本格ミステリと旅の写真

2006/01/02(月)00:39

『嘆きの橋』オレン・スタインハウアー、村上博基(訳)

読了本(501)

時は1948年。 東ヨーロッパの架空の国。 南はルーマニア、西にハンガリーとチェコスロヴァキアが隣接している事になっているので、地理的にはウクライナの西側、ザカルパッチャ州あたり・・・・ 当時ナチとソ連によって寸断され、真の祖国を失ったあの周辺国なら、多かれ少なかれどこでも当てはまる<悲劇>の国家。 そんな国の首都の人民軍警察殺人捜査課に、22歳の新人刑事エミール・ブロードが配属される所から始まる。 惨殺された作曲家。 次々に変死を遂げる関係者。 黒幕は共産主義政府高官か? 事件の深層に触れた若き刑事エミールに捜査中止命令が下る。 だが彼は美しき未亡人の命を守るべく、そして徴兵忌避者の汚名を返上すべく捜査を続ける。 決死の西ベルリン潜入行が暴いた醜悪な事実とは? 。。。。。。。。。。。。。。。。 冷戦の時代のヨーロッパの暗い背景と、戦時下で育った22歳の主人公が描かれている。 同年代の現代人と比べるとはるかに「大人」として描かれている。 ヨーロッパの歴史には興味はあるけれど、ちょっと難しいかな? って思ってる方には、こういう小説の方が読みやすくて良いのではないかと思いました。 雰囲気が想像できます。。。。

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