幸せな時間2「幸せな時間‐2」「ねえ、由希はなんで僕と一緒にいるの?」 どうせまた、「なんでも」とか「私と拓海は一心同体だもの」とか言われるんだろうけど、僕はまた由希に聞いてしまった。 時々こう聞かないと、由希がまたどこかへ行ってしまいそうで不安だから・・・。 「何でも」 ・・・やっぱり。 「何でもじゃなくて、何で僕と一緒にいるの?」 どうせ、また同じ答えしか返ってこないんだろうけど。 「拓海と私は一心同体だもの。そう決まってるの」 ・・・やっぱり。 (まあ、そのおかげで色々と経験させてもらってます・・・)って言葉は今は呑み込んでおこう、うん・・・。 「ま、しょうがないよ。」 「しょうがないって何だよ」 僕はちょっと憤慨しながら、聞き返した。 「だって、出会っちゃったんだもん。拓海と。だからしょうがないんだよ」 「じゃあ、僕じゃなくてもよかったんじゃないの?他の人と出会ってたら、もっと裕福で苦労しない人生だったかも知れないし」 我ながら大人げないと思うけど、いじわるく(内心はかなりいじけながら)そう聞いてみた。 「それはないよ。拓海じゃないとダメなの。」 「だから、何で何だよ」 「しょうがないでしょ~。そう決まってるんだから」 「・・・はいはい(苦笑)」 ”僕といることが自然なことだから、しょうがない” きっと、それが今の君の精一杯の愛情表現なんだろう。 そんな君がとても愛しいんだから、僕もしょうがないよね(笑) ジャンル別一覧
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