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テーマ:街歩き(661)
カテゴリ:街歩き
蒲田から東急池上線に乗って池上で降りたのだが、東京駅から品川以西の蒲田まで行くには東海道線に乗るものと思いこんでいた。スマホの乗換案内で京浜東北線しか出てこないのでやっと気づいたのである。当然のことながら、スマホの乗換案内のソフトがなかったら東京では身動きできそうにない。 東急池上線は2度目だ。大崎から戸越まで歩いたとき、戸越銀座から五反田まで乗ったことがある。五反田寄りの端っこを乗って、今回は蒲田寄りの端の部分だ。
池上駅を出ると、右手に大きな「本門寺通り」という看板が見える。もちろん、池上本門寺には行くつもりだが、その通りに入ったらあっという間に本門寺に着いてしまいそうで、すこし回り道をすることにした。 東急線に沿った通りが商店街になっている。「駅前通り商店会 HAPPY STREET」という小さな看板が街灯に吊されている。どんなネーミングも自由というものだが、ここの住人はいつも「ハッピーストリート」と呼んでいるのだろうかと、つい訝かしんでしまう。私は古い人間なので、どうも赤面しそうだ。 駅前通りから右折すると広い「池上通り」に出る。池上通りを越えた商店街の街灯には、「池上仲通り商店会」の旗が下がっている。駅前通りより人は少ないが、同じような街並みだ。
池上本通りを池上通りに出る。池上駅付近では東西に走る池上通りが一番交通量の多い幹線のようである。池上本通りと池上通りが交差する角から斜めに本門寺通りが始まる。この道はもともとの参道らしく、すこしうねりながら北上する。
道の脇に大きな自然石が飾られ、脇に「池上本門寺参道」と彫られた石が立っている。自然石の前を過ぎて右に折れれば広い通りに出る。地図によれば「本門寺新参道」の通りである。道の向こうに本門寺の丘が見えている。
本門寺の石段と山頂の三門がはっきり見え出す頃、呑川(のみかわ)に架かる霊山橋を渡る。昨年、柿の木坂あたりの街歩きをしたとき「呑川柿の木坂支流緑道」を歩き、東急東横線都立大学駅近くでは「呑川本流緑道」を歩いたのだが、ついぞ川の姿も水の流れも見ることがなかった。ここの呑川は三面コンクリート張りだが、ちゃんと水が流れている。 霊山橋を越えたあたりから眺める本門寺の総門から石段、三門へ至る景色がとてもいい。カメラを覗いて、倍率を変えながら眺めを楽しんだ。
石段の手前左手には観音堂、本成院の門が並ぶ。総門を潜って石段にかかる。「この石段は加藤清正の寄進によって造営されたと伝えられ、「法華教」宝塔品(ほうとうほん)の偈文(げぶん)九六文字にちなみ、九六段に構築され、別称を「此経難持坂(しきょうなんじざか)」という」と看板にある。 その此経難持坂を上りはじめたら、ご婦人が二人、石段脇の猫を撫でていた。カメラを猫に向けてもカメラ目線はしてくれない。「ほら、カメラのほう向いて!」とご婦人の1人が一生懸命になるが、いっこう気にする風ではない。
石段を登り切ると右手に「日蓮大聖人説法像」が建てられている。高さ3.4mもある西村西望作の純アルミ製の立派な立像である。さらに右手には、守護神の大威徳天を祀る長栄堂がある。
三門から東へ五重の塔を眺めに行った。この寺域には桜の木がたくさん植えられていて、五重の塔も冬枯れの桜の枝越しに眺められるのだった。五重塔に向かう左手に前田利家の側室、寿福院が建てたという石造りの層塔があった。かつては11層だったというが、今は5層だけが残っている。風雪で欠けてしまった、その古びた感じがそれなりの風情を醸し出している。 五重塔からの戻り道で幼稚園児らしい子どもたちが大勢やって来る。みんなびっしりと膨らんだザックを背負って急ぎ足である。振り返って後ろ姿を写したとき、「年長さん、遅いわよ!」と声をかけられて最後尾の子どもたちが駆けだした。
五重塔から戻り、三門を出て、西の道を通って本門寺の裏手に向かう。三門の脇にあるのは日朝堂であるが「常唱堂」という金文字のおおきな扁額が掛けられていた。日朝堂の向こう隣は鐘楼で、さらに霊寶殿、経蔵と続く。 本堂の裏手に回り、そこでトイレを借りてから本門寺とはお別れである。
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