仙台散歩 : 「2月27日 脱原発みやぎ金曜デモ」 強風ときどき吹雪!
気温は低くないが、風が強い。風が当たらなければ急ぎ足では汗ばむほどだが、強い風で急激に冷やされる。雪も降り出した。すぐに溶けて積もる心配はないが、量が多くなれば体が濡れるし、強風で傘も差すのも難儀しそうだ。 ときおり吹雪く勾当台公園野音の集会。(2015/2/27 18:12~33) 「さぁ。気合いを入れて始めましょう!」という司会者の一声から集会が始まった。雪はほんとうに小降りでちらつくといった程度なのだが、風は強くて、ときおり吹雪のようになることもある。 主催者挨拶は、辺野古の基地建設抗議テントの強制撤去の話から、脱原発運動のシンボル的存在である経産省前の脱原発テント村(テント広場)に対して東京地裁が撤去命令の判決を下したことに及び、初めから判決ありきの強引な訴訟指揮を強く批判するものだった。 他にも、高濃度汚染水が排水路から港湾外に直接流出し続けていたことを東京電力が1年以上も隠蔽していたニュースにも触れかけたが、時間切れということで省略された。 原発関連では、東京電力ばかりではなく政府も一体となった隠蔽、ごまかし体質は終始一貫していて、数え挙げればキリがない。隠蔽された事実はきわめて深刻なことには違いないが、今ではそんな事実が一つ明らかになったことではもう驚かなくなってしまった。いまさら「信頼関係を損なう」と息巻いてみせる漁業関係者がいることのほうに驚いてしまったくらいだ。原発事故から今日までは東京電力と信頼関係が成立していたというのだろうか。私にはそれが信じられないのである。 ついで、ドキュメンタリー映画『日本と原発』の映画について、実行委員会を立ち上げた鹿股さんご夫妻から紹介があった。映画『日本と原発』――私たちは原発で幸せですかーー弁護士河合弘之発監督作品平成27年4月25日(土)13:30開場 14:00上映開始(2時間15分)仙台メディアテーク7階スタジオシアター入場料1,000円問合せ先:Tel 022-223-4293(仙台実行委員会 鹿股) さっそく、私も入場券を申し込んだ。 さらに、こちらも立ち上げ人の広幡さんから「女川原発を再稼働させない仙台市民会議」の設立集会を4月に開催する案内があって、大勢の参加の呼びかけがあった。設立集会に先行する学習会「福島に学ぶ(その時福島は…そして今) 講師:猪狩俊幸氏」の案内もあった。3月3日(火)午後6時半から宮城民医連事務局会議室(木町通 田村ビル4階)で開催される。 最後に、来週は他のデモと重なって調整が難しいので、デモを延期して街頭宣伝を行なう旨の案内があった。3月6日(金)は平和ビル前(旧佐々重前、中央通りと東二番町通り交差点)に 18時集合 ということだ。私は、その日、朝から東京である。 デモに出発。(2015/2/27 18:34、37) 集会が終ると、「寒い、寒い、早く歩こう!」と言いながら立ち上がる女性がいた。冷たい風でみんなの体はすっかり冷え込んでいた。 集会が終る頃には雪は小止みになったものの、風はまだまだ止みそうにない。幟旗は激しくはためいているし、胸に下げたプラカードは引っくりかえるのだ。 勾当台通りを渡り、市役所前市民広場の横を行く。(2015/2/27 18:40、41) 一番町に入り、広瀬通り交差点へ。(2015/2/27 18:53、54) 「ぶらんどーむ1番町」を行く。(2015/2/27 18:57~58) 少し古いニュースになってしまったが、2月18日の東京新聞の電子版に原子力規制委員会の田中委員長の次のような記事があった。 「地元も安全神話卒業を」 原子力規制委の田中委員長 原子力規制委員会の田中俊一委員長は18日の記者会見で「(原子力施設が立地する)地元は絶対安全、安全神話を信じたい意識があったが、そういうものは卒業しないといけない」と述べた。 田中氏は九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)と関西電力高浜3、4号機(福井県)が新規制基準に基づく規制委の審査に合格した際「運転に当たり求めてきたレベルの安全性を確認した」「絶対安全とは言わない」と繰り返し説明していた。東京電力福島第1原発事故を受け、電力業界だけでなく地元も意識改革が 必要との考えを示した形だ。 (共同) この記事を読んで、少しびっくりした。原発立地の地元に「安全神話から卒業しろ」と主張しているのである。安全は神話に過ぎないと言い続けてきたのは、反原発、脱原発を主張してきた人々である。一方、「原発は安全だ」という神話を必死になって作ってきたのは自民党政府(と、その走狗の読売新聞)と電力会社であり、それに職業を賭けて全面的に協力してきた田中委員長のような原子力学者ではなかったのか。 「安全神話」で地元住民を騙してきた人間はいったい誰だったというのか。この鉄面皮、無責任ぶりをなんて評していいのか分からない。 奇妙な気分だが、「(原子力施設が立地する)地元は絶対安全、安全神話を信じたい意識があったが、そういうものは卒業しないといけない」という文言自体は、しごくもっともで、私たちが「原発は安全ではない」と主張してきたこととほとんど同じである。 その同じ文言が、高浜原発が再稼働に必要な安全対策の基準を満たしているとする「審査書案」を規制委員会が了承した17日の翌日に当の機制委員長から発せられたのである。 この事実はとても重要だ。福井の人たちに「高浜原発の再稼働を認めるが、原発は安全ではないから、地元の人間は覚悟しなさい」と原子力規制委員長が宣言したに等しい。もちろん、原発が安全でないということは正しい。その原発を再稼働する自民党政府へ職責を賭けて協力している原子力規制委員長がそう語っているのである。人間の論理的行動(そして、行動倫理)としては破綻しているが、言わないよりマシだとしておこう。 地下鉄工事中の青葉通りを左折する。(2015/2/27 19:03、04)青葉通りを行くデモの列。(2015/2/27 19:08) 夜なのに、雪のちらつく暗い曇天という感じが強くする。夜空の不透明感が意外と重苦しく感じるのだ。 青葉通りに出ると、地下鉄東西線の工事のため、本来の道のまん中で信号待ちになる。地下鉄駅ができる1ブロックの間は工事柵で狭められた道を行く。途中には、地下へ行く工事用階段があって、そこからフワッと暖かい空気が上がってくる。 デモが歩く側と反対の歩道に渡って、デモの列を追いかけた。3車線の外側の車道を歩くデモが動いているときは、残りの2車線をデモと同じ方向に車が走る。さらに反対車線の3車線を過ぎる車でデモの列全体を遠目から撮すという試みはとても難しいのだった。 東二番丁通りを越えて、解散地点へ。(2015/2/27 19:10、11)解散。(2015/2/27 19:13) 青葉通りと東2番丁通りの交差点は地下道(地下広場)になっている。階段を駆け下り、斜めに広場を突っ切り、また駆け上がり、デモに追いつく。 この頃には、カメラを持つ手はすっかりかじかんでしまったが、体はけっこう温まっている。