テーマ:大東亜戦争 二(19)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
旧暦七月十五日、盂蘭盆会。文月、ひぐらし鳴く。 「日本人の品格」より 第一部 通史の中の自決を読む 「父よ、あなたは強かった!」 『小説太平洋戦争』(山岡荘八著・講談社山岡荘八文庫)を一貫して流れる主潮は、かの大戦で散華した三百万英霊の苛烈な戦いがあったればこそ、戦後日本の奇蹟の繁栄がもたらされたとするものである。 「三百万を超える有名無名の戦死者の悲痛な祈りが、生き残った人々の心に、同胞愛、祖国愛の火を燃やしつづけ、とにかく今日の復興をもたらしたものと私は信じている」 そして山岡は、かの大戦を白色人種に対する有色人種の人種差別撤廃戦争として捉えている。 「有色人種中唯一の近代国家として二十世紀に生き残っていた『大日本帝国─』が、その当時の文明の最大汚点であった人種差別観という人間不平等の悪慣行に、ついに怒りを誘発させられて起ちあがった」 確かにいろいろな問題を含みつつも、かの大戦は、結果的にみれば、欧米帝国主義のアジア侵略、アジア植民地化に対するアジア民族解放戦争とみなすこともできる。日本軍将兵は、欧 米帝国主義の魔手からアジアを守り、東洋平和のために「大東亜共栄圏」を建設するという大義のもとに聖戦を戦ったのである。 だがそのために日本は、三百万もの人命を捧げるという大犠牲を余儀なくされた。結果として日本は敗れたが、アジアは欧米帝国主義から解放された。世界史の長いスパンでみれば、はたして日本が真に敗北したのかどうか、今の時点ではわからない。事実、現在ではアジア諸国は欧米のいかなる国よりも経済成長率が高く、日本も世界有数の国力を持つに至っているのである。 山岡は、この功はかの大戦を命がけで戦った多くの無名戦士にあるとみて、こう記す。 「『─父よ、あなたは強かった!』 それは戦時中の軍歌の一節ながら、白欧文明に圧迫され続けた有色人種の、歴史の転機に際会して、否応なく引き出された戦場での無名戦士の哀しさを語り尽くして余りある一句であったと思う。それにしても何と高価な犠牲であったことか。この一戦だけで大西洋を除くほとんどすべての海域に、日本人はいまだにその遺骨を打ち捨てられたままになっている」 山岡は、かの大戦で散華した三百万の英霊に深い哀悼の意を表するとともに、終戦時に自決した多くの人々の赤誠を、戦後日本の奇蹟的な復興の礎石とみている。 「今日改めて振り返ってみるまでもなく、日本人の精神の内側にあった『神国─』は今日といえども自決した人々のこころと密着して残っている。天壌無窮も真実ならば、神風も儼存した。少しく日本人的な我田引水を許して貰うならば、陛下のご 聖断によって、大東亜戦争などという聖旨に添わない倣慢な戦の矛を納めた時に、はじめて日本の頭上に神風は吹きだしたのだと云える」 日本の敗戦後、アジア諸国は、次々と独立していった。日本があのとき起ちあがらなければ、この奇蹟は絶対に起こらなかった。この事実を否定することは誰にもできない。日本の決起によって白人君臨の世は終わり、アジア諸国は、欧米帝国主義の植民地であることから解放されたのである。山岡はつづける。 「これ以上の神風はなかったと、私は今でもしみじみとこの奇蹟の前に頭を垂れる。私は日本人として、『大東亜戦争』の名称をそのまま軽率に肯定することはできない。日本人が聖旨にさからって突入した節があるからだ。しかし、万民の『天皇陛 下万歳!』の声がその不遜な逸脱を清め、国体護持のために流した赤子たちの自決の血潮がさらにこれを清めて、結果としてはわが国体の理想に近い、人種平等の世界に近づく端緒になったと思っている」 わが国体とは、天皇のもとにすべての人民は平等であるとする一君万民体制である。この国体が護持されるかぎり、人種差別等のあらゆる差別は解消されると山岡はみる。そして山岡は、かの大戦の意義をつぎのように説き明かす。 「すなわち、それ(人種平等の世界の実現)を予期して戦ったのだと云っては傲慢にすぎるところがあるが、われわれが夢中で不平等な人種的偏見の上に組み立てられた旧秩序に、挺身反抗している間に、ついに神風がこれを助けてくれることになったと敬虔に受け取りたい。神風という言葉の内包するものは迷 信では断じてない。どこまでも合理のきわみの自然と誠実の合一をめざす『心─』の力なのだ」 山岡は、敗戦によって崩壊したのは、天皇機関説式の近代国家としての大日本帝国であって、逆に敗戦により、伝統の神国日本が見事に甦生したとみている。そして、この新国家日本が世界平和を実現する強力な原動力になるとみて、こう記す。 「この超国家の神国日本の実在は、対立したまま窒息しそうな今の世界では、ただ一つポカリと青空をのぞかせ、世界連邦への夢の通い路をなして注目を浴びている。それらが今日もなお、東洋を知ろうとする人々の関心をいやが上にも煽っている原因なのだが、それは後のこととして、こうなることを確信して現し身を供えていった終戦時の自決者は、戦場での壮烈な散華者と等しく……いや、それ以上に、日本的道義の殉教者とし て、われら後人の前に姿を現わし、生命の永遠を語りかけていると思う」 このように山岡は、自決者を「日本的道義の殉教者」として捉えている。これはまさに卓見で、戦後の混乱と道義の退廃から日本を救った最大の精神的遺産が、あまたの自決者の純粋かつ清冽な祖国愛、同胞愛であったことは疑いない。 ミッドウェー海戦 「艦と運命をともにする」 東部ニューギニア戦「彼らの遺族に合わせる顔があるまい」 サイパン戦 「生き恥はさらしません」 硫黄島戦 「最善を尽くして戦うだけだ」 慶良間列島戦 「敵に屈伏などするものか!」 大和海上特攻 「おれの体を羅針儀の台にしばれ」 沖縄戦 「人と生まれし甲斐ぞありけり」 終戦時一 「自決は誠実なモラルである」 終戦時二 「自決は永遠の生命を生きることである」 平成廿年 八月十五日 エマーソン、レイク&パーマー「聖像破壞者」を聽き乍ら 愛子内親王殿下は男系女子なので、民間男子との間に設けられた御子様は「女系」でも「男系」でもない。 男┌女…雜系女子 ├┤ ┌女└男…雜系男子 男 ┌女…雜系女子 │ ├────┤ (神武天皇) 女│女┌女…男系女子=愛子内親王└男…雜系男子 ├┤├┤ 神倭伊波禮毘古命┌男└男└男…男系男子=悠仁親王 ┌女…男系女子 │ │ │ ├────┤ │ │ │┌男…雙系男子 女 └男…男系男子 ├────┤ ├┤ │ │ │└女…雙系女子 │ │ │ 多多良伊須氣餘理└女┌女┌女…女系女子 ├┤├┤ 男│男└男…女系男子 │ └男┌女…雜系女子 ├┤ 女└男…雜系男子 從つて今次の皇室典範改正問題の論點は「女系天皇を容認するか否か」ではなく「男系天皇を放棄するか否か」である。 コメント・トラックバックは豫告無しに削除する場合があります。あらかじめご了承下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年08月21日 00時14分52秒
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