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テーマ:街歩き(661)
カテゴリ:街歩き
JR山手線で乗り降りしたことのない駅がまだ幾つか残っている。その一つが「五反田」駅である。一度、戸越銀座から東急池上線に乗って五反田で乗り換えて渋谷に行ったことがある。それが五反田経験のすべてだ。
五反田駅を北に出ると、山手線に沿って走る道が商店街のように見えていくぶん誘われたものの、最初の目標は池田山公園である。山という地名から坂道を期待したのだ。
桜田通りを100mほど北上して、左の坂道に入る。右手は工事現場の塀が続いてあじけがない。短い坂を上りきるとまっすぐな静かな住宅地の道である。 塀囲いの大きなお屋敷のその塀に「池田山の入口に高さ90mのビルはいらない 建設反対」という垂れ幕が吊り下げられていた。桜田通りから入った入口の工事現場がそのビルの建設予定地だったのだろうか
池田山の山裾の住宅街は、大きなお屋敷か造りの立派な集合住宅が並んでいる。集合住宅といってもせいぜい4階程度である。確かにこのような住宅地に高さ90mのビルは不似合いだろう。 地図ではもう池田山だろうというところまできたのだが、道がない。行き止まりを何度も修正しながらぐるりと回ると、道の先は下り坂になっていて遠くを見渡せる坂上に出た。右手に池田山公園の入口があって、道は公園の北面に沿って下っていく。 これは、帰宅してからパソコンを調べた結果である。2011年1月19日に、目黒駅から東に歩いて白金台を歩き、そこから北上して白金を通って広尾まで歩いている。広尾の山種美術館になにかの展覧会を見に行ったのだった。その時の街歩きの写真だけはホームページに掲載していた。なぜすっぱりと忘れてしまったのだろう。文章で記録しておくという作業をしなかったためだろうか。 この地は、岡山藩池田家の下屋敷があったので池田山と呼ばれ、屋敷跡の庭園が公園として残されたのだという。大名屋敷があったくらいだから、住むには良い土地なのだろう。
池田山公園は最上端から眺めてだけでおしまいにした。公園沿いを下る道は歩いた記憶があったので、北に下る細い道に入った。道は下って、いったん平坦になり、左に曲ると上り坂になっている。 坂道を上りきると、道の先に庭園美術館の緑が見えてくる。
細道を出ると目黒通りである。目の前は庭園美術館というか自然教育園の緑地である。目黒通りに外苑西通りがぶつかる三叉路まで歩き、そこから東に向かう道をさがす。
細道を左に曲ると高いフェンスに囲まれた広場があって「白金台三丁目遊び場」という表示がフェンスに張り付けられていた。猫の額ほどの空き地にも仰々しく「△△公園」と名付けている時代に、「遊び場」というごくごく直接的で率直、気取りのないネーミングに妙に感心させられた。 「遊び場」沿いの道を過ぎたところに「◯◯不動産は今までのような安全と環境を守ってください」という看板があった。細い道の奥に大きなマンションビルが建ったら道路事情を超えた交通量で生活環境が悪くなる、という心配である。とくに子どもたちの安全が心配だと主張されていた。
交通量が増えて生活環境が悪化するという心配がほんとうに切実な問題であるということが、細道の先にあった。白金台幼稚園である。この道を園児たちが毎日行き交うのだと思うと、親たちの心配は当然だ。 白金台幼稚園の前で道が分かれている。歩きたくなる魅力ではどちらともいえない。やや緑が多そうな右の道を歩くことにした。
白金台幼稚園を過ぎてすぐ細道は階段に変わる。若い人が急ぎ足で階段を駆け下りていく。私はそろりそろりと下りるのである。 昨年の9月末にも東京の街歩きをしたのだが、そのとき東京駅構内の階段で転んで脛を傷つけたのである。全快まで1ヶ月ほど外科に通った。今朝も家を出る私に「転ばないでね」と妻は声をかけたのだが、今朝ばかりではない。最近は外出前にはほとんど毎回言われるのだ。ときには、「もう年なんだから」という余分までくっついてくる。 階段道からはずっと住宅地の道である。池田山に登る途中のような高級住宅地ではないが、静かでとても落ちついている。道の途中に児童公園があって、トイレを借りた。 住宅地が大きなビルに変わり、そこを抜ければ桜田通りである。
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