仙台・広瀬川のアユ釣り その5 (おさらい編)
暑い。アユ釣り日和である(川にアユがいれば、ということだが)。今日は東北の梅雨明け宣言が出た。 これまで、澱橋~仲の瀬橋~大橋~早坂淵を釣ってみた。これは、私の家から歩いて釣りに出かけられる範囲である。ある程度、釣れる場所も分かった。今日は、その釣れたポイントのおさらいをすることにした。 さっそく、養殖オトリを購入にスーパーカブで釣具店へ。広瀬川は市街を貫通するあたりまでずっと渓谷の雰囲気である。深く大地を削りとって流れている。そのため、川原が少ない。小さな河川敷公園がないわけではないが、車を止めるスペースがほとんどない。 定年退職した年、「これからは毎日釣り三昧だ」と思い込んだとき、市内のどこへでも出かけて釣りができるように、原付バイクを購入した。年金暮らしになってからのもっとも高価な釣り専用のアイテムである。 「広瀬川の釣り」専用スーパーカブ。 まず最初は大橋の岩盤に出かける。何となく岩盤の色がくすんでいる。アユのハミが少なくなっているのか、それともアカ腐れが始まっているのか。いずれにしても、良い状態ではない。先日はあっという間に5尾も出たのに、20分ほど泳がせても全く反応が無い。切り上げる。 次は、ずっと歩いて赤門の瀬に向かう。その瀬頭は、解禁の日もその次も、サイズのよいアユが出た所だ。ところが、コロガシの人が瀬頭を行ったり来たりしている。解禁の日に私のそばに寄ってきた人である。3・11直後の昨年はアユ釣りをしなかったので分からないが、一昨年あたりは毎日同じ場所で一日中ねばってコロガシをしていた人である。 瀬頭が狙い目の赤門の瀬。 仕方がないので、もう少し歩いて胡桃淵上流の右岸の分流に入る。ここも少しは出ていたところである。始めてすぐに20cmクラスが来て、その元気なオトリで丹念に探すが、それっきり。この瀬は終わりである。増水してアユが入れ替わらない限り難しいだろう(入れ替わるアユがどっかにいればの話だが)。 後は赤門の瀬の瀬頭だけだが、コロガシが動かない。仕方がないので、胡桃淵に入る。淵と言っても流心の最深部で腰程度の深さ、けっこうなサイズの石が入っているがハミはない。 波がざわ立っている対岸の浅場でアユが跳ねるので、そこに泳がせながら登らせてオトリを入れるとすぐに来る。小さい17cmくらい。アユが段々小さくなる。アユが少ない明らかな証拠である。3m×5mくらいの範囲で立て続けに4尾。ただし、その後はぴったりと止まる。 胡桃淵の下半分を歩いて見たが、ハミはさっき釣れた場所に少しあるだけだった。流心の大きな石はアカ腐れである。 ここで昼上がりとする。 午後からもう1度赤門の瀬に行ってみた。もちろん、コロガシ人は帰ってはいない。この人の体力には感心してしまう。1昨年までもそうだったが、たぶん今年も毎日、しかも朝から晩まで竿を降りつづけるのだろう。 午前中に4尾出た胡桃淵の岸の浅場を狙う。しかし、もう反応はないのである。淵なのに入れ替わりがない。つまり、圧倒的にアユが少ないということである。 赤門の瀬の瀬頭近くにいたコロガシ人が、どんどん近寄ってきて胡桃淵の淵尻でコロガシを始めた。私の釣り動作の何かを誤解したらしい(釣れてなんかいないのに)。せっかくなので、赤門の瀬の瀬頭に移動して竿を出してみた。まったくダメであった。川を渡渉しながら石を見たが、ハミ跡がまったくない。あの20cmを越すサイズのアユはあれっきりしかいなかったようである。 下りながら赤門の瀬の石も見たが、アカ腐れである。梅雨といいながらまったく増水がなかったこと、間断なく石をハミ続けるほどのアユがいないことで、早くアカ腐れが始まったのであろう。 このまま土用の炎天が続くかぎり、今日確かめたポイントが良くなることはない。8月半ばに投網が解禁になる。つまり、この辺の友釣りはもうおしまいということだ。 いや、小さな場所けれども一カ所だけ、土用の炎天向きの場所を残している。その近くには毎日やってくる二人組の友釣り人がいるけれども、なぜかその場所を無視している。 そこでは、川のなかに座り込んで、アユがかかってもけっして立ち上がらず、可能なかぎり静寂の中で釣り続けなければならない。アユの少ない広瀬川では、このような場所は極端に少ないので、ひそかな楽しみに残している(たった1~2時間くらいしかできない小場所だけれども)。 段々小さくなる広瀬川のアユ(17~20cm)。