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山行・水行・書筺 (小野寺秀也)

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2017.12.15
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テーマ:街歩き(664)
カテゴリ:街歩き
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 12月13日、広島高裁は広島地裁の決定を覆し、四国電力伊方原発3号機の運転を禁じる司法判断を示した。その理由として阿蘇山の大噴火による火砕流の危険性を挙げている。
 ​脱原発弁護団全国連絡会ホームページ​に掲載されている高裁の「決定要旨」は、「火山事象による危険性」について、原子力規制委員会の火山に対する判断ガイドに基づいて次のように述べている。


(1)原子力発電所の立地評価(設計対応不可能な火山事象が原子力発電所の運用期間中に影響を及ぼす可能性の評価)につき,火山ガイド(原子力規制委員会が策定した安全性審査の内規)は,以下のとおり定めている。

①原子力発電所から半径16Okmの範囲の領域(地理的領域)に位置し,将来の活動可能性がある火山について,原子力発電所運用期間中(原則40年)の火山の活動可能性が十分小さいかどうかを判断する。
②①の火山の活動可能性が十分小さいと判断できない場合は,原子力発電所運用期間中(原則40年)に発生する噴火規模を推定する。
③②の噴火規模を推定できない場合は,当該火山の過去最大の噴火規模を想定し,設計対応不可能な火山事象(火砕流)が原子力発電所に到達する可能性が十分小さいかどうかを評価する。
④③の火砕流が原子力発電所に到達する可能性が十分小さいと評価できない場合は,原子力発電所の立地は不適となり,当該敷地に原子力発電所を立地することは認められない。

(2)本件では,伊方原発の地理的領域に位置し将来の活動可能性のある火山である阿蘇カルデラ(伊方原発から約13Okm)について,現在の火山学の知見では,伊方原発の運用期間中に①の火山の活動可能性が十分小さいと判断することはできず,②の噴火規模を推定することもできないから,③により阿蘇カルデラの過去最大の噴火である阿蘇4噴火(約9万年前)の噴火規模(火山爆発指数〔VEI〕 7)を想定し,火砕流が伊方原発敷地に到達する可能性が十分小さいかどうかを評価することになる。
しかし,四国電力が行った伊方原発敷地周辺の地質調査や火砕流シミュレーションからは,阿蘇4噴火の火砕流が伊方原発敖地に到達した可能性が十分小さいと評価することはできないから,④により伊方原発の立地は不適であり,伊方原発敷地に原子力発電所を立地することは認められない。


 9万年前の阿蘇山噴火の火砕流は海を越えて山口県まで達したとされている。同規模の噴火が起きれば、海を越えて伊方原発に達するだろうということは容易に想像できる。
 しかも、7300年前には九州南方の鬼界カルデラの巨大噴火が起きているばかりではなく、日本には多くの場所で過去に巨大噴火が起きている。​朝日新聞デジタル(12月14日付け)の解説記事​には次のような一文があった。


​ 国内で過去に巨大噴火が起きた場所は洞爺湖(北海道)、十和田湖(青森、秋田県)をはじめ、各地に広がる。観測経験は世界でも乏しく、「予測は困難」というのが多くの火山学者の見方だ。原発立地の前提として、巨大噴火の十分な想定を求めた今回の決定は、火山国の日本で原発を運転すること自体の是非を問うている。高裁が原発の運転差し止めを命じたのは初めてで、その意味は重い。​​


 広島高裁の判断を適用すれば、日本には運転を認められる原発はほとんど存在しえないことになる。高裁での初めての差し止め判断ということの意味も大きいが、火山噴火の危険性が原発運転差し止めの重大な根拠とされたことの意味はさらに大きい。これからも原発のさまざまな危険性を指摘する司法判断が一つ一つ積み重ねられていって、いずれ将来には原発の安全を担保する根拠が皆無になる日が待ち遠しい。
 原発をめぐるいいニュースに元鍛冶丁公園に向かう足取りは軽い(ような気がした。年の割にはだが……)。





元鍛冶丁公園から一番町へ。(2017/12/15 18:35~18:39)


