「8月12日 脱原発みやぎ金曜デモ」 虚言で築いた政治的地位の悲劇的な瓦解!
「仙台七夕が終われば秋風が吹く」、仙台人はそんなことをよく口にするのだが、今年は猛暑が続いている。 3年前の8月、同居してた115歳の義母が自分の部屋で息を引き取った。その義母の部屋には、我が家で一台だけのクーラーが設置されていた。十分すぎるほど高齢の義母が熱中症にならないようにとずいぶん前に取りつけたのである。設定温度を28℃にして、暑い日には義母の部屋と居間の戸を開放して私たちも冷風のおすそ分けを受けていた。 義母が亡くなって家族はクーラーに関心がなくなったのだが、あまりに暑い日にクーラーを動かそうとしたのだが、ウンでもスンでもないのである。クーラーは義母と一緒に逝ってしまったのだった。 あわてて取り換えたクーラーに助けられて今年の猛暑をやり過ごしつつある。元鍛冶丁公園から一番町へ。(2022/8/12 18:24~18:36) 日中の暑さがじっとりと夕暮れの街に張り付いているようだ。デモが始まる前に汗だくにならないようにできるだけゆっくりと歩いて元鍛冶丁公園に向かう。 元鍛冶丁公園に着いて写真を撮り始めたのだが、なぜかいつもより風景の陰翳が濃いように感じる。何枚か撮り終えた写真を見直してみてもコントラストがきついように見える。じっとりとした暑さが翳りに張り付いて陰翳を濃くしているのではないか、などと何の根拠にないことを考えながらシャッターを押すのである。一番町。(2022/8/12 18:37~18:47) 安倍前首相が凶弾に倒れた。それが彼の政治家としての歴史的結末なのか偶発的悲劇なのか、議論はまだまだ続くだろうが、7年前の8月、彼のおびただしい虚言に触れて書いた一文がある(「8月28日脱原発みやぎ金曜デモ」 政治における虚言を勉強しよう!」)。 川内原発が再稼働してしまい、反原発、再稼働反対も絶対に手を抜けないのだが、参議院で審議が進められている戦争法案(安全保障法案)も喫緊の問題である。 戦争法案に限らないけれども、安陪首相は「息を吐くように嘘を言う」ということでとても有名になった。確信的に嘘をきっぱりと断言するというのが彼の特徴である。原発関連で言えば、福島の原発事故は「完全にコントロールされている」という嘘、「政府が先頭に立って収束に当たる」という嘘。 それと比べれば、戦争法案をめぐる中谷防衛相などの発言は、その場しのぎの答弁なので支離滅裂になったり、自己矛盾を生じてしまっているというに過ぎないように見える。役人の耳打ちですべて了解できるほどの人材ではないということを示しているだけだ。 安陪首相の虚言は際立っているというものの、政治家が嘘を語るということそのものはとくに珍しい現象ではないようだ。「政治の世界は虚々実々」などということは昔から言われている。 以前に読んだジャック・デリダの『言葉にのって』 [1] には「政治における虚言について」という1章が設けられている。そこでは、政治における虚言についてはプラトンをはじめとして古くから哲学の対象として論じられているとして、なかでもデリダはハンナ・アーレントの著述 [2] から多く引用している。その本は、私が読んだアーレントの著作には漏れていた。 プラトンまで遡るのは私の能力では不可能だが、せめてアーレントの著作くらいは読んでおきたいと思った。現代の日本の政治の舞台で溢れるように発せられる「嘘」を、その原因を個々の政治家の資質に求めるのではなく、政治の本質に由来する虚言としてとらえることが可能なのかどうか、考えてみたいのである。そうすることで、安倍晋三という個人の虚言の本質も見えてくるのではないか、と思う。たとえば、それは子どものでまかせの嘘そのもの……、あるいは、政治的効果が緻密に計算された虚言……などということが見えてくるかもしれないのである。(2015年8月28日) 暴力によって攻撃される政治と社会、政治と社会によって追い詰められる人間。そのような悲劇の連鎖は「政治を変える」、「政治が変わる」ことによってしか解決できない。 それなのに、先の参議院選挙の結果は「政治を変える」兆しも「政治が変わる」兆しも見えないままに終わった。悲劇はまた続くのである。青葉通り。(2022/8/12 18:50~18:54) デモが青葉通りに入り、国道4号の大通りを渡って行く姿を後方から写す。この後、地下道を通ってデモを追いかけても解散場所までに追いつくことは不可能なので、私のデモはここで終わる。大通りを渡っていくデモの列を撮るときは、いつもここで終わるのである。 デモで十分に汗をかき、帰り足でさらに汗をかき、家にたどり着き、シャワーを浴びて、急いで夕食の支度をし、少し(?)のワインで食事をすませれば、私の一日は終わる。読書や絵画鑑賞のブログかわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)日々のささやかなことのブログヌードルランチ、ときどき花と犬(小野寺秀也)