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テーマ:街歩き(661)
カテゴリ:街歩き
【続き】
桜田通りを越えて高輪に入る。地図で見ると、高輪は桜田通りと第一京浜に挟まれた地区で、その南北に長い地区を背骨のように走る道がある。緩やかに湾曲する道で、その道を北に辿ってみるつもりである。その通りの名前は不明だが、ここでは「高輪通り」と仮称しておく。高輪3丁目から2丁目、1丁目を貫いているのでまんざらでたらめというわけでもない。 高輪通りに出る前に、桜田通りと高輪通りの間の道に入ってみた。所々に商店がある細いまっすぐな道だ。変化が少ないので、右に折れて本命の高輪通りに出た。 右手に大きな山門が見え出す。「高野山東京別院」と金文字の看板が掛けられた大きな門である。その隣は高輪警察署の煉瓦色の建物である。
高輪署前を過ぎて、文字通りの「高輪警察署前」交差点を渡る。右の歩道を歩いていると、石碑が建っている。「二本榎の由来」と書いてある。江戸時代、高縄手と呼ばれていたこの丘に大きな二本の榎の木があって旅人の良い目印になっていたという。今は使われていない「二本榎」という地名の由来で、それを偲んで植え継いできた榎が写真の木らしい。
高輪通りはとても変化に富んでいる。高校や大学があり、商店があり、寺院が並ぶ。その上に、緩やかに右にカーブする道で、高輪署あたりから緩やかな上り坂である。
伊皿子交差点で右折する。緩やかな下り坂になっていて「伊皿子坂」というらしい。伊皿子坂を下って行くと右手に「幸福の科学 東京正心館」という建物がある。ギリシャ神殿風の壮大な玄関を持つ建築物である。これに似た建物をどっかで見た記憶があった。その前をだいぶ過ぎてから、どうにか思い出した。昨年の10月始めに八王子の東京富士美術館に「ロイヤル・アカデミー展」を見に行った。その時にバスの中から見た創価学会の建物がやはりギリシャ神殿風の柱をしつらえていたのだ。
伊皿子坂を下って右折すれば、泉岳寺である。けっこう立派な山門だが、さきほどの幸福の科学の建物と比べれば、とても質素に見える。
山門を入ると、参道脇に土産を売る店が並んでいる。覗くとどこも忠臣蔵関係の土産品である。封建制の忠君愛国精神を称揚する忠臣蔵ドラマにはあまりなじめないが、年の暮れには古い忠臣蔵映画(ドラマ)をどんなテレビ局でも並べ、それを喜々としてみている国民性にはいいお土産品になるのだろうとは思う。 参道の向こうにもう一つ門がある。これも山門というのかどうか、私の知識では覚束ない。中門(と一応呼んでおく)を抜けるとき、そこから内側では許可なく写真を撮るなという張り紙があった。
泉岳寺の中門からまっすぐに歩くと第一京浜に出る。そこに地下鉄都営浅草線の「泉岳寺」駅があって、カメラをバッグにしまって地下への階段を下りた。
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