川村けんとの「いい加減にします!」

2006/09/02(土)15:59

朝日新聞「魔女狩り」大虚報 其の一

政治 政治史 行政(218)

朝日が週刊新潮の広告断る NHK改編問題めぐり  NHKの従軍慰安婦特集番組の改編問題をめぐり、20日発売の「週刊新潮」(1月27日号)の新聞広告の見出しが事実に反するとして、朝日新聞が掲載を断っていたことが分かった。  この新聞広告は「朝日『極左記者』とNHK『偏向プロデューサー』が仕組んだ『魔女狩り』大虚報」とする見出しを載せたもの。  これに対し朝日新聞は18日、「見出しは事実に反する」として広告代理店を通じて掲載を断ったという。新潮社は「見出しに偽りはないので、見出しを変えるような措置はしなかった」(宣伝部)と話している。この広告は20日、在京の新聞などに掲載された。  朝日新聞広報部は「広告内容が虚偽で、かつ当社を意図的にひぼう中傷する文言だったため、当社の広告掲載基準に照らし、掲載を見合わせた」と説明している。 (共同 2005-01-20 13:43) 週刊新潮一月二十七日号の販売期間が終わったので問題の記事を載せておく。字数を超えてしまうので二回に分ける。 朝日「極左記者」とNHK「偏向プロデューサー」が仕組んだ「魔女狩り」大虚報  最初から「政治介入」ありきの糾弾姿勢は、まるで中世の「魔女狩り」そのものだった。朝日新聞が、安倍晋三代議士らによるNHK番組への介入問題を報じ、世上を騒がせたのはご承知の通り。が、その記事たるや、事実確認を尽くさないお粗末極まりない代物だった。この茶番劇を演出したのは、二大メディアの「極左記者」と「偏向プロデューサー」。世紀の大虚報はいかにして仕組まれたか──。 「NHK側が説明に来るまで、私は問題の番組の詳しい内容や放送日時は一切知りませんでした。別件で面会に来たNHKが、自ら進んでこの番組の簡単な説明をしたので、私は"公正・中立にやって下さい″と言ったまでです。しかし、今では"公正・中立に″と言ったこと自体が政治的圧力だといわれている。私や中川代議士が"事実と違う″ときちんと主張した後は、拳を振り上げた人たちが因ってしまい、議論を摩り替えている状態なんです」  朝日新聞の報道に端を発した一連のバッシングに反論するのは、今やNHKに政治的圧力をかけた「元凶」扱いされている、自民党の安倍晋三・幹事長代理である。確かに、こんな批判がまかり通るなら、政治家はマスコミに意見さえ言えないことになる。まさに最初に"政治的圧力″ありきで、事態は「魔女狩り」そのものの様相を呈しているのだ。  まずは、今回の大騒動の経緯をおさらいしておこう。市民団体が都内で民衆法廷「女性国際戦犯法廷」を主催したのは二〇〇〇年十二月のこと。これは従軍慰安婦問題につき、昭和天皇や日本政府の犯罪を裁くという模擬裁判だ。問題は、これを扱った二〇〇一年一月三十日のNHKの番組である。 〈安倍、中川昭一両代議士が一月二十九日にNHK幹部を呼びつけ、番組について中止を要請したり、修正を命じる介入を行った〉──。  こうした内容を大々的に報じたのは、一月十二日付の朝日新聞だった。この報道と軌を一にするかのように翌十三日、NHKの現職チーフ・プロデューサー、長井暁氏(四十二)が異例の告発会見を敢行。彼は、当時、この番組を担当したデスクだった。長井氏の話の概要は次の通りだ。 〈放送前日、中川氏らに呼ばれ、NHKの幹部二人が呼び出されたと認識している。その後、番組の手直しが行われた。これは今、考えて、中川、安倍両氏の意向を反映し、了承を得るための作り変えであったことは間違いのない明白な事実であろうと思う。放送後、信頼できる上司から、安倍、中川両議員から呼び出され.放送中止や改変を求める圧力があったと問いた〉  会見の終盤では、言葉を詰まらせる場面も。 〈私にも家族がある。四年間悩んできたが、事実を述べる義務があると決断した〉 と、涙ながらの訴えとなったのである。記者の中には感銘を受け、拍手を送る者も少なくなかった。  こうした動きを受け、安倍氏らに対し、「政治的圧力だ」「不当な事前検閲だ」などとブーイングの嵐が吹き荒れたのである。野党も早速、両代議士の国会招致を求める始末だ。  