川村けんとの「いい加減にします!」

2007/01/28(日)11:43

旧皇族の直孫が女系天皇問題を語る 一

歴史 傳統 文化(331)

 今日は旧暦一月二十二日、雨水。睦月、土脉潤い起こる。  本日から四回に渡って「正論」平成十八年二月号、竹田恒泰氏の「旧皇族の直孫が女系天皇問題を語る」をご紹介する。法隆寺の譬えは解りやすい。 「旧皇族の直孫が女系天皇問題を語る」 旧竹田宮家直孫●竹田恒泰 恒徳王の姿から多くを学んだ  ─皇族のご家系であることは。  竹田 幼少時から皇族方にお目にかかる機会がありました。皇族方の周りには普通にはない特殊な空気が流れています。白髪のご年配の方が尊敬されてお辞儀されるというのは分かりやすいのですが、若い方が、さらに目上の方から大変丁重に扱われるのは皇族にしかない雰囲気です。そういう独特な空気を幼いころから感じています。  父や祖父から説教された記憶はないんですが、家や名前を大切にして他人様ひとさまに迷惑をかけないようにという教育は受けてきました。  ─どんな場面でしょう。お祖父さまというのは「スポーツの宮さま」と親しまれた故竹田宮恒徳王たけだのみやつねよしおうですね。  竹田 今回の著書(『語られなかった皇族たちの真実』小学館)にも書きましたが、小学校二年生のころ、自宅の建て替えのために一年間ほど祖父の家に預けられたことがあるんです。祖父と宿題をしていたときのことです。名前を乱れた字で書きましたら、祖父は平手を机に叩きつけ、いきなり立ち上がって宿題を破り捨てたんです。「自分の名前を粗末にするな!」と怒鳴られました。当時は分からなかったのですが、今思えば大変深い意味があることだなというふうに思います。それ以降、自分の名は気を入れて書くようにしています。  ─お父さまも同様の方針で。  竹田 父は皇籍離脱後に生まれましたが、父の兄らは誕生後に離脱し、元皇族の世代です。 私たちとは、育った環境の違いは大きなものがあると思います。今回のような本は、私の世代で初めて書けるようなものなんです。皇籍離脱後も皇室に緑ゆかりのある公職についた方もおられ、伊勢神宮の大宮司は北白川道久さん、神社本庁の統理は久邇くに邦昭さんです。しかし父の世代の著作は聞きません。もう一つ上、祖父の世代ですと歴史を刻まなければと何人か─東久邇さん、開院さん、私の祖父も何冊か著した例があります。その世代の違いというのはかなり大きなものがあるんではないかと思います。  ─いとこ同士ではいかがでしょう。  竹田 話すことはあります。ただ私はたまたま(明治天皇の父)孝明天皇を研究する中で皇統史を自然に学びましたが、そうでもなければ旧皇族の子孫でも歴史に明るい人ばかりではありません。 例えば私の弟は普通に会社勤め(TBSスポーツ局)をしていますので、とらえ方も違います。  ─弟さんは何と。  竹田 何と言うこともありませんが、こんな大きな問題に発展すると思っていなかったようで驚いております(笑い)。 二千年の伝統を守りたいのです  ─平成十八年、いよいよ皇室典範改正の国会審議が始まります。小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」報告をどうご覧になりましたか。  竹田 女性天皇は歴史的にも先例があり、今の状況から考えても許されると思いますが、女系ヽヽ天皇に関しては二千年以上一度も先例がないわけです。 もし女系天皇を認めるというのであれば、それなりの衆議を尽くした上でならともかく、わずか三十時間の短い時間で、この二千年の伝統を打ち破ってしまうのは果たしていいものだろうかという危機感というか、警戒感を抱いています。  女性天皇を立てたら、断絶の危機が乗り越えられるかというと、そうではありません。  いままで八方十代の女性天皇がありましたが、断絶の危機にあって女性が天皇になった例は一度もないんです。むしろ後継候補が多くて、争いを回避するために女性が天皇になりました。もしくは皇子が幼かったり、誕生間近だったりして、あくまでも中継ぎを大前提とした上で女性天皇が立ってるわけです。  あくまでも男系継承を守るための女性天皇であれば歴史的にも先例のあることですが、その先の女系天皇となりますと、これは二千年の歴史に先例が一つもないのです。  皇族方のご意思がいかがなものか、よく話題になりますが、必ずしも一致していないのではないでしょうか。