「7月28日 脱原発みやぎ金曜デモ」 脱原発の期待は市長選から知事選へ!
金デモの翌日早朝に、デモ写真の整理をする。暗い時間帯に写すので使えない写真も多く、それらを棄てることから始めて、残った写真のRAWファイルを1枚ずつ補正してJPEGファイルで保存する。その作業を終えてから、フェイスブックやブログに投稿する写真を選び出し、それぞれの仕様のサイズに変更する。 それからブログの文章を書きだすのがいつものことだが、デモ翌日の7月28日から翌々日の29日になっても書くべき文言の一語も思い浮かばないのである。二日目にはすっかり諦めて、何か書く気になるまで放っておこうという気分になった。 好きな鮎釣りもいろいろあって、この夏一度も川に入っていないのだが、これも、何もかも振り切って川へ行こうと思うまで放っておいている。ブログ書きもこれとまったく同じように放っておくということだ。ブログも鮎釣りもやらないでいるとだんだん義務を遂行していないような気分になってしまうが、どちらもただの趣味にすぎない。義務感のようなものに左右されるのはやっぱりいやだ。 しかし、どうして好きで始めたことに義務感のようなものが浸み込んでくるのだろう。こんなふうに思わず知らずに自縄自縛に陥っていることが結構あるのかもしれない。それを「真面目」と思い誤っていることがあるのではないか。心理学的な総点検を行うべきかと思うが、自己点検ができる能力があれば、もともとそんな心理的陥穽に嵌まりはしないだろう。しょうがないのだ。 「しょうがない。しょうがない。雨の日はしょうがない」などと口ずさみながら、雨が続く土曜日と日曜日、ふて寝していたのである。 さて、気を取り直して、金曜日まで時間を遡行することにしよう。錦町公園から定禅寺通りを。(2017/7/28 18:51~19:09) 出先から帰ってきた妻と入れ替わって家を出ようとすると、「雨が降ってきたわよ」と言う。「降っていないね」と玄関を出て歩き出したものの、ぽつりぽつりと顔で感じるようになった。傘を出さずに歩きとおして錦町公園に着いたが、集会は休憩所の屋根の下で行われている。屋根から外れた人は傘をさしていて、私もここでザックから折り畳み傘を取り出した。 仙台市長選に関わりきっていた人の顔もちらほら見える。集会でどんなスピーチがあったか分からないが、ここに集まっている人の(たぶん)ほとんどが投票しただろう人が市長に選ばれて、胸のうちに「次は知事選だね」と意気を燃え立たせているに違いない。そんなことを思いながら参加者の顔々をファインダーから覗いていた。 雨脚はとても弱くなっていて、35人のデモが錦町公園を出たところで傘をバッグに戻した。一番町(定禅寺通り~広瀬通り)。(2017/7/28 19:15~19:22) 定禅寺通りから一番町に入る。市民へ次のような言葉が呼びかけられる。 この秋には、宮城県の知事選があります。昨年当選した新潟県の米山知事は「知事には住民の安全を守る義務があり、安全協定を根拠に、原発の運転停止を求められる」と発言しています。また、6月に当選した静岡県の川勝知事は、浜岡原発の再稼働について、同意しない意向を明らかにしています。宮城県でも、秋の県知事選では、女川原発の再稼働をストップさせる知事を選びましょう! 知事の権限は大きい。反原発を標榜して選挙を闘いながら、当選後は態度を豹変させて川内原発の再稼働を容認した鹿児島県知事のような薄汚い例もあるけれども、立地県の知事の容認なしの原発再稼働が難しいのは確かだ。国政選挙も決定的に大事だが、地方選挙から脱原発に近づいていく道筋もあるのだ。知事に廃炉の権限はないが、再稼働がかなわなければ経済的にその先は廃炉となるしかない。一番町(広瀬通り~青葉通り)。(2017/7/28 19:23~19:27) 定禅寺通りから広瀬通りまでの一番町のアーケードは道の両側にしかない。デモは通りの中央を歩くので、雨が心配だったが、何とか持ちこたえた。広瀬通りを越えれば、青葉通りまでの一番町の通りは全面がアーケードで覆われている。 30年以上も前、カメラバッグもろとも渓谷の流れを泳ぐ羽目になったことがある。一眼レフカメラを買いなおすことができなくて、それ以来ずっと小型で安価なコンパクトカメラばかり使っていた。山や川用には防水のコンパクトカメラを用意していた。 思い立って4年前に一眼レフを手に入れた。思い立った理由はほかでもない。コンパクトデジカメでは、夜のデモの写真を撮るのが難しいと気づいたからである。当時、3台のコンパクトデジカメを持っていたのだが、どれを使っても満足できる写真が撮れなくて、妻の顔色を窺いながら購入したのだ。 しかし、昔のカメラ事故がトラウマになって、カメラが濡れるのがとても心配なのである。青葉通り。(2017/7/28 19:29~19:39) 一番町から青葉通りに出るとふたたび降り出してきて、しだいに雨脚が強くなってくる。傘を出して、カメラを抱えるようにデモの前後を歩いた。 もう一人、デモの写真を取る人がいて、「路面がぬれるときれいですね」、「絵的には雨降りは悪くないね」などとのんきに話していたのだが、本心は気が気ではないのだった。東二番町通り(国道4号)を渡るころには、広い交差点の向こうのデモの列が煙って見えるほどの降りになっていた。 強く降る雨の中でデモは終わった。たいていの日は歩いて帰るのだが、いかにも雨脚が強いので、地下鉄一番町駅に向かって歩き出した。 読書や絵画鑑賞のブログかわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)日々のささやかなことのブログヌードルランチ、ときどき花と犬(小野寺秀也) 小野寺秀也のホームページブリコラージュ@川内川前叢茅辺