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テーマ:街歩き(613)
カテゴリ:街歩き
2月6日付けの共同通信社のニュースの見出しはこうだった。
高速増殖炉の実用化そのものが日本の原子力工学技術ではほぼ実現不可能であることは、原型炉に過ぎない「もんじゅ」の廃炉決定までの経緯で見事に証明されて、かろうじてまだ高速増殖炉にしがみついているフランスのASTRID計画に頼るしかなかったのだが、そのASTRIDが「出力規模の大幅縮小」をするというのだ。 3段階目の実証炉が大幅に小型化するなら、実用炉に取りかかる前に「実証炉の大型化の実証」という段階が必要になるのではないか。いずれにせよ、高速増殖炉は原発大国フランスでもその実用化はまた一段と遠い将来のことになった。 現在のヨーロッパにおけるに再生可能エネルギーの進展・増加の勢いから考えて、高速増殖炉が技術的に可能になる時代には原発そのものが不要になっている可能性が高い。 もともと原子力発電というのは、原子レベルの化学反応が生み出すエネルギーに比べて核分裂が生み出すエネルギーが格段に大きいことを頼りにしている。つまり、一つの発電施設が生み出す発電量がとてつもなく大きいことが唯一のメリットである。 高速増殖炉の技術的な難しさで、その原子炉を小型化するのだとすれば、その唯一のメリットを諦めることに等しい。つまり、原子力工学技術が誇っていた「膨大なエネルギー生産量」の否定の方向に向かうということだ。 実証炉の小型化を図ったはいいが、それでも技術的な困難を解決できなくてもっともっと小型化するということになりそうな気がする。原子炉というのは核分裂エネルギーでお湯(高速増殖炉では液体のナトリウム金属など)を沸かすのが目的なので、どんどん小型化していった結果、高速増殖炉で薬缶のお湯を沸かしている戯画が目に浮かぶ(薬缶を囲んでお茶を飲みながら、税金を湯水のごとく原子力に使えた昔を懐かしみながらしんみりとしている老醜政治家と資本家たちの2050年ごろの一場面)。くだらない絵面だが……。
一番町(2)。(2018/2/9 18:50~18:55)
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今晩は。
何をどうしようと100%危険で100%制御不能になる原発、未だに開発研究を重ねる意味はありません。 馬鹿に付ける薬は無いと言うことのようですね。 (2018.02.11 17:47:22)
歩世亜さんへ
原子力に群がった人たちは、国からばらまかれる金に取りつかれてしまったのでしょうし、原子力工学者はそれがなければただの人になってしまうので、科学的には欺瞞であっても原子力推進を主張するしかないのでしょう。 しかし、世界の趨勢は脱原発で急激に動いているのは間違いありません。 それでも、私たちは日本の残っているどの原発も事故を起こす前に廃棄すべきだと思って、そう主張しています。 福島事故のような原発事故がもう一度起きたら、日本は完全にアウトです。 日本の7割くらいの人がそのことをよく理解しているのはずですが、反原発の態度表明としてのデモに出てくる人が少ないのが残念ですね。 まあ、日本は政治的態度を明らかにすると白い目で見られるという文化後進国そのままの国ですからしょうがないということかもしれませんが……。 (2018.02.11 22:12:13)
小野寺秀也さん
こんにちは(*^。^*) 今頃ですが「小野寺秀也」とハンドルネームに書かれていますね。 変えられたのですね。 精神的な問題に対しての補償はなかなか認められにくいですね。 かなり大きな問題なのですが・・・。 皆さんの無念の思いはわかりますが思うようにはいかないでしょうね。 なんともやりきれないです。 (2018.02.12 14:00:07)
元お蝶夫人さんへ
SNSを始めたとき、実名でやると決めていたのですがハンドルネームに実名を入れるやり方がわからなくて(英数字しか使えないと思ってました)、ブログタイトルにカッコ書きでいれてました。 すぐにやり方が分かったのですが、面倒なので放っておいたのです。 タイトルに実名が出ているので今さら大して意味はないのですが……。 なかなか難しいのはたしかですね。 自然災害で故郷を離れざる得負えなかった例はたくさんあるでしょうが、一私企業がばらまいた放射能の汚染で故郷が壊滅する事例は歴史上はじめてですからね。 判例がない裁判を裁判官がどう考えるかは想像するのも難しいことです。 結局は、国家が被害者をどう救うかという「政治思想」の問題になるでしょう。 福島を捨てようとしている自民党や公明党には期待できないと言わざるをえません。 闘いは難しく、かつ長期に亘りそうです。 (2018.02.12 17:22:43) |