私が思いますのは、百二十五代にわたつて二千年間ずっと積み上げてきた慣習があるわけで、それを最重視すべきではないかなということを感じています。  ─万世一系、つまり男系で二千年間天皇を戴いてきた意義というものを広く国民に伝えるには。  竹田 それはもう明解です。二千年間続いた伝統である、それだけです。いろいろな理由はありますが、もはや、二千年続いてきたということなんです。男系継承は本来難しいことで、どの国の王朝でも何百年も男系継承している例はありません。その大変なものを、二千年以上、何度も危機に直面しながら大切に繋いできた。繋いだのであれば、守らなくてはいけない、それだけです。  女性継承を認めたなら、皇室は間もなく天皇の配偶者の姓によりいくつかの系統に分かれてしまうなどさまざまな理由は本の中に書きました。しかしもはや理由よりも、二千年続いたという厳然たる事実です。  例えば、世界最古の木造建築、法隆寺を保存すべきだという認識は皆さんあると思います。なぜ保存をすべきなのか。理由は一つ、最古だからです。それだけでも十分に保存する意味があるわけです。保存によって学問的にどういう価値があるのか特段の説明はいたしません。法隆寺の保存は、世界最古の木造建築が日本にあることがすでに奇跡で、それが現存してることが奇跡で、それを守ろうという話であると思います。  法隆寺が古くなったからと鉄筋コンクリートに建て替えたとしましょう。それはもはや法隆寺ではないわけです。鉄筋がいけないのではなく、法隆寺に鉄筋がふさわしくないわけです。  それと同じように、日本の天皇家というのは、男系により継承されてきた世界最古の家柄なのです。どうして女系ではなく男系なんですかというのは、何と言いましょうか、どうしてコンクリはダメなんですか、あんなに立派なのにということと少し似ている気が致します。良い悪いではなく─いや、鉄筋には良いところがたくさんありますが、ただ法隆寺にはふさわしくないという話なのです。女系も、欧州の王室は女系でして、その文化について申し上げているわけではないのです。  ただ、日本の皇室には二千年間に一例も女系天皇が即位した例はないということなのです。百二十五代、父方の血筋で結ばれてきた天皇が連綿と続いてきたのです。  やはり私たちは歴史を大切にしなくてはいけません。日本が世界に誇れるものは歴史であり、文化です。経済力でも軍事力でもなく文化なんですよね。先人たちが本気で守ってきたものを守らなければいけません。  現状に臨機応変に対応しながらもやはり歴史には敬意を表し、大切にする姿勢を持たなければ、次の世代が歴史なんかどうでもいいという政治を常に行うようになる可能性もあるわけです。一事が万事で、これはもう皇室だけの問題ではありません。歴史を軽んじるようなことになるのを恐れています。  (続く)  愛子内親王殿下は男系なので、民間男子との間に設けられた御子様は「女系」ではなく「片系」という事になる。               男 ┌─女…片系女子               ├─┤             ┌─女 └─男…片系男子             │ (神武天皇)    女 │ 女 ┌─女…男系女子           ├─┤ ├─┤ 神倭伊波礼毘古命 ┌男 └─男 └─男…男系男子    │     │    │    │     │    │ ┌─男…双系男子    ├─────┤    ├─┤    │     │    │ └─女…双系女子    │     │    │ 多多良伊須気余理 └女 ┌─女 ┌─女…女系女子           ├─┤ ├─┤           男 │ 男 └─男…女系男子             │             └─男 ┌─女…片系女子               ├─┤               女 └─男…片系男子  このたびの「女系天皇問題」に関して政府に言いたい事のある方は左記より。   内閣官房「ご意見募集」   首相官邸「ご意見募集」   宮内庁メールアドレス 平成十八年 二月十九日  ザ・ミーターズ「ジャングル男」を聴きながら コメント・トラックバックは予告無しに削除する場合があります。あらかじめご了承下さい。

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