ただ、前記の内容を見ればお分かりの通り、長井氏が告発する政泊家の介入部分は全て伝聞。〈間違いのない明白な事実であろうと思う〉といった、難解な表現さえ見られた。が、「NHK=恵」といった図式の今、海老沢会長批判も含めた、現職職員の告発は勇気ある行動と受けとめられたのである。涙の力も手伝って、事実確認で疑問を感じた記者も突っ込んだ質問は行い難い状況だったという。 シナリオありき  むろん、事実無根で「魔女」扱いされた側は黙っているわけにはいかない。安倍、中川両代議士は介入を真っ向から否定。中川氏にいたっては、スケジュール帳や事務所の面会記録等で確認した結果、NHK幹部との面談は、番組放送後の二月二日であることが判明したのである。事前検閲は物理的にあり得なかったのだ。  NHK自体も調査の結果、両代議士に呼び出された事実はなく、中川氏についても面談は二月二日だった事実を公表した。  こうした反証に対し、朝日新聞側は十八日になって、取材の経過まで紙面で公表したが、安倍、中川両代議士とNHKの主張を覆すだけの新たな証拠も提示できず、「焦点はNHKと政治との距離」などと、議論のスリ替えに必死。焦点はもちろん「政治介入があったかなかったか」に決まっている。スクープ記事と持ち上げられた記事は、わずか数日でメッキがはがれ、空前の大虚報であったことが白日のもとに晒されたわけである。 「一月十日に電話で話したが、四年前のことを急に開かれても、調べる材料がない。模擬裁判の番組の件でNHKの人間と話をした記憶はありましたので、そう答えた。ただし、時期については"分からない″としか言っていない」 と、憤るのは当事者の中川昭一・経産相だ。 「そんなやりとりの中で、私が"そうだったかもしれない″と返答をした部分を、"放送前の面談″という質問と結びつけ、向こうが描いたシナリオ通りに記事にされてしまった」  まさにシナリオありき。どうしてこんな茶番劇が展開されてしまったのか。  安倍、中川両代議士を取材するなど、件の記事で主導的な役割を果たしたのは、本田雅和なる記者である。この本田記者、市民運動などの世界ではちょっとした有名人なのだ。 「彼は、人権、安保問題一筋できた記者で、大量の署名記事を書いています。フットワークが軽く、アフガニスタンやイラクなどにも取材に出かけていました」(朝日の同僚記者) が、彼を有名にしているのは署名記事の多さだけではなく、著名人との"関わり″も注目を集めたからだ。 「進んで、有名人に議論をふっかけにいくんです」  その最たるケースが、作家の筒井康隆氏との"バトル″だった。教科書にも採用されていた筒井氏の小説の中に、てんかんの人への差別を助長する部分があると、『日本てんかん協会』が指摘し、教科書からの削除を要求。これを筒井氏が拒絶し、ついには言葉狩りに対し「断筆宣言」を行った"事件″といえば、ご記憶の方も多いだろう。 「本田氏はこの問題について朝日の紙面で筒井氏にインタビューを行った。といっても、インタビューというより、最初から批判的で、相手に自分の意見をぶつける論争のようでした。筒井氏が"小説が、タブーなき言語の聖域となることを望んでやまぬ″と書いているのに対し、本田氏が"作家は特権階級ですか″と食ってかかる場面もあった」(同)  しかも、その後、彼の燃えさかる闘争本能は、「ゴーマニズム宣言」で有名なあの人気漫画家、小林よしのり氏にまで及んだ。小林氏の皇太子殿下のご成婚をめぐる漫画が、連載中の雑誌でボツになったことがある。が、これが同じ版元から刊行された単行本で復活したことを受け、「読者に説明を果たしていない」と噛み付いたのである。 「本田記者の印象は、とにかく思い込みが激しい人。エキセントリックで、常に断定口調です。相手を"悪″と決め付けたら、徹底的に自分の主張を押し付ける。ワシと会ったときも、"差別は経済構造だ″と主張し、作家が金儲けのために本を出すことを否定していた。初めから結論ありきで、取材するタイプです。別の角度から検証するという、記者として当たり前のことをしないんですよ」 と論評するのは、戦火を交えた小林氏である。 続く

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