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テーマ:皇室 三(37)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
旧暦六月五日。水無月、菖蒲花咲く。 本日は「正論」平成十八年三月号に掲載された寛仁親王殿下の「いま申し上げて置きたいこと」から五回目。 (続き) かつては想像もできなかった事態 ─ 昭和天皇は戦後の十一宮家の臣籍降下の時に、随分反対されたようですね。あれから約六十年たって、ある意味、今日の事態は予想されたようにも思えます。 寛仁親王 正直言いまして二十六年前結婚した頃は、このような状態になるとは想像もしませんでしたね。だって、皇太子さまも秋篠宮さまも健康でいらしたから、次々と男子がお生まれになると思っていました。 私達は傍系だと判っていましたから、娘が二人で、満足していました。男系は万々歳だと思っていたのです。私のみならず、誰も予想しなかったでしょうね。私の弟達もいましたし。 十一宮家の臣籍降下については、当時、陛下が全員をお呼びになって、「誠に残念な事態になった」とおっしゃって、当時の宮内府次長が、万が一の時のために復帰の事をお考えになって身を謹んで頂きたいというような事を話したそうです。だからそういう方策があるという事を声を大にして言って置きたいですね。 ─ 十一宮家の方々と最近、お会いになった時に、今回の問題について、お話をされることもあるんですか。 寛仁親王 最近、神社本庁の統理をなさっている久邇邦昭さんにお目に掛かった時に、「神社本庁、しっかりして下さい」と言ったのです。 神社本庁はすでに総長名で二度、慎重審議を求める申し入れを官房長官にしていますから、頑張って下さいよと言った訳です。 でも、久邇さんも困っておられましたけど、メディアが「コメントを出せ、出せ」とひっきりなしに言ってくるそうです。でも久邇さんも当事者の一人だから御自分では言えないでしょう。神社本庁の統理としては言いたい事はあっても、久邇邦昭さんとしては言えない訳です。「コメントを出せば、まるで自分が皇族に戻りたいように思われてしまう。自分はそんな気はないのに」と話しておられました。 他の(旧皇族の)方々もおっしゃれないですよね。当事者ですから。私だってそうですよ。指示をしている訳ではなくて、「考えて下さい」と提案しているだけですから。それを判断するのは私じゃなくて、皆さんなのです。 ─ でも、「火中のクリを拾う覚悟」で殿下が発言された事に対し、有識者会議の吉川座長が「どうってことない」という発言をしましたね。 寛仁親王 「その言い方はないでしょう」と思いましたけど、有識者会議の機構や人選については政治マターですから、何も言わない事にしています。ただ、ロボット工学の専門家だから、人間の言葉が判らないのかなと(笑い)。敬語とか丁寧語がね。「ありがたく拝聴しておきます」というように言っておけば、何の問題も起きないと思いますが。 ─ 殿下が提案されている選択肢のうち、あえて順位をつけるとすると、どの案がベストでしょうか。 寛仁親王 (現在の皇室の家系につながる)開院宮家は、江戸時代に新井白石の提案によって創設されました。 いわゆる「血のファーム」を残して置く、という意味ですね。白石は本当に良い提案をしてくれたと思います。 私の提案はエッセーなどに書いた通り色々な選択肢がありますが、まず二段階あると思います。単純に旧皇族方(戦後、臣籍降下した十一宮家)に皇籍復帰して頂くというやり方もあるし、祭祀をお祭り頂くために、秩父宮家、高松宮家を継いで頂く、という方法もあります。 そのあたりのことは歴史学者や法律学者が真剣に議論して下さいという事なのです。私達、素人には言えませんから。でも大雑把に言えば、養子縁組と一般的な皇籍復帰と祭祀を続けて頂くための皇籍復帰と、いくつかの方法があるでしょう。 父親としては困る話 ─ 殿下の二人のお嬢さま方も当事者になります。 寛仁親王 うちの娘達(彬子女王、瑶子女王)が一番、適齢期に当たる訳ですよ(二十四歳、二十二歳)。これは、私個人としてはえらく困る話です。父親としてはね。というのも、いずれ臣籍降下するという前提に立って、社会に放り出された時に大丈夫なように、死に物狂いで育ててきた訳ですから。 学校への通学も、両親が私にした教育方針と同じように、中学からは電車で(小学校は徒歩通学)通わせました。また私がグリーン車に乗る時も、娘達は普通車にとか、全部区別をして、一般人として生活が出来るようにしたつもりです。(イギリス留学中の)長女は寮で自炊生活をしています。だから、「いまさら皇族に残れよ」というのは父親としては言いづらいですね。ただ、法律が決まってしまえばそれに従わざるを得ませんけどね。 ─ そのことで、お嬢さま方とお話をされることはよくあるのでしょうか。 寛仁親王 それは、もう何回もしています。 ─ お嬢さま方にとっても、やはり困る話ですか。 寛仁親王 当然ですよ。「私達はそんなつもりで生きてきたのじゃない」と言っていますよ。私の意見と同じようにね。 ただ、今回の答申を細かく読めば、対象はあくまで内親王さまにしているようですね。女王たちは皇室会議の議をへて、臣籍降下をする事も出来るような書き方をしているようですから、うちや高円宮の所(三人の女王)は考えていないのかな、とは思いますけどね。 ─ では、法律が変わる前に結婚された方がいいかもしれませんね。 寛仁親王 そうですね。二人とも結構もてますから(笑い)。 (続く) 【神社本庁】 皇室典範改正に関する神社本庁の基本的な姿勢について 愛子内親王殿下は男系女子なので、民間男子との間に設けら れた御子様は「女系」でも「男系」でもない。 男 ┌─女…雑系女子 ├─┤ ┌─女 └─男…雑系男子 男 ┌─女…雑系女子 │ ├─────┤ (神武天皇) 女 │ 女 ┌─女…男系女子=愛子内親王 └─男…雑系男子 ├─┤ ├─┤ 神倭伊波礼毘古命 ┌─男 └─男 └─男…男系男子 │ │ │ │ │ │ ┌─男…双系男子 ├─────┤ ├─┤ │ │ │ └─女…双系女子 │ │ │ 多多良伊須気余理 └─女 ┌─女 ┌─女…女系女子 ├─┤ ├─┤ 男 │ 男 └─男…女系男子 │ └─男 ┌─女…雑系女子 ├─┤ 女 └─男…雑系男子 従って今次の皇室典範改正問題の論点は「女系天皇を容認す るか否か」ではなく「男系天皇を放棄するか否か」である。 平成十八年 七月一日 フォーリーブス「墓碑銘」を聴きながら 現在某所よりスパム攻撃を受けているためコメントと掲示板の書き込みを一部制限しています。ご了承下さい。トラックバックは受け付けています。
最終更新日
2007年01月28日 12時45分19秒
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