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テーマ:田舎暮らしが好き。(19)
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町観光協会開催中の九重“夢”キャンペーン「恋活大作戦」
http://www.kujuaid.net/contents/koikatu.html ついに私も「惚れ薬」ゲット。何に使うの?と言われそうだが・・・ イベントは1月イッパイです。抽選で宿泊券のプレゼントもあります。 参加者、待ってま~す!
惚れ地蔵伝説 時は、330年もむかしの三代将軍家綱の時代のこと。幕府は、貨幣改鋳(かいちゅう)(改めて鋳造すること)のため、諸国に対して金銀銅などの採掘を大いに奨励した。 ここ山田郷の粟野村でも、江戸や大坂、はては石見国(いわみのくに)(島根県)などから山師(鉱山の採掘事業などを経営する人)が集まった。彼らは、掘り大工や後向き・ねこだ流しなどの鉱夫を使って採掘させた。 そんな場所には、決まって男の相手をする遊女屋(女郎屋)ができる。鉱石を精錬する横尾村(現九重町横尾)にも男を慰める店が数軒建った。鑿(のみ)と金槌(かなづち)だけを持って地中深くに潜り、命がけで鉱脈を探しながら掘り進んで行く男たちである。仕事を終えた後の楽しみは、お目当ての女に会うことくらいだった。 石見国(いわみのくに)から連れてこられた理由(わけ)ありげな巳乃吉もその一人である。モグラの世界から解放されて、大空のお天道さんを拝んだあとは、おりんが働く筑前屋に急いだ。 店に着くと婆さんが出てきて、「おりんは、今日は休みだよ」と素っ気ない。「どうして?」と尋ねるが、「遊女も女だよ。いろいろあるさ」と、五月蝿(うるさ)そうに手を振って、さっさと奥に消えた。 その頃、当のおりんは玖珠川のほとりのお地蔵さんの前に膝まづいて、熱心に願いごとを唱えていた。このお地蔵さん、南北朝時代に玖珠川の河原で見つかったものだそうな。上流から流されてきなさったものらしい。そこで村では祠を建てて大切にお祭りすることになった。 実はおりんさん、連日男を相手に体を売る仕事をしているうちに、婦人病(性病)にかかってしまったのだ。この病を患うと仕事ができなくなる。それでは、生きていけない。 「神さま、どうぞ、私の体を蝕(むしば)む病魔を追い出してください」 気がつくと、後に馴染みの巳乃吉が立っていた。 「地蔵さんに何を頼んでいたんだい?」 大勢の客の中の一人に過ぎない巳乃吉に、こんな場所で関わりたくないと考えるおりんは、立ち上がると店のほうに歩き出した。 「待ってくれ。俺はお前が好きだ。嫁さんになってくれないか?」 「冗談じゃないよ。刺青(いれずみ)をしているような男なんざ真っ平ご免だね」 追いかけようとした巳乃吉が、足をとられて転んだ弾みでお地蔵さんが倒れ、石の粉が飛び散っておりんの下駄に飛んだ。すると、黒く塗った下駄が雪でも降ったように白く染まった。おりんが大口をあけて笑い転げた。そのことがあって、おりんの気持ちが急速に傾いた。 「そうは言ってもさ、私にはまだ借金が残っているし…」 おりんは、病気のことは告げずに、身請けしてくれたら一緒になることを約束した。 それから1年たって、巳乃吉が食うものも食わずに貯めた銭を持って筑前屋の暖簾(のれん)を潜った。いつかのやり手婆が相変わらずの無愛想面(ぶあいそづら)を下げて出てきた。 「残念だったね。おりんは10日前にあの世に行っちまったよ」 言うことだけ言うと、婆はまた奥に引き込んだ。 途方にくれる巳乃吉は、想い出のお地蔵さんに出向いた。 「今度ばかりは、所帯を持つために心を入れ替えようと思ったのに…」 我れを失った巳乃吉は、夢遊病者のように、濁流が渦巻く玖珠川に巻き込まれていった。 誰が伝えたのか、巳乃吉とおりんのはかない恋物語が若者たちの間に広がった。 「井手のお地蔵さんにお参りすると、重い病気も治るそうな」、「お地蔵さんの体を粉にして好きな女の下駄に振りかけると、惚れてもらえるんだって」と。 人々は、先を競って赤いおチョチョ(胸当て)を地蔵さんに供えた。好きな女を嫁にしたいと願う男は、お地蔵さんの体を削って、履いている下駄に振りかけたという。 そんなこともあって、粟野村井手のお地蔵さんのことを「惚れ地蔵」と呼ぶようになったんだと。 筑紫次郎の伝説紀行 惚れ地蔵 転載許可済 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年01月21日 18時30分57秒
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