ケーキの魔法使い2「大丈夫。まかせてみ」そう言って奥からカードを取り出すと、そっと四つ葉のクローバーを貼り付けました。 「ほら、特製バースデーカードの出来上がり~♪」 そう言ってカードを女の子に渡すと、 「ありがとう。お兄ちゃん」 女の子が初めて嬉しそうに笑ったので、誠もほっとしました。 (待てよ、そういやスポンジとかまだ余ってたな・・・) 「あのさ、ちょっとここで座って待っててくれるかな?」 そう言うと、店の奥から小さな椅子とテーブルを持ってきて、ショーケースの前に置き、ジュースとクッキー(店の売れ残り) も持って来ました。 「いいけど、どれ位待ってればいいの?」 「そうだなあ・・・20分位かな?せっかくだから、ママに喜んでもらえるケーキ作ろうと思ってさ」 「でも、そんなにお金無いよ・・・」 女の子は少し不安そうな顔です。 「大丈夫、大丈夫♪あ、それ飲んで食べてて、ゆっくりしてて♪」 そう言って、奥の作業場へと向かって行きました。 そして20分後・・・。 「お待たせ~」 ケーキを持って誠が戻ってきました。 「お兄ちゃん、クッキーとジュースありがとう。ママの作ったクッキーも美味しいけど、お兄ちゃんのには負けるや」 「(そりゃ一応プロだしさ)ははは。ありがとう。これ、持って帰りな」 それは、四つのハート型のケーキを組み合わせてクローバーの形にした、生クリームのケーキでした。真ん中に大きな クローバーが描かれていて、一つ一つにもクローバーが小さく描かれています。 「ほら、どれを食べてもクローバー付きで、おまけに苺たっぷり☆」 「うわー♪お兄ちゃんありがとう♪あ、でもお金・・・」 女の子は嬉しそうな顔をした後、また不安げな顔に戻りました。 「お金はいいよ。これは試作品だから」 「試作品?」 女の子は意味がわからず、首をかしげました。 「えっと、お試し品、と、とにかく商品じゃないからさ・・・」 「商品じゃないとお金いらないの?」 まだ、女の子は不思議そうです。 「うーん・・・そうだ味見。味見してもらおうかなって思って。またママが元気になったら一緒に買いに来てよ」 「味見か~。わかった。じゃあ、ちゃんと美味しかったか報告に来るね」 「約束だよ」 「うん。お兄ちゃん、ありがとう。じゃあ、またね」 「気をつけて帰れよ~。」 (きっと、ママと一緒にまた来てくれよな・・・) 誠はそう願わずにはいられませんでした・・・。 |