口に入れる直前に、手でパッと邪魔をして横取りするのです。
野生の本能そのままのモモにゃん。


でも、懐かないくせになぜか後を付いてきます。
どこへ行くのにも、必ず。
お風呂場にも。
トイレにも。
台所にも。
そんな不器用なモモにゃんが、日に日に愛おしくなり
会社でも、パパと私の会話はもっぱらモモにゃんの話題ばかり。


「今日も家に帰ったら、モモにゃんはカワイイのかなぁ~(*^-^*)」
「可愛くなかった事なんて一度もなかったでしょ?」


そんなたわいのない事ばかりの会話でしたが、とても幸せで
楽しい毎日でした。


モモにゃんが我が家の家族になって数ヶ月。
木々の葉も枯れて散っている、10月25日。

パパは朝から仕事でした。
私は、夕方からの仕事でしたが、病院へ行くために
いつもよりもかなり早めに家を出ました。
家には舅と姑がいました。

私が家を出てすぐ後に、舅と姑は旅行に出かけたそうです。
その時、モモにゃんも一緒に外へ出てしまっていた事に気付かずに。


パパと私は、深夜に仕事が終わって家に帰りました。
モモにゃんが、まさか外に出ているとは思ってもいなかった私達。
呼んでも来ないのは、いつもの事。
お腹が空いたら来るだろう・・・と、その日はモモにゃんの顔も見ず
ご飯だけ用意して眠りました。



次の日。
起きたら、モモにゃんのご飯が減っていません。
食いしん坊のモモにゃんが、ご飯を食べないなんて・・・。
この日も朝から仕事だったパパも、後ろ髪引かれる思いで
出勤して行きました。


私は家の中を探し回りました。
押入れの中、クロゼットやタンスの中。
ソファーの下、普段は入らない舅の部屋まで。
どこを探しても見つかりません。


まさか!と思い、家の周りを探し回りました。
今度は車を出して、近所をぐるっと探し回りました。
近所の家にも「うちのモモ見ませんでしたか?」と
聞いて回りました。
それでも見つからない。


もう一度、車で一周する事にしました。
車通りの少ない田舎道。
ゆっくりゆっくり。


すると、車道と歩道を仕切っている縁石の隙間から
しま模様の何かが見えました。
急いで車を止めて、そのしま模様の何かのところへ
駆け寄りました。



山の木々が枯れ、葉がたくさん落ちていた中に
まるで枯葉のベッドで眠っているかのように。
1匹のサバトラ猫が冷たくなっていました。



とてもモモにゃんに似ています。
でもまさか・・・と、その冷たくなっている猫の首輪を確認するまで
信じていませんでした。

冷たくなっている猫の身体に乗っている枯葉をそっとかき分けました。




「モモにゃんに、首輪を買ってきたよ」

「ホント?どれどれ、見せてよ~!!」

「モモにゃんはサバイバル猫だから、迷彩柄の首輪を買ってきたよ」

「え~!?モモにゃん女の子なのに、何で迷彩柄なの~?」

「そう言われると思って、ハーネスはギンガムチェックにしたから」

「迷彩とギンガムチェックじゃ、おかしいよ~!!」





そう大笑いして、モモにゃんの首に着けた、迷彩の首輪。
パパがペットショップで悩んで悩んで買ってきた、迷彩の首輪。


枯葉の中で冷たくなっていた猫は、パパが買ってきた
その迷彩の首輪をしていたのです。


外傷はありませんでした。
でもすっかり身体は冷たく、堅くなっていました。



モモにゃんを抱いて車に乗り、家に連れて帰りました。
そして、仕事中だったパパにモモにゃんの訃報をメールしました。


私が昨日、病院にさえ行かなければ。
舅と姑よりも、後に家を出てさえいれば。
モモにゃんは、死なずに済んだかもしれないのに・・・。

推定、たった6ヶ月のモモの死は
ただただ悔しいばかりでした。



パパは庭の、私がいつも車を止める場所のそばに
モモのお墓を作ってくれました。
私が車を止めると、すぐ目の前にモモにゃんのお墓があります。
きちんと花瓶も埋め込んでくれて、いつでもキレイなお花を
差せるようにしてくれました。


パパと毎日泣いていました。
2人ともただ泣くばっかりで、会話も全然ありませんでした。
毎日毎日。
お線香をあげては泣き、仕事中もこらえ切れず泣く毎日でした。


その日から私達は、モモにゃんに詫びるため
もうペットを飼うのはやめようと決めたのでした。





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