 「久しぶりのいいニュース」という言葉で始まる主催者挨拶は、当然のことだが、広島高裁の伊方原発運転差し止め決定の話題である。続くフリースピーチでもこの話題が続くのかと思ったが、主催者以外は触れることがなかったのは意外だった。

 広島高裁の決定は喜ぶべきことにはちがいないが、気がかりな点もある。一つは、地震や津波の危険性を否定していることだ。伊方原発沖6~8kmを中央構造線(断層帯)が走っていて、南は阿蘇山、熊本まで、北は関東まで続いている。熊本地震の震源地が中央構造線に沿って分布していたことはよく知られている。
 東電1F事故そのものが地震と津波によって起きたにもかかわらず、原子力規制委員会は地震の危険性を明らかに軽視しているのだが、広島高裁決定もそれを肯ってしまっている。
 電力会社が見積もる原発立地点における基準値振動は、これまで観測された最大振動値よりもかなり低い値をとっている。問題の伊方原発は基準値振動を650ガルとして申請されたが、熊本地震のときに益城町ではその2.4倍の1580ガルの振動が観測されている。同じ中央構造線に沿う地域なのに伊方近辺の振動が特別弱くなる理由があるとは思えない。
 もしかしたら東電1F事故が起きたゆえに地震と津波は可能性がありすぎて、行政も司法もそれを危険視することを意識的に避けている(タブーとしている)のではないかと疑ってしまうような流れである。

 もう一つの気がかりは、先に引用した朝日新聞デジタルの解説記事に次のような記述があることである。

​​
 この決定は、大規模噴火の発生確率は低頻度で、無視し得るものとして容認するのが「社会通念」と言及し、そのリスクを考慮するかどうかは政策判断だとした。今回の広島高裁決定に先立つ広島地裁決定も、こうした「社会通念」を考慮する考え方を引き継いだ。
 広島高裁決定も、噴火のように、甚大な被害は及ぼすが頻度の低い自然災害に対して、目立った国民の不安や疑問もないとし、「社会通念」への理解は示している。
 しかし、それらをもって判断の枠組みを変えた福岡高裁宮崎支部や広島地裁の判断は「限定解釈」であり、新基準の趣旨に反していて許されない、と強く批判した。​​


 阿蘇山は30万年間に4回の大噴火を起こした。およそ8万年に1回の確率である。原発の寿命を40年とすれば、その期間に大噴火が起きる確率はほとんどないと受け止めてしまう「社会通念」が共有されてしまうと、広島高裁の判断に対して否定的な判断が生まれてしまう。
 しかし、阿蘇山の最後の大噴火は9万年前だったので、確率的にはもうそろそろ起きてもいいのだ。そのような実感を人々はリアルに持つことができるのだろうか。それが問題なのだ。想像力は、このような実感力をともなってはじめて行動をうみだす認識となる。だが、残念ながら「8万年に1回の大噴火の確率」を、多くの人は「大噴火はほとんど起きない」と受け止めてしまうだろうし、それが多数を形成すれば「社会通念」になってしまう。そんな社会通念に今後の司法判断が流されてしまうことが心配なのである。

 さらに​残念なニュース​がもう一つ。伊方原発の運転差し止めを決定した広島高裁の野々上友之裁判長が今月で退官するという。正しい判断をする裁判官が一人いなくなるというのはやはりとても惜しいことではある。







一番町(1)。(2017/12/15 18:35~18:39)


 一番町は人で満ちている。とくに定禅寺通りから広瀬通りを越えて中央通りまでの間は人、人、人である。前方を眺めると、デモが通り抜けていくことができるのかと心配になるほどである。先導するお巡りさんもときどき前方の人に注意をうながしていた。
 定禅寺通りの「SENNDAI光のページェント」は12月8日から12月31日まで開催される。17:30に点灯して、消灯は日曜から木曜までは22:00 金曜と土曜 は23:00 で、クリスマスイブと大晦日に消灯が1時間遅くなる。
 12月22日が今年最後の金デモなので、来週もこの人混みの中を歩くことになる。これだけ人が多いと手を振って応援してくれる人も増えるので、それが嬉しいと語るデモ人もいる。







一番町(2)。(2017/12/15 18:39~18:45)


