2007/05/26(土)19:47
瀬戸内 シーカヤック日記: ホクレア号、広島来航記念講演会
今日は午後から、広島市こども文化科学館で、ホクレア号広島来航記念講演会が開かれる。
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午後1時半過ぎ、ホクレア号のクルー達も何人か同席して、講演会が始まった。
スクリーンに写真が投影され、ナイノアが話しはじめる。
ハワイの歴史、ホクレアが建造されるに至った経緯、ホクレアを語る上で忘れる事のできない大切な人々。
ホクレアの成功と失敗、そして再チャレンジに至った経緯。
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ナイノアの父は、『ビジョンを持つ事の大切さ』を切々と説いたという。 『行き先を見定めることが大切なのだ』 『これはいったい、だれのための旅路なのか』
『航海の始まりは、出港の時ではない。 航海のビジョンを持った時が、その始まりなのだ』
『同じビジョン、共通の価値観を持つ事が大切だ。 妥協してはいけない。 同じビジョンを共有する事で、コミュニティが形作られるのだ』
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今回の航海は、 Ku Holo Mau.(マウ師への航海)と Ku Holo La Komohana.(西の太陽への航海)の二つで成り立っている事も話された。
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ミクロネシアまでの航海をチャドさんが、その後の日本への航海はカナコさんが、スライドを使いながら説明する。
『One Ocean, One People!』 『夢を持つ事、ビジョンを持つ事の大切さ。 そして、それを形にして行く事』 『自分たちにできることは何でしょうか?』
『ホクレアは、タイトなスケジュールの中で、各地を風のように吹き抜けることしかできません。 しかし皆さんには、大きな帆を張って、その風を受け止めてもらいたいと思います』
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『今回実際に来るまでは、日本は近代化された、人工的な都市のある国だというイメージを持っていましたが、実際に各地を航海してみると、日本は自然が残り、とても美しい国です』
『世界でも有数の美しい景色が残っている国だと思います。 平群島、沖家室島、そして宮島。 いずれも素晴らしい場所でした』
『ご質問のように、もしも日本の伝統文化が徐々に失われつつあるとしたら、そして子供達に様々な問題が生じ始めているとしたら、日本の持っている大切な価値とのコネクションを、彼らが失いつつあると言えるのではないでしょうか』
ナイノアの、飾らない、率直でかつ熱いコメントが、聴く人の心を揺さぶる。 ナイノアが語り終えると、自然に拍手が起こった。
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本で読むのとはまったく違う、深い感銘。 やはり来て良かった!
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ホクレアがはるばるハワイから運んで来た風。 この風を精一杯受け止めて、自分ができること、やるべきことを、再び考え直す機会を与えてくれたことに感謝したい。