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山行・水行・書筺 (小野寺秀也)

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2015.01.16
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テーマ:街歩き(661)
カテゴリ:街歩き

 脱原発デモに出かける前にPCのメールを確認して、仙台市図書館から予約書籍の準備完了の知らせをみつけた。集会場所の勾当台公園への道すがら図書館から借り出すことにして、家を出た。

 原発や辺野古のこと、特定秘密保護法や解釈改憲などをフェイスブックに積極的に投稿していて、その合間に花の写真や日々のことなども書いている女性がいる。フェイスブック上で知り合ったその人が、一週間ほど前、日々の思いの後に「夕暮れには目覚めてはいけないと書いたのは清岡卓行だったか」という意味のことを書いていた。
 詩人が書いたというその言葉を私は知らなかったが、小説ならいざ知らず詩集からならそのフレーズを探せるかも知れないと納戸や本棚を探してみた。さんざん探したが、清岡卓行の小説は数冊出てきたものの詩集は一冊も見つからない。たくさん読んだはずなのにどうしたことか。若い頃、詩集を借りて読むという習慣はなかったはずだ。詩集だけは買ったのである。そもそも清岡卓行の詩集を持っているという確信はどこから来たのか。そんなことがあって、若いときの記憶が茫洋となってしまったのではないかと背筋がざわざわしてきたのだった。

 仙台市図書館を通じて他の図書館に借用依頼をしていたその本は『清岡卓行全詩集』である。開いてみれば、すぐに記憶に鮮明なフレーズが見つかる。

二〇世紀なかごろの とある日曜日の午前
愛されるということは人生最大の驚愕である
かれは走る
かれは走る
そして皮膚の裏側のような海面のうえに かれは
かれの死後に流れるであろう音楽をきく
人類の歴史が 二先年とは
あまりに 短かすぎる

    「子守歌のための太鼓」(部分) [1]

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脱原発ソングと原発からの緊急避難問題。(2015/1/16 18:17、21)

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勾当台公園野外音楽堂の集会。(2015/1/16 18:18)

 暮れのイベントである「光のページェント」のために使用できなかった勾当台公園が使えるようになって、久しぶりの野外音楽堂での集会だ。先週と同じ替え歌の脱原発ソングの練習のあとに、加美町から参加の浅野さんからオリジナルの反原発ソングが披露された。
 登米市で開催された「女川原発 重大事故避難計画 県のガイドラインを読み解く」という学習会に参加されてから急いで仙台に駆けつけた広幡さんが、女川原発から30km圏内の市町村に県から要請された避難計画作成について報告された。避難計画を各自治体に押しつける県は、避難計画がずさんであっても鹿児島県のように女川原発の再稼働を認めるつもりかもしれない。というより、もともと30km圏内という区切りそのもの、そういう前提が間違いであることは、フクシマの事例から明らかなはずだ。

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宮城県庁前から勾当台通りを渡って仙台市役所前へ。(2015/1/16 18:38)

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バックは仙台市庁舎。(2015/1/16 18:39)

 今日の参加者はやや少なくて50人ほどだった。仙台としては暖かい夜だったので、50人は元気にデモに出発した。勾当台公園と宮城県庁舎の間の道に出て、勾当台通りの交差点を渡り、仙台市庁舎の前を通って一番町に向かう。

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一番町へ定禅寺通りを渡る。(2015/1/16 18:43)

 定禅寺通りを越えれば一番町である。ここまではデモの列には照明の当たらない道だ。50人の参加者だからと思いこんでシャッターを押すと、その後ろからさらにたくさん現われて、立ち位置を変えて取り直すという失敗も暗さのせいである(空間認識力が脆弱だとは決して言わないのだ)。

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一番町を行く。(2015/1/16 18:44、47)

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アコースティック担当? (2015/1/16 18:50)

 参加者が少ないとかえってデモが元気になるというのはなぜだろう。清岡卓行の詩集を借り出して、最初の数十ページを図書館で読んだら、次のような詩句がみつかった。

どこから世界を覗こうと
見るとはかすかに愛することであり
病患とは美しい肉体のより肉体的な劇であり
絶望とは生活のしっぽであってあたまではない

きみの絶望が希望と手をつないで戻ってくることを
きみの記憶と地球の円周を決定的に選ぶことを
夜の眠りのまえにきみはまだ知らない

                    「氷った炎」(部分)[2]

 沖縄のことを思い出した。沖縄の歴史的な苦悩、繰り返される琉球処分の絶望的な情況から、「絶望が希望と手をつないで戻って」きた沖縄のことが思い出されたのである。沖縄の総意が新しい形を生んだ。もちろん安倍自民党政権の陰湿な加虐的対応に苦しめられるだろうが、昨年までの沖縄とはもう違うだろう。「絶望が希望と手をつないで戻ってくる」朝は、もう来たのだ。

 我が「デモびと」も明るく楽観的である。安倍政権が続いて状況は芳しくないが、「絶望が希望と手をつないで戻ってくる」朝があることを知っているのだ。

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一番町広瀬通り角は若者の待ち合わせ場所。(2015/1/16 18:50)

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青葉通りを行く。(2015/1/9 19:03)

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大通り(国道4号)を渡り終える(青葉通り)。(2015/1/9 19:05)

 たまには思いっきり違った角度から写真を撮ってみようと思い、青葉通りと大通りの地下歩道を駆けて反対側の歩道から挑戦したが、手前を繫がって走っていく車列にデモの列が隠されてしまう。車と車の間からかろうじて半数ほどのデモびとを写すことが出来た。
 また走って階段を駆け下り、駆け上がり、デモに追いついた。自慢じゃないが、暮れからまたジョギングを始めて、足を鍛え直しているのである(効果はまだまったくないが)。

 さて、急いで帰って、「夕暮れに目覚めてはいけない」というようなフレーズがあるものかどうか『清岡卓行全詩集』のページを繰らなければならない。

 

[1] 『清岡卓行全詩集』(思潮社、1985年) p. 48。
[2] 同上、p. 30-1。






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Last updated  2015.07.14 08:16:44
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