 原子力産業(原発事業)は、世界的なレベルで見れば衰退の一途をたどっている。広島高裁の決定によって伊方原発は再稼働できない状態に陥ったことに同期したわけではないだろうが、そんなニュースが相次いだ。
 たとえば、、日刊工業新聞のサイト『ニュースイッチ』の12月10日 付けの​「原子力産業は絶滅の危機? 政策コンサルタントが報告した数字」​と題する記事がある。
 「世界原子力産業現状報告2017」を執筆したマイケル・シュナイダー氏が自然エネルギー財団で「すでに原発はピークアウトしている」と語った講演の記事で、例えば、原子炉数は2002年の438基がピーク、運転容量は2006年の 368.2GW(2017年7月351GW)、発電シェアピーク(全電源設備に占める原発の割合)は1996年の17.5%が最大、発電量ピークは2006年の2660TWh(2016年2476TWh)、新規稼働ピークは1984、85年(30基以上/年)で2015、16年はともに10基となっており、すべての数字が年々減少していることを明らかにして、次のように結論した。


​​「原子力産業の衰退は地球規模で加速。2017年に建設が始まった原子炉は1基(第三四半期まで)。生き残りに必要な最低限の増加率を下回っており、原発は絶滅の危機に瀕している。」​​

​​
 明らかに原発は絶滅危惧種となり、アメリカではすでに原発の大量廃棄時代に突入した。原発建設企業は次々に廃業、身売りを行い、その債務を日本の無能な企業に押し付けたりしている。そして今アメリカでは、廃炉を専門に請け合う企業が活躍する時代になった。その企業の廃炉の現場のルポルタージュ​「原発廃炉を担う米プロ企業現場ルポ ――丸ごと管理、費用抑え速く」​が12月10日の日本経済新聞電子版に掲載されている。
 事故を起こした東電1Fの廃炉は東電自身が行うことになっているが、「電力会社に(廃炉は)できない」と現場責任者が断言する廃炉専門会社エナジーソリューションズ社は、現在2基の廃炉が完了間際で、さらに2基の廃炉に取り組んでいる。アメリカでも、廃炉の全工程を丸ごと請け負える企業は他にないという。
 このエナジーソリューションズ社は、廃炉技術を日本原電の東海原発の廃炉などにノウハウを提供するのだという。つまり、日本は原発建設の不良債権をアメリカから押し付けられ、これから盛期を迎える廃炉事業でアメリカに大枚を支払う時代に突入するのである。原発に固執する政治家、官僚、企業経営者からなる「原子力ムラ」住人の無能が没落傾向にある日本経済をさらに崖っぷちに押し出そうとしているのである。

 ​「原子力から脱却しないと日本は二流国に陥る」​という記事は12月14日の『日経ビジネスonline』に掲載されている。
 これは、ドイツのメルケル首相のブレイン、ジェレミー・リフキン氏のインタビューをまとめたもので、ドイツはアメリカから始まった第2次産業革命の時代から第3次産業革命へと舵を切ったというのである。
 第3次産業革命では脱原発を前提とする新しいエネルギーのインフラが必要となり、デジタル革命としての「コミュニケーション・インターネット」、「エネルギー・インターネット」、そして「輸送インターネット」を進展させ、「太陽光と風力という限界費用がほとんどゼロの安いものを使えるように」するのだとして、日本について次のように述べている。​​

​​
 第3次産業革命では生産性が上がり、環境負荷はどんどん下がり、ライドシェアや民泊などの新しいビジネスと新しい雇用の機会を生み出します。日本は電気通信、ICT、自動車、電機といろいろな産業で世界トップクラスにあり、まさにこのインフラを構築するのに必要なものがすべてある。
 それなのにまだ依然として原発に頼っている。昔ながらの原子力から脱却できないということが、日本が第3次産業革命を進められない最大の理由だと思います。
 新しく原発を建設することは非常に愚かなことです。結局は取り残される資産になるからです。第3次産業革命のエネルギーは分散型でなければいけない。日本は早く決断を下すべきです​​


 「日本は電気通信、ICT、自動車、電機といろいろな産業で世界トップクラス」というのは、いまやお世辞か皮肉にしか聞こえないが、決断するのに遅いということはないが、日本には知性溢れる合理的判断をする政治家や官僚はいるのだろうか。


