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カテゴリ:BOOKS
【アルジャーノンに花束を】 10月27日から11月9日は読書週間。 読書週間が始まる10月27日は「文字・活字文化の日」にもなっている。 アナログからデジタルの時代へ。メディアの種類も大幅に変わってきてしまったが、 お勧めの本を一冊...。
ダニエル・キイス著・小尾芙佐訳 チャーリー・ゴードンはパン屋の店員で32歳。 幼児の知能のまま大人になってしまった彼に ビークマン大学の精神科医ストラウス博士は、 天才に生まれ変われるという脳手術を勧める。 その申し出に大喜びのチャーリーは、連日の検査を経て手術を受けることになる。 手術は成功し、チャーリーは日に日に記憶力を高め、 今まで知らなかった外国語をたった一日で習得するほどの大天才に変わってしまった。 一方で、同じ手術を受けた白ネズミのアルジャーノンも恐るべき知能を発達させ、 チャーリーとともにストラウス博士たちの研究材料となっていた。 知能を発達させることで、チャーリーとアルジャーノンは ひと時の幸せを手にしたように見えたが、 その実彼らを待ち受けていたものは決してそのようなものではなかった...。 32歳にして思春期を経験することになったチャーリー。 戸惑い、葛藤しながらも彼が追求しつづけたものは...。 悲しい結末に涙を流したら、心が洗われる思いがする。 それは自らの精神の浄化作用なのか、 あるいはこれが「アルジャーノン・ゴードン現象」なのか? 5年前にフジテレビがドラマ化したことでも話題になった。 40年も昔に書かれた小説だが、いつ読んでも新しい。 人間にとって本当の幸せとは何か、あらためて考えさせられる。
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