テーマ:皇室(560)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
本日は皇室典範研究會「皇室典範改正への提言」のご紹介。 正字正仮名遣いなのでいくつか読み仮名を振った。とはいえ慣れない人には読みづらいであろうから「まるやるま君」で変換した物を明日掲載する予定なので、読み比べていただきたい。 「女系天皇問題」に対する僕の気持ちは「せっかく今まで続いてきたのに、勿体ない」である。「いや、実は途切れているんだ」などと言う意地の悪い人達もいるが、いいじゃない、続いているって事で。遙か昔の事なんだから。 このたびの「女系天皇問題」に関して政府に言いたい事のある方は左記のフォームより。 皇室典範研究會 代表・小堀桂一郎 此處數年來國民各層から深い憂慮の念が示されてゐた皇位繼承の問題につき、平成十六年の末に至り、漸く政府に總理の私的諮問機關として「皇室典範に關する有識者會議」が設置され、問題の檢討に當ることになつた。その作業のための試案として、これまで政府部内で極秘裏に討究されてきたとされる現皇室典範の改正案なるものが一部の新聞に報じられてゐる。 この試案はいはゆる「女性天皇」(女系繼承への移行を容認する存在としての)による皇位繼承を前提とするものと見られ、「男系男子による繼承」といふ有史以來の不動の「皇室傳統」を重視する立場の識者達はこれに對し深甚の危惧をいだいてゐる。 有志の成員九名を以て構成する我々「皇室典範研究會」は、平成十四年春以來今日までの二年半餘、二十回に亙る研究例會を開催して調査と討議を重ねてきた。 その發足時に於ける成員間の共通了解は、有史以來の「男系男子による繼承」といふ「皇室傳統」を可能な限り尊重すべきであり、そのために取るべき方策は必ずや發見できる、といふものであつた。研究の全日程を終了した現在、この認識は鞏固な確信となりつつある。そこで、我々研究會としては、かかる立場からの以下の如き提言を取りまとめ、今後の皇位繼承問題の檢討の進め方と皇室典範改正の方向につき、政府及び關係各機關に熟慮を要望するものである。 提 言 一、有史以來、皇位繼承は「男系による継承」を不動の原則として行はれてきた。これは最も重要な「皇室傳統」であり、現在から將來にかけての皇位繼承についてもこの原則を可能な限り維持するために萬全の策を講ずるといふ立場で檢討がなさるべきである。 補注一 そのために、何故にこれまで百二十五代の長きに亙つて「男系による繼承」の原則が遵守されてきたか、その所以の歴史的檢討が十分になされなければならない。 補注二 男系男子が皇位を繼承する「皇室傳統」は、現行憲法の定める男女平等原則に背馳するものではない。この事は政府が從來繰返し確認してきたところである。 二、「男系による繼承」の原則を遵守するためには、皇位繼承基盤となる一定規模の宮家の確保が必須である。そのために、舊皇族の皇籍復歸、或いは舊皇族男系男子子孫の天皇乃至現皇族への「養子」を可能にする方途が先づ檢討さるべきである。 補注一 此處に云ふ舊皇族とは敗戰直後の米軍による占領政策の結果として臣籍降下を餘儀なくされた方々であり、本來なら現在でもなほ皇族であり得たはずの方々である。この認識からすれば、この案は決して時代逆行の着想ではなく、むしろ今日切に求められてゐる占領後遺症克服の一環として位置づけるのが正當である。 補注二 以上の認識からすれば舊皇族全家の皇籍復歸が論理上自然であるが、現實の配慮からして、特定の舊皇族男系男子子孫に限つて天皇乃至現皇族への「養子」を容認することでそれを圖るのが無理のない選擇と思はれる。 補注三 現皇族各家には何れにも男子の繼承者が居られず、このままでは宮家の全てが斷えてしまふ恐れが大きい。この現實から見て現存の宮家を將來に亙つて存續せしめるための對策は不可缺の要請となる。そのためにも、上記の「皇族における養子制度容認」の檢討は喫緊の課題である。 三、女性皇族による「宮家の繼承乃至創設」を認める事も宮家確保の一方途であるが、その場合、「男系による繼承」の原則を遵守する立場から、差當り「女性皇族の配偶者が舊皇族の男系男子子孫である場合は」との前提條件を付すのが適當であると考へる。 補注一 「女性宮家」の創設は「女系繼承」の容認と等しい意味を有する。從つて皇位の「男系繼承」原則の變更に準ずる重大事項である。 四、天皇乃至皇族の「養子」となられた男子の皇位繼承順位、及び前項の「女性宮家」が成立した場合の女性皇族(及びその子)の皇位繼承順位については、考慮すべき樣々の事情の介在が豫想される。仍て今後とも、可能な限りの蓋然性を想定し、檢討した上で法制化の手續に入るべきである。 五、報道されてゐる政府の改正案の最大の難點は「男系繼承」の大原則を遵守する姿勢の稀薄なことである。更にこの案では現行の「永世皇族制」の廢止が檢討されてゐる由である。これは今日の皇位繼承の危機發生の原因と經緯とを全く忘却した發想であり、容認し得るところではない。我々は財政上の問題を無視するものではないが、今論ずべきは如何にして男系子孫をお持ちになり得る宮家の數を維持、むしろ増強すべきか、の問題なのである。皇位繼承の基盤を鞏固ならしめるために、この點こそが緊急不可缺の論題なることを、當路の責任者の方々は熟と認識せられたい。(平成十七年一月十日) 平成十七年 十一月二十二日 キューバ「神々の舞踏」を聴きながら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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(2005年11月23日 15時33分01秒)
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