テーマ:大東亜戦争(217)
カテゴリ:政治 政治史 行政
今日は六十年前、長崎にプルトニウム型原子爆弾が投下された日である。広島の原子爆弾はウラン型であった。「実績」のあるウラン型ではなく、わざわざプルトニウム型を使ったところに「実験」としての要素を見て取れる。ウラン型のデータは取れたので次はプルトニウム型を、というわけだ。 さて本日は「ディベートからみた東京裁判」より「東條英機」。楽天の上限、十キロバイトを超えてしまうので二回に分ける。 キーナン検事「あなたは、日本の艦隊が真珠湾を攻撃するために、日本を出発した日を知っているでしょう」 東條英機「今知っているというお尋ねですか。その当時知っておったかというお尋ねですか」 キーナン検事「私が尋ねているのは、今知っているかということです」 東條英機「今、裁判所において私はその知識を得ました」 キーナン検事「いつ艦隊は出発しましたか」 東條英機「どこをですか」 キーナン検事「東京を」 東條英機「それは知りません。私がこの裁判所で得た知識は、ヒトカップ湾と言いましたかね。二十三日か、二十六日に出たというふうなことを知ったのです」 キーナン検事「あなたは現在、この連合艦隊の作戦命令は、十一月五日に発せられたということを知っておりますか」 東條英機「知りません。作戦準備命令がその頃出たということは、この法廷で承知しました。準備命令です。お間違えの無いように」 キーナン検事「そしてまたあなたは総理大臣として、この艦隊が十一月の二十三日にしろ、二十六日にしろ、日本を出発したということもまた知らなかったのですね」 東條英機「事実において知りません」 キーナン検事「それではあなたはいつ真珠湾を攻撃するということを、艦隊が真珠湾に向かって進行中であることを知りましたか」 東條英機「それは十二月一日の御前会議の決定にもとづいて、当然に私は攻撃を開始するということに向かって行動しつつある。こういうふうに想像しておりました」 キーナン検事「法廷に申し上げます。この証人はばかばかしいほどの限度まで行き過ぎております。私は単にいつ真珠湾攻撃の意思を知ったかというその日付を訊いただけであります。証人に対して、この質問に答えるよう指示を与えていただきたいと思います」 ウェブ裁判長「証人、もし記憶しているならば、それを知った日付を述べなさい」 東條英機「それは一番最初にお答えしたと思うておりましたが、十二月一日の御前会議において知りました」 キーナン検事「私はあなたに対して長々しく退屈なことを訊くつもりはありませんが、ただこの点だけを明確にお尋ねします。すなわち、あなたはこの御前会議において、日本の艦隊が真珠湾を攻撃するために進行中であったということを知りましたか。しかりとか、否とか答えてください」 東條英機「もう一遍言ってください」 ウェブ裁判長「この簡単な質問に答えなさい。あなたはいつ最初に真珠湾は攻撃されることになっているということを知りましたか。それに対して一語、もしくは二語でごく簡単に答えることが出来るでしょう」 東條英機「一日でしたか、二日でしたか、そこのところは日にちがはっきりしませんが、その辺のところです」 キーナン検事「いつの」 東條英機「昭和十六年十二月の」 キーナン検事「私はこの証人から非常に正確なことを聴きだすことが出来なかったことをお詫びいたします」 キーナン検事「誰があなたに真珠湾攻撃を話しましたか」 東條英機「参謀総長から聴いたと記憶しています」 キーナン検事「あなたはこの情報を天皇に伝えましたか」 東條英機「伝えません。また伝える責任を持ちません」 キーナン検事「その情報を伝える責任は誰にありますか」 東條英機「当然、軍令部総長もしくは参謀総長の責任です」 キーナン検事「あなたは日本の総理大臣として、政府の首班として、この情報を伝える任務はないとおっしゃるのですか」 東條英機「内閣総理大臣としてありません」 キーナン検事「あなたは、私が今述べている艦隊(連合艦隊)というのは、どこの国の歴史においても最も強力でないとしても、最も強力な機動部隊の一つであることを否定しますか」 東條英機「強力とは何に比較してのお話ですか。米国の艦隊に対してですか、あるいは抽象的な意味のお尋ねですか」 キーナン検事「私が言及しているのは機動部隊という言葉です。あなたはその言葉がお分かりになるでしょう」 東條英機「よく知っております」 キーナン検事「私の尋ねているのは、有史以来、海軍の任務によって派遣された機動部隊としては、最も強力なものの一つであったということを否定しますか」 東條英機「有史以来と申しますが、航空母艦というものが出来たのは最近です。したがって、有史以来という言葉は、どういう意味を含まれているのか知りませんが、日本の艦隊であることは肯定します」 キーナン検事「私はあなたと言葉のやりとりをしようと思うものではありませんが、私はこの艦隊が歴史上最も強力なる機動部隊でなかったかということを尋ねています」 東條英機「相当な部隊だと思いますが、しかしながら、他のものと比較をして、有史以来の比較となりますと、私は海軍の作戦には不案内ですから、明確なお答えは出来ません」 (続く) ディベートからみた東京裁判 プロローグ ウェブ裁判長の忌避動議 平成十七年 八月九日 Defunkt "To Live To Die" を聴きながら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年08月09日 22時25分02秒
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