ラベンダーの風に吹かれて

2006/08/16(水)01:54

『プリシラ』 と 『私家版』

映画 音楽 読書 film TV musique(43)

前からず~っと一度このことを書きたかったのです。 留学関係の話を待ってくださってる方もいらっしゃるかもですが もう少しお待ちください(笑) 私は好きな映画はそれこそ星の数ほどあります ここのプロフィールに選ぶのにもエライ苦労をしました。 あとであれも抜けてるわ~これも抜けてるわ~と何度ほぞを噛んだことか・・・ ってそんなことでそこまで悔やまなくても・・・ 以前ひまな時にベスト100を作りました。 それでも100でも選ぶのに結構、迷った記憶が。 で、結局150くらいになってしまったな。たしか・・・ その中でも「原作の本を読んだ、そして映画も原作も素晴らしい」 という範疇で絞るとだいぶ少なくなります。 なかでも私が賞賛を惜しまないのは 『 私家版 』です。 これは原作が奇しくもフランス作家。 Jean-Jaques Fiechter という仏人が書い ています。 文庫本を日本に置いてきたので訳者あとがきや素晴らしい解説を引用できず残念なんですが。 ひとつ覚えているのはこの題名 『 私家版 』  原題は 『 Tire a part 』といいます。(注:e と a の上にアクサンあり) 解説の中で題名の訳が特に素晴らしい、言い得て妙!と絶賛されてました。 う~ん、確かに!と私もうなってしまいました。 直訳すればたぶん(笑)「別に印刷(発行)する」という意味でしょうか。 ミステリーです。でも深い愛の物語。ドラマチックで魂を揺さぶられます。 トリックとしても最高、おもしろい! 映画も原作に負けず劣らずよく出来ていました。 なぜかフランス映画ではなく英映画でした。舞台はパリとロンドンと両方。 そしてここで忘れてはならないのが主人公を演じるイギリス俳優テレンス・スタンプ の名演技です。 上品でおさえた中に溢れるばかりの恋心と怒りを表現しています。 こんなに優雅で知的な雰囲気を備えた人も珍しいのでは。 このずっとずっと前に(たぶん10年以上)観たオーストラリア映画の『プリシラ』 結構有名なので観た方も多いと思いますが。後々ハリウッドでもリメイクされました。 3人のオカマダンサーがオーストラリアの広大な砂漠を改造バスで旅するロードムービー。 よく出来た脚本、美しい映像、音楽、そして芸達者な3人の主人公。 これも名作でした・・・ その3人のホモセクシュアルのダンサーの中の一人を演じたのがテレンス・スタンプ 。 お化粧して髪を伸ばし、貴婦人の心をもった老芸人の哀愁を見事なまでに演じています。 このなかでミュージカルばりに踊ったりする場面が随所にあります。 なんと言葉で表していいのかわからないのですが・・・素晴らしい ともかく美術さん・・・ていうのかな。衣装とかその効果もすごかったです。 作品としても超一級なのですが 名優スタンプの存在があってこそ、ここまで最高の作品となったように思います。 未読、未観の方には是非お勧めの本日の二作・・・ ランキング参加してます。 もう欲は言いません(笑) ここまでこれただけで満足ですから 本当にありがとうございました~~ って・・・もうちょっと続けていきますので(汗) 留学の話の続きは明日に書きますので・・・ 『 私家版 』内容(「BOOK」データベースより) 友人ニコラ・ファブリの新作。それが彼をフランスの第一級作家に押し上げることを私は読み始めてすぐに確信した。以前の作品に比べ、テーマは新鮮で感動的、文体は力強く活力がみなぎっている。激しい憎悪の奔流に溺れながら、この小説の成功を復讐の成就のために利用しようと私は決意した。本が凶器となる犯罪。もちろん、物理的にではない。その存在こそが凶器となるのだ…。 仏推理小説大賞・「エル」読者賞・ジョワンヴィル市シネレクト賞受賞。創元推理文庫。

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