メーデーは宗教的儀式である
今日はメーデー。僕は労働組合が嫌いなので、メーデーには関心がなかったのだが、支那共産党帝国でメーデーにまた反日デモが行われる可能性があると報じられているのを見てメーデーの起源を調べてみた。May Dayメーデーといえば五月一日行われ、日本では労働者の日として受け入れられています。しかし本来のメーデーは古代からヨーロッパで受け継がれている五月祭、つまり春の祭典なのです。現在でもメーデーは子供を中心に行われている行事です。お祭りだったんだ。May Dayの起源 キリスト教が伝播する以前の古代ヨーロッパは多神教で、季節の節目ごとに儀式が行われていました。一年は十一月一日に始まり、そこから半年後にあたる五月一日を区切りにして、二つに大別されていました。 十一月一日の前日にあたる十月三十日には悪霊を祓うために現在でも一般的なハローウィンが行われ、五月一日は春の訪れを祝うメーデーの儀式が行われていました。 古代ローマの女神フローラ (Flora) の祭りが起源だという説もあれば、古代ゲール語文化圏で行なわれ、現在でもスコットランドやアイルランド、ウェールズで行われているベルテン (Beltane) の祭りが起源だという説もあります。ちなみに Beltane はメーデーのケルト名で、「Bel の火」を意味します。(Bel は太陽の神のこと)欧羅巴ヨーロッパが基利斯督キリスト教に侵略される以前に行われていた、ということはストラヴィンスキーの「春の祭典」なんかまさしく「メーデー」だ。May Queen, May Pole メーデーは初夏を迎え、自然の豊饒を願う祭りであり、若さを礼賛する祭りでもあります。 メーデーの起源の一つといわれる Beltane はアイルランドの守護神だった女神 Bride を祀る祝いだったのですが、この Bride は五月の Beltane の際には若い処女として現われ、八月の Lughnasad には母親、そして十一月の Samhain では老婆になって現れると言われています。 Beltane の祭りの時期は聖なる結婚の時期であります。生命を誕生させるための結婚を祝うものです。自然の恵みをもたらすのは女神 May Queen と神 May King に象徴され、神々の結婚を祝うことで春の訪れを喜び、秋の収穫を願ったのでした。 ここで焚かれるかがり火はあらゆる災厄を清めてくれるものだと信じられていました。 また、古代ローマの女神フローラの祭りでは、フローラの像に花輪が捧げられ、神殿もたくさんの花で飾られました。そして若者は恋人のために歌を歌いました。花は春を象徴し、躍動感あふれる若さや新しい生命の予感を感じさせる恋もまた春の到来を象徴するものです。 イギリスでは花やリボンで飾った Maypole メイポールと呼ばれる柱の周りで若い男女が踊ったりしますが、この柱はその形からもわかるように男性の象徴であり、このことからも本来メーデーが自然の恵みや豊饒を祈るというだけではなく、結婚や出産といった人間の性を礼賛した祭りであったことが窺い知れます。 実際、Beltane の祭りでは恋人と二人でかがり火を飛び越して、結婚を宣誓したそうです。また、恋人と素っ裸で火を飛び越すと子供を授かるという言い伝えもあったそうです。 しかし祭りの前の日の夜、若い男女が森に出かけて日の出まで共に過ごし、ポールに飾る花輪を作ってくる「緑の森の婚姻」という儀式は、ピューリタンによって激しく非難され、現在では事実上行われなくなりました。 現在では花を摘んで教会や石像に供えたり、ダンスをする習慣だけが残っています。イギリスでは若くて美しい女性の中から May Queen メイクイーン (五月の女王)を選んだり、ポールの周りで踊ったりします。また、メーデーに行われる Morris Dance モリスダンスも有名です。男根崇拝は世界中で行われていたのだ。May Day Eve メーデー前夜 メーデー・イブ、つまり四月三十日に行われる祭り二つあげてみたいと思います。共通項は「火」です。本来、Beltane の祭りで Bel はを火を象徴し、かがり火を神聖なものとして崇めたことと関連があると思われます。 一つはドイツの Walpurgisnacht ワルプルギスの夜と呼ばれるようになります。この儀式はゲーテの『ファウスト』にも取り上げられており、ここでは魔女が集まり、乱痴気騒ぎをする悪魔の集会サバトとして描かれています。 しかし現在では、この祭りでは女性がとがった鼻のついたお面や色とりどりのマントを身につけ、柄の長い箒を持って魔女に扮したり、男性がサリーちゃんのパパの髪型のような角のついた帽子や長いマントを身に着けて悪魔に扮します。 また夜になると Walpurgis Feuer ワルプルギスの火を焚いたりします。このお祭りには冬にさよならし、春を迎える人々の喜びが溢れています。 もう一つはスウェーデンの Valborgsmassoafton ヴァルボリスメッソアフトンです。Valborgs は Walpurgis、massoafton は night のことです。一般には Majbrasa と呼ばれ、ドイツと同様、かがり火を炊いて春の訪れを祝うそうです。ワルプルギスの夜と聞いて真っ先に思い浮かべるのはベルリオーズ「幻想交響曲」第五楽章 ワルプルギスの夜の夢 だが、原題は Songe d'une nuit du Sabbat、ワルプルギスの夜ではなく奢覇都サバトの夜になっている。メーデー禁止! 先に記したように、メーデーは元来異教徒の祭りに由来し、異性との性交渉を奨励するような意味を持っていたため、十七世紀にキリスト教により全面的に禁止されました。 しかし、伝統を守る人々の思いは強く、教会側はメーデーをキリスト教の聖人を祝う日にすり替え、実際職人や商人たちはギルドの守護聖人を祝ったそうです。 また庶民の間にもキリスト教が浸透していたため、ピューリタンの間ではメーデーは悪魔の宴だという意見まで出ていました。そこで性的な意味合いを弱め、ダンスや供花、ゲーム、かがり火といった伝統だけを残していこうとする動きが強くなりました。ここにもキリスト教の排他性が表れている。労働者のためのメーデー 現在では労働者のための日という意味合いが強いメーデーですが、これは一八八四年にアメリカで八時間労働を要求するゼネストが行われたことに端を発します。 ちなみに、アメリカでは移民した人々の多くがピューリタンだったため、メーデーを祝うことがなかったのではないかと言われています。 結局ゼネストやデモ行進などが各地で行われましたが、シカゴで死傷者が出たりと大きな事件へと発展してしまいました。この事件を記念して一九八九年に第二インターナショナルは五月一日を国際的な労働者のための日と定めました。 このことで翌年から世界各地でメーデーに労働者や団体による運動が行われるようになったのでした。伝統行事から見るヨーロッパ より現在のメーデーは名前が同じだけで、春の祭典とは無関係だ。ショスタコーヴィチの交響曲三番メーデーはもちろん労働者の方だが、労働組合を一種のカルト宗教と見なせば現在のメーデーもやはり宗教的儀式と言えるかもしれない。