 12月12日の『産経ニュース』には「​仏、太陽光発電に3兆円 原発依存率引き下げへ」​という記事が掲載された。
 原発大国のフランスでも、マクロン政権は原発依存率を引き下げ「太陽光と風力という限界費用がほとんどゼロの安い」エネルギーへ向けて、「野心的な」事業にに着手するという。現在のフランスの太陽光発電量は7.4GWだが、フランス電力(EDF)はその4倍に相当する30GW(1GW=100万kW)の太陽光発電所を建設する計画を発表したのだ。

 このような世界のエネルギー動向を見据えながら、もたもたと何の決断もできない日本の政官界、経済界を諫めるような論評が10月21日の『PRESIDENT online』に発表されている。
 三菱総研理事長の小宮山宏氏は​「日本も原子力発電ゼロは「達成できる」――今や再生可能エネルギー「後進国」」​のなかで「脱原発は世界の潮流。売国や中国も再生エネルギーに舵を切った。このままでは日本は乗り遅れる」と主張している。

​​​
 実際に、2016年に世界で実行された発電所投資額の70%が、再生可能エネルギーに向けられています。ちなみに投資額の25%が火力発電所で、原発の投資額は5%に過ぎません。

 再生可能エネルギーには大きく5種類、水力、風力、太陽光、バイオマス、地熱があります。このうち、その土地で一番安いものを選べばいいのです。日照時間は短くても風が強いというところは風力、水が豊富なところは水力、森林が豊富なところはバイオマス、アイスランドのように火山が多いところは地熱発電を使えばいい。世界では、その国や地域に合った再生可能エネルギーを選択し、どんどん開発を進めています。それがこの、投資額の70%という数字に表れています。

 現在日本では、原発に反対している人の方が多いのに、原発を稼働させ、原発事故が起きたときの避難演習をしたりしている。ほかにも、サイバーテロに襲われたらどうするか、北朝鮮が原発周辺に爆弾を落としたらどうするか、と、リスクや不安要素は本当にたくさんあります。こうした不安を抱えて「イヤな思いを持ち続けるコスト」を、将来も抱え続けるのは本当にいいことなのか。しっかりと考えるべきでしょう。​​​


 以上の記事のいずれも「原発はさっさと止めるべだ」という主張だが、掲載したジャーナリズムは『日刊工業新聞』、『日本経済新聞』、『日経ビジネスonline』、『産経ニュース』、『PRESIDENT online』だったというのはちょっとした驚きである。
 これらのジャーナリズムは、(ネトウヨふうに言わせてもらえば)原発に反対する「反日左翼」的なジャーナリズムではない。どちらかと言えば、(三菱総研というシンクタンクも含めて)現代日本の政治を是として、そのもとでの経済発展に資するような「愛国右翼」的要素の強いジャーナリズム(組織)である。
 このようなジャーナリズムばかりの記事を拾い集めたのは単なる偶然にすぎないが、そろって脱原発から再生可能エネルギーへの転換が望ましいという意見に集約されるのは偶然ではないだろう。
 日本という国家を運営するシステムは、エネルギー問題に関する統一的志向性が崩壊し始めているのではないか。国家システムのごく一部の妄執が「新しい原発を!」などという世界レベル的には三流国なみの発言として顕われているのだとしか思えない。国家を運営するシステムに亀裂が入っているのだろう。日本のもっとも愚かな部分に権力が集中してしまったゆえの狂気に満ちた悲劇である。
 このままでは、日本にはガラパゴス化した原発を抱えたまま衰亡していく未来しかないということだ。






青葉通り。(2017/12/15 18:46~18:52)


 それほど寒くない仙台の街のデモは終わった。かつてコンパクトデジカメで冬デモをとっていたときには、タッチパネルで操作するのでいちいち手袋をはずさなければならなかったが、今の一眼レフにはタッチパネルがないので助かる。
 操作のために手袋を脱ぐのが嫌なのは冷たさのせいではない。脱いでポケットに入れ、ポケットから出して嵌めるという繰り返しをしているうちに、いつの間にか片方が無くなっているということに悩まされるからだ。
 今日も、両手が揃った手袋をしてデモから帰るのである。



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かわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)

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Last updated  2017.12.21 21:48:11
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