1週間と2週間
人は忘れる。どれだけ忘れるかは、「忘却曲線」で調べてみれば、たーーーーーーーーくさんグラフで出てくる。何もしなかった場合の1週間後と、復習を入れた場合の1週間後では、2倍くらい覚えている量が違う。授業でやったことを覚えていて、その状態で次の授業でテストを受けるのと、1回授業がなかったり、1回授業を休んだりすると、それはもう、気持よく忘れていく。だから宿題は復習をお願いしている。宿題の丸付けを次の授業でするから、もう一度思い出す作業が入るが、それが間2週間となると、その忘却具合はなかなかのものだ。それをわかって勉強はしてほしいが、勉強苦手な子はなかなか大変。過去に何年も忘却することを繰り返してきた子は、高校生でも、中学内容がからっきしだったりする。原因は様々で、僕らが一番困るのは、親が介入すること。すべて自力だったら、まだ成績が悪くなったときに、自分の行動が原因だと気付けるが、親が介入すると、子どもはそれ以上頭を使わなくなる。やらなくても、だれかが手伝ってくれる、とか、課題の提出もやってくれる、とかそんな風に考えてしまう。たまに驚くようなことをきくが、課題の丸付けを友達にやってもらって、丸付けのみで終了したり、課題自体を親が代わりにやっていたりする。確かに、課題提出、という目標は達成されるが、学力上昇という目標は一向に達成されない。真面目に課題を自力でやって、そうやって力をつけてきた人にとっては、想像すら出来ない出来事だろう。そうなると、1週間、2週間程度の忘却などかわいいものに思える。高1の子が、文理選択の用紙を提出しなければいけない、と言っていた。さて、そのとき相談を受けた人は、バックアップをしてくれる支援者となるのか、それとも、介入をして、相手の考える力を奪う人になるのか。教育には、相談を受ける側にも課題がたくさんあるのだ。