テーマ:教育(24)
カテゴリ:教育
経済協力開発機構が十五歳男女計約二十七万六千人を対象に実施した二千三年国際学習到達度調査は、日本人の学力低下を示すものとして、教育の是正を促すきっかけとなるのではないかと思う。「ゆとり教育」の弊害が早くも現れてきたと云うことか。 日本が将来とも貿易立国として生きていくためには世界最高の商品を供給し続ける必要がある。教育の重要性は昔の人も知っていた。福沢諭吉もかの有名な「学問のすゝめ」の中でこんな事を言っている。 「我日本国中も今より学問に志し、気力を確かにして先ず一身の独立を謀り、従って一国の富強を致すことあらば、何ぞ西洋人の力を恐るるに足らん」 -- 日本の学力「世界トップ水準と言えず」・・・ OECD調査 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041207it03.htm 「ゆとり教育」が奪う「生きる力」 http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h14/jog230.html 「ゆとり教育」の現場から http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h14/jog231.html 学習指導要領 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/11/03/990302.htm [学力国際比較]「なぜ『読解力』は低下したのか」 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20041207ig90.htm -- 学問のすゝめ 福沢諭吉著 第三編より 凡そ人とさえ名あれば、富める貧しきも、強気も弱気も、人民も政府も、その権義において異なるなしとのことは、第二編に記せり。 二編にある権理通義の四字を略して、ここにはただ権義と記したり。いずれも英語の「ライト」という字に当たる。今この義を拡めて国と国との間柄を論ぜん。 国とは人の集りたるものにて、日本国は日本人の集りたるものなり、英国は英国人の集りたるものなり。日本人も英国人も等しく天地の間の人なれば、互いにその権義を妨ぐるの理なし。 一人が一人に向かって害を加うる理なくば、二人が二人に向かって害を加うるの理もなかるべし。百万人も千万人も同様のわけにて、物事の道理は人数の多少に由って変ずべからず。 今世界中を見渡すに、文明開化とて文学も武備も盛んにして富強なる国あり、或いは蛮野未開とて文武ともに不行届にして貧弱なる国あり。 一般に、ヨーロッパ、アメリカの諸国は富んで強く、アジア、アフリカの諸国は貧にして弱し。されどもこの貧富強弱は国の有様なれば、固より同じかるべからず。 然るに今、自国の富強なる勢いをもって貧弱なる国へ無理を加えんとするは、いわゆる力士が腕の力をもって病人の腕を握り折るに異ならず、国の権義において許すべからざることなり。 近くは我日本国にても、今日の有様にては西洋諸国の富強に及ばざるところあれども、一国の権義においては厘毛の軽重あることなし。道理に戻りて曲を蒙るの日に至っては、世界中を敵にするも恐るるに足らず。 初編第六葉にも言える如く、日本国中の人民一人も残らず命を棄てて国の威光を落とさずとはこの場合なり。 しかのみならず貧富強弱の有様は、天然の約束に非ず、日との勉と不勉とに由って移り変るべきものにて、今日の愚人も明日は智者となるべく、昔年の富強も今世の貧弱となるべし。古今その例少なからず。 我日本国中も今より学問に志し、気力を慥にして先ず一身の独立を謀り、随って一国の富強を致すことあらば、何ぞ西洋人の力を恐るるに足らん。道理あるものはこれに交わり、道理なきものはこれを打ち払わんのみ。一身独立して一国独立するとはこの事なり。 -- 日本の学力「世界トップ水準と言えず」・・・ OECD調査 経済協力開発機構(OECD)は7日、加盟国を中心とする41か国・地域の15歳男女計約27万6000人を対象に実施した2003年国際学習到達度調査(略称PISA)の結果を世界同時発表した。 2000年に続く2度目の調査で、日本は前回8位の「読解力」が加盟国平均に相当する14位に落ち込み、1位だった「数学的応用力」も6位に順位を下げた。文部科学省は「我が国の学力は世界トップレベルとは言えない」と初の認識を示し、来夏までに読解力を向上させる緊急プログラムを策定する。 調査は、覚えた知識や技能を実生活でどれだけ活用できるか、を評価するのが目的。「読解力」「数学的応用力」「科学的応用力」に加え、今回は直面した問題に対処する力を測る「問題解決能力」を初めて調べた。日本では昨年7月、全国143校の高校1年生計約4700人を対象に行われた。 その結果、文章を読みとる力を測る読解力は、加盟国平均を500点と換算すると、日本は498点。前回の522点から24点も下がり、各国中で最大の下落幅となった。1位のフィンランドとは45点もの大差がつき、特に成績最下位層の割合の高さが顕著だった。 数学的応用力も557点から534点に下がった。これは1位の香港(550点)などと統計的には差がないとして、データを集計した国立教育政策研究所は「1位グループであることは変わりない」と説明しているが、断然トップを走っていた日本が、1位集団に吸収された格好だ。 このほか、前回2位だった科学的応用力は、フィンランドに次いで今回も2位を維持。600点を超す上位層の生徒は各国中、最も多いという結果だった。 また、初調査の問題解決能力は、1位の韓国とわずか3点差の4位だった。 調査と同時に行われた生徒へのアンケートでは、通常の授業以外に、自分の勉強や宿題をする時間が週平均6・5時間で、加盟国平均の8・9時間よりかなり短いことなども判明した。 文科省はこれまで、日本の学力を「世界トップ水準」としてきたが、今回の結果を受けて、「我が国の学力は国際的に見て上位にあるが、読解力の低下など、世界トップレベルとは言えない状況」と、初めて“陥落”を認める分析結果を公表。すでに表明している全国学力テストの実施や学習指導要領の見直しなどに加え、新たに読解力向上のためのプログラムを来夏までに策定することを明らかにした。 (読売新聞)- 12月7日10時43分更新 -- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年12月08日 18時41分30秒
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