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今日も他人事

ジェラール帝

・ジェラール

『私自身も驚いているのだ。自分の力に。これからもともに戦ってくれ』

諡号は光輝帝。伝承法を実践したレオン帝の第二皇子にあたる。

誰に対しても平等に接する心優しい性格の持ち主であり、武芸よりも学問に通じていた。

温和な性格から、周囲からは軟弱な太子と目されており、ジェラール自身もそれを認めていたが、心の奥では忸怩たる思いを拭えなかった。

特に武人として名高い兄ヴィクトールに対しては尊敬の念と引け目を同時に感じており、古代の伝説に伝わっている冥界の法術について強い憧れを抱いている。

バレンヌ帝国の再興に燃えるレオン帝は、この二人目の息子の性格と風評に危機感を抱いており、若きジェラールを自らの騎士団に加え、近隣の魔物討伐に伴った。

誠実なジェラールは不慣れな戦いにも文句一つ言わず付き従ったが、大きな成果を挙げることは叶わなかった。

彼の転機となったのはクジンシーによるアバロン侵攻であった。

失われた冥界の力を操る七英雄クジンシーは、秘術ソウルスティールによってヴィクトールとレオンを冷酷に殺害した。

だが、レオンはクジンシーに挑むにあたり、七英雄の危険性を警告する魔道士オアイーブから伝承の秘法を伝授されていた。

伝承法によってソウルスティールの見切りとレオンの技と力を受け継いだジェラールは、自分の体から湧き出てくる新たな力に大きな戸惑いを感じながらも自らの運命を受け入れ、皇帝の座に就く。

このレオン帝の急死とジェラールの皇帝就任は、バレンヌ国民の大きな不安を煽り、傭兵隊長のヘクターを初め多くの人間がこの新たな皇帝に疑問の目を向けた。

だが、直後に帝都アバロンを襲ったゴブリンの群れを一掃し、その首領であるキングを仕留めたことでジェラールは自らの力を内外に示すことに成功した。

そして、父レオンから受け継いだ騎士団を再編し、昔からの知己である宮廷魔術師エメラルドを仲間に加えると、ソーモンへと侵攻してクジンシーと対決し、父と兄の仇討ちを見事に果たしたのである。

七英雄の一人を打ち倒したことでジェラール帝の名は内外に広く知れ渡ることとなった。

一年後、レオン死後の混乱を納めることに成功したジェラールは騎士団を伴って南バレンヌへと向かい、宝石鉱山を解放して帝国財源を確保し、ニーベルの近隣住民を脅かしていた魔物を一掃し帝国の名声を響かせたのである。

この時、南バレンヌ一帯で名を馳せていた格闘家の長ザ・ドラゴンが格闘家の面子を守るために皇帝に一騎討ちを申し込んできた。

ジェラールはこの申し出を受け入れ、怒りを剥き出しにしたザ・ドラゴンの強烈な蹴りを盾で受け止めると、剣を一閃し、この格闘家の長に勝利を収めながらも、彼の不屈の闘争心に敬意を評するのだった。

次にジェラールが着手したのは南バレンヌのヴィクトール運河に築かれた運河要塞の攻略であった。

この難攻不落の要塞は、七英雄の一人ボクオーンによって築かれたとされており、腹心の部下であるヴァイカーが指揮官として駐在していた。

強固な防壁と厳重な警備体制によって内外いずれの脅威にも対抗できるように構築された運河要塞は、周辺の水運・海運に多大な被害を与えており、ソーモンの交易路を事実上、機能できなくさせていた。

帝国の繁栄に関わる大きな問題を解決すべく、ジェラールは要塞の攻略を試みたが、成功にはつながらなかった。

一度は水路を発見して要塞内部に潜入を果たしたが、迷路のように入り組んだ複雑な内部構造と大量の警備兵に阻まれ、命からがら要塞から脱出することしかできずに終わっている。

この失敗から、ジェラールは要塞内部の精密な情報を入手しなければ要塞攻略を成し遂げることは不可能であると考えるようになった。

奇しくも、帝都アバロンでは商人を初めとする金持ちだけを狙った泥棒騒ぎが横行しており、帝国内部でも問題視されていた。

アバロンの地下ではシーフギルドが古くから活動していることが囁かれていた。

歴代のバレンヌ皇帝の誰一人としてこの問題の解決を成し遂げることはできなかったが、それは同時に、シーフギルドの持つ能力が極めて高いことを示していたのである。

ジェラールはこの泥棒事件を通じてシーフギルドとの接触の可能性に賭け、泥棒事件の解決に自ら乗り出た。

ある夜、アバロンの市街の屋上を駆け回る人影を見つけたジェラールは街を騒がす女盗賊キャットの隠れ家を突き止めることに成功するも、俊敏な彼女を取り逃がしてしまう。

追跡したジェラールは屋上の一角で闇夜に潜む魔物に傷を負わされ、追い詰められているキャットを発見し、彼女の命を救った。

その結果、ジェラールは泥棒事件を解決しただけでなく、優秀な女盗賊の忠義と地下に潜伏するシーフギルドの協力を手に入れることに成功したのである。

キャットの手引きにより運河要塞の詳細な情報と外につながる地下通路の存在を知ったジェラールは騎士団を率いて要塞内部に侵入し、指揮官のヴァイカーを打ち倒すのであった。

交易を阻害していたこの巨大建築物を破壊したことで、バレンヌ帝国とジェラール帝の名は広く知れ渡ることとなった。

これにより、南バレンヌ地方が併合され、バレンヌ帝国は全盛期の領土を取り戻すことに成功したのである。

そして、この偉業を成し遂げ、アバロンへと帰還したジェラールは、配下のエメラルドに求愛し、自らの妃として迎え入れたのであった。


・エメラルド

宮廷魔道士。ジェラールとは幼馴染にあたり、皇子という立場と自らの非力さに苦悩するジェラールが自らの思いを吐露できる唯一の女性でもあった。

この時代において魔道士とは法術に精通し、その知識の研鑽と術式の行使と伝授に努める者を指していた。

エメラルドは特に火や風の法術を得意とし、レオン帝に従事して戦いに赴くジェラールにファイアーボールの術式を伝授した。

当初は騎士団に選抜はされず、宮廷にて同僚のアリエスらとともに日々、法術の研究に励み、戦いから戻ったジェラールと互いの努力の成果について伝え合っていた。

レオン帝がクジンシーに殺害され、ジェラールが帝位に就任すると、再編された騎士団にエメラルドも加えられ、同行することとなる。

特にニーベルの町の付近に巣食っていたゼラチナマスターとの戦いでは、物理攻撃を寄せ付けないこの不定形の怪物を焼き払うことに成功している。

この旅を通じてエメラルド自身もジェラールに対して好意を寄せていったが、身分の差から自らの思いが叶うことは決してないだろうと考えていた。

彼女の想いは、南北のバレンヌ統一を果たしたジェラールからアバロン帰還直後に求愛されるという形で果たされるのだった。


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