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山行・水行・書筺 (小野寺秀也)

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2017.03.12
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テーマ:街歩き(377)
カテゴリ:街歩き

 6年目の〈3・11〉がやってくる。〈3・11〉は、東日本大震災と名付けられた自然のカタストロフィであったが、原発事故という人類の造形物によるカタストロフィでもあった。この二つのカタストロフィは画然と分けられなければならない。原発事故をあたかも自然災害の一部であるかのように語ることは、自然と人類をともに理解しようとする人類の当為としては許されない。
 そして、そのことをほとんどの日本人は理解しているはずだ。私たちは、地震や津波に反対することはできないが、原発に反対することでもう一つのカタストロフィをこの地球上から消し去ることができる。そんなカタストロフィのない未来を子どもたちに残すことができるはずだ。

 今年の〈3・11〉を中心とする10日、11日、12日などに全国219ヵ所で反原発・脱原発の行動が行われるという「赤旗」(3月8日付け)の記事がネットで紹介されていた。「全国津々浦々」というのはこういう状況を指している言葉だと実感できるような数字である。その内、みやぎ金曜デモのような定例の行動は86ヵ所だという。
 毎週、全国86か所で脱原発のコールが響いているというのは、もうそれだけで十分にすごいことだが、それがこの〈3・11〉前後には219か所にふくれあがるというのだ。かつて国会前に結集した10万人以上の人々が3000人になり、1000人になることをもって、脱原発運動の後退を語る向きもあるけれども、むしろ、それは運動の前線が国会前から全国津々浦々へ拡がっていったということだろう。一つ一つの運動体は小さくても、全国にわたる空間積分値は当初の国会前に匹敵する。日本のあらゆるところに「反原発」の根は張り巡らされた。そんなイメージを私は抱いている。
 仙台の今日は定例金デモではあるものの、10日の金デモを日曜日の昼に移して、「福島原発事故を忘れない3・12アクション」と名付けた記念イベントでもある。月に1回の日曜昼デモと同じ時間割だが、フリースピーチはなくて、3人のゲストのスピーチがある。

 元鍛冶丁公園には午後1時の少し前に着いた。少しでも会場設営の手伝いができればと思ったのだったが、ステージ背面に横断幕などを張り終えると私が手伝えることはほとんどないのだった。
 陽射しは暖かいのだが、雲の流れぐあいでときどき陽が翳るとひんやりする。屋根のあるステージには日が当たらないので、陽射しのあるベンチでのんびりと待機である。
 三々五々、公園にやってくる人たちの服装の色合いが、陽射しのせいなのか、私の気のせいのなのか、どこか春めいて見える。何となく「佳日」などという言葉がよぎるような日である。







集会風景(元鍛冶丁公園)。(2017/3/12 14:02~14:41)

 定刻を数分すぎて、〈3・11〉の犠牲者追悼の長い黙祷から集会は始まった。
 
 主催者挨拶が始まったと思ったらヘリコプターが頭上を通っていって、「本当にがっかりしました」という言葉から聴こえだした。安部首相が3月11日に毎年開いてきた記者会見を「一定の節目を越えた」ということを理由に取りやめたことについてである。主催者ばかりではなく、誰もが「一定の節目」がどういうことが理解できないニュースだった。
 東電1F原発の廃炉はようやく「これから」始まる。おそらく放射線被ばくによる晩発性障害に苦しむ人たちは「これから」増えてくるだろう。どこにも「節目」などはないのである。自主避難者への援助を3月いっぱいで打ち切り、20mSv/yの汚染地の故郷へ強制的に帰還させるという無残な政策をもって「節目」などと考えているのなら、私たちは強くそれに反対するしかない。「デモを始めたときから私たちが求めていることは何も変わっていません。これからも求めつづけていきます」という言葉で主催者挨拶は締めくくられた。

