本格ミステリと旅の写真

2005/06/09(木)16:00

『にぎやかな湾に背負われた船』・小野正嗣さん

読了本(501)

朝日新聞社・・・ 週刊朝日別冊「小説トリッパー」2001年秋季号 初出誌 1970年大分県生まれ・・東大大学院へ 土地というものを考えながら小説を書いてきた。というように、幼い頃のこの大分県の小さな湾に面した集落での記憶を織り交ぜての小説。 古くからの言い伝えや、親たちが語る戦前の事。 そして、現代の貧しい国の密航者達。   この作品をフランスで書いたとあり、フランスでも懐かしい雰囲気のする所があったり、返って望郷の念でこの作品を書かれたのかな~? この前の作品の「水に埋もれる墓」は、12回朝日新人文学賞受賞。 <あらすじは、非常に簡単に・・・> 「浦」という小さな湾に面した集落の町が舞台。 駐在の父をもつ娘の中学生が語り手(私) 湾の上には誰のものでもない船が浮かんだままだし、ミツグアザムイが浜にあるという屍体は、何処に有るのか解からない。 この船は、戦前に出港したまま帰ってこなかった「第18緑丸」 男の子たちは相変わらずにトシコ婆の家にロケット花火を打ち込んでいた。 トシコ婆には、苦難の過去が・・・ 私は、中学校で社会科を教えていた吉田先生と恋に落ちていた。

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