★KAY'S BLOG★

2006/08/29(火)23:22

「幸せの青いハンカチ」

ニュースから:早実・斎藤投手の「青いハンカチ」大放出 夏の甲子園で優勝した早稲田実業の斎藤佑樹投手が愛用する青いハンカチを、斎藤投手の故郷、群馬県のスーパー「ベイシア」(本社・前橋市)が大放出。買い物客80人に抽選で贈呈する。 決勝戦の翌日、大阪市内のメーカーに発注。「類似品でもいいから」と頼んだのに本物がきてびっくり。「斎藤君は息子と同じ野球チームだった」という社員もいて、販売ではなくプレゼントすることにした。 同県伊勢崎市内の対象店で9月1日から3日間に1500円以上買い物した人が対象。「王子ファン」が殺到しそうだ。 毎日新聞 2006年8月29日 19時45分 (最終更新時間 8月29日 20時00分) *********** 「憧れのあの人と同じ…」 中年オヤジが駅のホームで汗だくの額をぬぐったハンカチはただのハンカチなのだけど、甲子園で活躍したあの斎藤選手がマウンドで汗をぬぐったハンカチならまた別物。ヒーローやアイドルが使っているものはなぜか特別の価値を持つものなのだろう。 甲子園だけとは限らないが、観衆が偶像(アイドル)を生み出すケースはこれまでにもあった。アイドルとはいつもファンによって作り出されるものだということを常々思わされる。 マス・メディアが大きく取り上げれば、それだけ人気は加速度的に上昇する。本人のみならず、本人にまつわるすべてのものが偶像化させられるというもの恐ろしいことだが真実である。 本人を一目見ようとわざわざ実家まで訪ねていくファンもきっといることだろう。今回は斎藤選手の代わりにそのハンカチまでもが偶像化されてしまった。勝利のために流す汗は無条件で美しい。その汗を拭い去るハンカチもまた美しいものに違いない。 この青いハンカチをわざわざ買う人たちは(恐らく女性が大半ではないかと思われるが)、青いハンカチを斎藤選手の分身(もしくは化身)として崇(あが)め奉(たてまつ)ろうとしているのだろう。家にある祭壇や仏壇のごとく、ひとつの信仰の形としてハンカチを自分自身が所有することで斎藤選手を神格化しようというもくろみなのだ。 「青いハンカチ=斎藤選手」という発想から、ひょっとして、自分で買った青いハンカチに頬ずりして思い出し笑いをしている女性がいたとしたら少し怖いものがあるけれど…。 思い出すのは30数年前、「平凡」や「明星(みょうじょう)」といった雑誌の付録の「天地真理のポスター」や「アグネス・チャンのピンナップ」とかを部屋の壁に張って喜んでいた時代が懐かしい(妹は西城秀樹のポスターを張っていた)。 自分と同じ人間であるはずなのに、どういうわけか神様と同じ別世界の存在という風に自分に言い聞かせてアイドルをいっそう特別な存在にしてしまう。 アイドルを持つことで自己満足することができるのはやはり人間の特権か。 青いハンカチを持つことで少しでも幸せになれるのなら救いである。

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