 最初のゲストスピーカーである「脱原末をめざす宮城県議の会」メンバーの中嶋廉さんの最初の話題は、女川原発再稼働を目指す東北電力の動きと連動して動き出している県予算のことだ。震災で壊れたモニタリングステーション再建の予算化、原発事故時の避難者の汚染を調べるゲートモニターを現在の1台から来年には7台に増設する予算の計上、原発事故時の拠点となるオフサイトセンター建設の予算(調査から建設まで32億4千万円)の計上などは、東北電力が女川原発の再稼働を2018年後半に計画していることとはっきりと連動していて、政府、県、東北電力による再稼働のタイムテーブルは確実に進められている。
 もう一つの話題は、原子力規制委員会についてである。原発の新規制基準への適合審査は規制委員会と電力会社とで行われているが、それを電力会社の自主検査に任せようとする動きがある。IAEA(国際原子力委員会)もその動きを是認しようとしていて、日本の原発の安全性がいっそう疎かにされそうな状況である。そうした動きは規制委員会に対する原子力ロビーの働きかけによるのだが、その原子力委員会は私たち国民の声は聞こうとはしない。その一例が、宮城県の専門家会議での「女川原発は被災原発として審査されるべきである」という指摘を受けて県が規制庁に申入れたが、委員会にはまったく伝わっていないことが明らかになっている。規制委員会は、電力会社の話は聞くが私たち国民には耳を貸さないのである。
 1960年代には原発事故の損害を試算していたのに、政府は福島事故にかかる費用を私たち国民につけまわそうとしていることや、放射能汚染ゴミを一般ゴミとして焼却しようとしていることなどにも触れられたが、なかでも印象的だったのは、強権的な政府の施策に対して「沖縄の人たちと同じ心構えで私たちはこれからの闘いにのぞむ必要がある」と訴えられた言葉だった。

 続いて、生活協同組合あいコープみやぎ専務理事の多々良哲さんが、放射能汚染廃棄物の焼却問題について話された。昨年の秋、宮城県知事は8000Bq/kg以下の放射能汚染廃棄物を一般ゴミと混焼することを市町村会に提案したが、12月末の市町村会で全県的な合意を得ることに失敗した。これは、とくに県北や仙台での反対運動の成果でもあるが、自治体選挙や知事選挙をにらんだ知事の戦術という側面もある。実際に、年明けにはあらためて全県の合意を取り付けたい意思を表明している。
 一方で、栗原や大崎、登米、仙台に続いて、県南にも一般焼却に反対する住民組織が立ち上がって、反対運動は県全体に拡がり始めている。こうした経過を踏まえて、全県的組織の立ち上げを目指した「放射能汚染廃棄物『一斉消却』に反対する宮城県民連絡会結成集会」が開催されることになった。4月2日(日)13:30~16:00、仙台弁護士会館で開催されるということである。
 「宮城県の空と大地を放射能から守る」私たちの闘いは、同時に「宮城県知事から地方自治を守る闘い」そのものであると訴えられて、多々良さんのスピーチは終わった。

 最後のスピーチは、日本基督教団東北教区放射線問題支援対策室いずみの服部賢治さんが福島の放射線被ばくと子どもたちの甲状腺がんについて語られた。被災時に18歳以下だった子どもたちの1回目の検査で116人に甲状腺がんとその疑いが見つかった時、福島県と専門家たちはスクリーニング効果だとして原発事故との関連を否定したが、2巡目の検査で見つかった69人中68人は一巡目で異常がなかったのでスクリーニング効果(過剰診断)という論拠が崩れているが、県は未だにその意見を変えようとしない。
 また、NPO法人「3・11甲状腺がん子ども基金」の活動も紹介された。基金では甲状腺がんの子どもに一人当たり10万円の支援を行っていて、これまで66人に給付を行った。66人の内16人は、秋田、宮城、群馬、埼玉、茨城、千葉、神奈川、新潟、東京などで、子どもたちの甲状腺がんが福島を中心に広域にわたっていることが明らかになっている。しかも福島県以外では、定期的な検査がなく、自覚症状が出てからの診断なので重症化している例が多いという。全県的な検査が行われていない宮城県にももっと多くの発症者がいる可能性がある。唯一検査を行った丸森町では2名の甲状腺がん(またはそのおそれ)が見つかっている。
 このように甲状腺がんの広域的な多発のおそれがあるにもかかわらず、福島では検査を縮小しようとしているうえ、避難者に対する差別と同じように甲状腺がんやその疑いの人たちにさまざまな差別が起きているとも話された、服部さんは次のような言葉でスピーチを終えられた。

