カテゴリ:カヤック
ツーリング二日目となる、日曜日の朝。 今日は、桜江町からゴールとなる河口の江津市まで漕ぐ予定。
他の人たちが起き出した音を合図にテントから這い出すと、ひんやりと涼しい秋の空気。 天気予報通り空は曇っていたが、風もなく、漕ぐには良い状況だ。 ゴールまでの距離は、十数キロ程度しかないので、朝食を食べ、昨日起こった様々なエピソードを話し合いながら、ゆっくりとコーヒーを楽しむ。 近くに、朝早くから釣りをしていた人が居たので、浅瀬を渡って『どうですか?』と話しかけてみた。 すると、『だめだ、あんまり釣れん』とのこと。 『あんたらはあのフネで川下りか?』、『昨日はここで寝たのか?』、『あんたらも好きじゃのー』と言われた。 私たちから見たら、朝5時過ぎからずっと竿を振り続けているおじさん達の方が『ほんまに好きじゃのー』なのだが! まあ、お互い様か。 また、このおじさんたちの釣りは、エサなしで、おもりと複数の針の付いた仕掛けで鮎を引っ掛けるという、ある意味原始的な方法だ。 こんな仕掛けで鮎が釣れるのだからすごい。 機会があれば、体験してみたいものだ。 装備を片付け、10時過ぎには川に漕ぎ出した。 空は晴れて来た。 気温も上がり、スカノラックを脱いで半袖姿で漕ぐ。 もう秋なので、今日は瀬で『鮭』を探しましょう、ということになった。 地元の人以外にはあまり知られていないのだが、この江の川には、秋になると鮭が遡上するのだ。 カヌーの里では、昔から鮭を見に行くツーリングをやっていて、私も時々通ったものだ。 ガイドの人も、今年はまだ見ていないという事なので、ぜひ見つけよう。 とろ場では、おだやかな川面に、紅葉の始まった山の姿が映り、なんとも言えず美しい景色だ。 あー、本当に川下りって気持ちいいな。 最近は海ばかりに出ていたが、これからは、昔のようにもっと川にも行こうと決めた。 川を下っていると、川漁師さんが使う川船が所々につながれている。 瀬を登ったり、下ったりする事も有るため、全体的に細身で長く、バウは尖っており、シーカヤックとの関係を感じさせるようなデザインだ。 途中、川幅ほぼいっぱいの浅瀬になっているところがあり、そこに近づくと、瀬の登り口でバシャバシャとなにかが水を跳ね上げているのが見えた。 ガイドの人に、『あれは鮭じゃないですかねー』と伝え、瀬を下って行くと、いくつも特徴のある大きな背びれが見えた。 あーっ、やっぱり鮭だ!! 今年も帰ってきたのだ。 そうかそうか、良かったよかった。 その後、遡上を邪魔しないよう、川岸に着けてしばし観察し、しずかにその瀬を後にする。 午後になると、向かい風がでてくるので、午前中にがんばって行ける所まで行きましょうとのガイドの人の提案で、時折休憩しながらも、たんたんと漕ぎ進む。 昼前には、最後のカーブを曲がり、河口の町、江津が見えてきた。 もう、波の影響が川面に現れ、少しだが波打っている。 水も少し塩辛い。 休日のハゼ釣りを楽しんでいる家族連れと挨拶を交わしながら、鉄橋や橋をくぐり抜け、12時半過ぎには、河口近くの川岸に上陸した。 『お疲れさまでしたー』。 無事ゴール!!! 川本町から40km弱。 一泊二日でゆっくりと楽しむができる、なかなか良いルートだ。 さあ、昼飯を食べましょう、ということでガイドの人が2バーナーで食事の準備をしていると、次第に空が暗くなり、風が出てきた。 なんだかあやしいということで、スカノラックを着込むと、もう雨がポツポツと落ち始めている。 と、思っていると、急に風が強くなり、雨も横殴りになった。 これはミニ嵐だ。 カヤックとカヌーの間にタープを張って避難するが、タープはバタバタと風に煽られ、カヌーは強風で飛ばされそうになるので、人間が座って重しになる。 もう30分上陸が遅かったら、ゴールにたどり着けなかっただろうし、それよりも命からがらになっていたかも。 運が良かった。 また、午後になると風がでるからと(こんな嵐のような風ではなく、毎日昼から吹く河口からの風の事なのだが)、ガイドの人の良い判断があったことも、この幸運を招いた一因であろう。 小一時間もすると、雨も風も落ち着いた。 こんなハプニングも、後々忘れられない、良い思い出と経験になるものだ。 海でも、こんな天候の急変があるものだ、気をつけよう。 千原温泉から始まった、先週末の3連休。 またもや最高の週末であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[カヤック] カテゴリの最新記事
|