「福島原発事故は終わってはいません。健康影響の発生を未然に防ぐことや、起きてしまった健康被害を解決していく道筋を作っていくことが重要だと思います。
 事故由来の放射能汚染があった地域における健康影響をモニタリングすること、可視化すること、被害を低減する取組みが非常に重要だと思います。
 福島県で行われている甲状腺検査など子どもたちへのフォローなど、今後、社会的にどう取り組んでいくのか、国や行政が消極的な姿勢のなか、私たちが被災当事者としてどうあるべきか、私たちの主体性が問われていると思っています。
 福島県はもちろんですけれども、それ以外の地域でも被害者の甲状腺のモニタリングをしていくことが、福島県の人たちや、今も苦しんでいる方々への応援になると信じています。
 今日は震災で亡くなられた方々への追悼と祈り、そして脱原発、脱被ばく、未来は変えられると信じて、今日は歩きたいと思います。」

 集会の参加者は100人に達した。不慣れな人もいるだろうと少しばかりコールの練習をして、デモは出発した。












一番町。(2017/3/12 14:52~15:01)


青葉通りに出る。(2017/3/12 15:04~15:06)

 いつものデモのようにカメラを抱えて、デモの列の前後左右を動き回るのだが、先頭から最後部まで写し終えて先頭に戻るのに苦労する。デモの列はいつもの倍以上の長さである。
 じつのところ、けっこう疲れることに気づいてから疲労とデモの列の長さの関係にやっと思い至ったのだった。見知った顔ばかりのいつもの金デモに比べれば、新鮮な被写体がやたらと多いので、すこしばかり張り切りすぎていた。張り切ったからといって、それを支えるほどの体力はないのだ。



国道4号の大通りを渡る(青葉通り)。 (2017/3/12 15:11~15:13)


解散地点前。 (2017/3/12 15:17)

 服部さんが話された放射線被ばく由来の甲状腺がんが、チェルノブイリ事故では5年後から急増したことはよく知られている。福島県の甲状腺がんの多発ばかりではなく、周辺の1都9県でも発生しているにもかかわらず、福島県は検査を縮小しようとするのは、健康被害を防ぐという観点からはまったく逆行している。なぜそのような方向に思いが至るのか、想像することすら難しい。福島の甲状腺がんが事故由来ではないことに医学的な確信があるなら、どれだけ検査をしても問題ないはずだからである。ましてや、検査費用など膨大な原発事故処理費用のなかでは negligible small だから、予算上の問題とは考えにくい(東電1Fの廃炉費用は40兆円とも60兆円とも言われている)。
 私が唯一思いつくことは、「探さなければ見つからない」、「見つからなければないことにできる」というばかげた心理作用がさせる愚行ということだ。甲状腺がんは原発事故由来ではないと主張してきた面々はおのれの間違いに気づき始めていて、チェルノブイリのような急激な増加が現れない(見つけられない)ように検査を縮小して、できるだけショックを和らげようしているだけなのかもしれない。敗北戦、撤退戦での傷を深くしないような企まざる作戦ということだ。しかし、それは気分的なごまかしにすぎず、自覚のない自己欺瞞そのものである。
 しかし、晩発性放射線障害は甲状腺がんばかりではない。白血病もあれば、遺伝性障害もある。これから少しずつ精細な結論、反撃できない証拠が人命を犠牲にしつつ顕在化していくにちがいない。そのとき、不作為の犯罪を咎められる医師や政治家や官僚が否応なく出てくるだろう。薬害エイズ事件で医師と企業と官僚が罪に問われたように………。


 

 

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Last updated  2017.03.19 10:30:41
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