弁護士・伊藤和子のダイアリー

2007/11/14(水)01:39

G8サミットとジェンダー

ヒューマンライツ・ナウ(15)

こんにちは。  今夜は私が活動しているヒューマンライツ・ナウの スタッフ・ミーティングでした。  スタッフの中心は比較的若手の弁護士と研究者たちで、 1人は現在カンボジアに、1人は現在バンコクに、、と 飛んでいますので、あちこちつないで会議をする のが大変です。  この団体の活動は、HP http://www.ngo-hrn.org/ をみていただければ、と思いますが、今日は直近の イベントをご紹介したいと思います。  来年のG8サミットは日本で開催されますが、焦点のひとつは、 ミレニアム開発目標4,5,6。  女性の妊産婦死亡率の向上やHIV・感染症対策などです。 でも、政策担当者たちの議論を聞いている限りでは、 これらの対策において、「女性の人権の視点が希薄なのでは」 と思うことがしばしばです。 そこで、ヒューマンライツ・ナウでは学生チームが 中心になって、以下のシンポを開催することになりました。  夜7時過ぎまでやっていますので、 是非お仕事帰りにでものぞいていってくださいませ。     ヒューマンライツ・ナウ学生グループ主催 『国際協力とジェンダー』 ジェンダーの視点から国際協力の今とこれからを考えるシンポジウム 11月29日(木)16:30~ 早稲田大学早稲田大学西早稲田キャンパス 7号館112教室 世界に散在する社会問題の解決に向けての達成目標として国連で採択された 『MDGs(ミレニアム開発目標)』。今年6月の報告書は、未だ男女平等の実現には程遠い現実を伝えています。 特に、妊産婦死亡率を2015年までに1990年の水準の1/4にまで減らすという目標に関しては、 年間50万人を超える女性が妊娠出産の際、適切な医療をうけられれば死なずに済んだ 傷病で亡くなっているという厳しい状況にあるのです。 また、昨年のAIDSによる死亡者数は290万人に上っています。2001年は220万人だったので、70万人も増加していることになるのです。このAIDSによる死亡で、1,500万人の子どもたちが片親あるいは両親を亡くしているのです。このAIDSの多さも女性の権利保障の不十分さが 原因の1つと言われています。 世界には他にも女性の人権を大きく侵害している問題が散見されます。 その1つに、アフリカを中心として伝統的に行われている女性性器切除(FGM)があります。 これは医療環境の整わない中で為されるため生命の危険が大きいのです。 また、子どものうちに本人の意思とは関係なく行われることも多いのです。 女性問題に関してはこれまでにも国際会議が開かれ、宣言が重ねられてきました。 女性差別撤廃条約も採択から30年経とうとしており、締約国も185に上ります。 しかし、そうした努力と発展の中でも、上記問題は未だ解決を見ていないのです。 これらの原因が伝統・文化であれ経済であれ、世界的に女性の権利が軽視されているという状況、つまり女性も当然に有すべき生命・健康・自己決定の権利が満たされていないということの表れなのではないでしょうか。 これらに対し手をこまねいていてはMDGsの達成など夢のまた夢。 これからどうすればよいのかが重要な問題です。 そこでこのシンポジウムでは、このジェンダーの問題を中心に国際協力のこれからを考えたいと思っています。 パネリスト(敬称略、五十音順) 池上清子(国連人口基金 東京事務所長) 上柳敏郎(早大ロースクール教授、弁護士) 林陽子(早大ロースクール教授、弁護士) 若杉なおみ(早大政治学研究科教授、医学博士) 16:30 開会 16:35 学生によるプレゼンテーション    『これまでの国際会議』    『MDGsの今』    『国際法と法整備支援』    『世界の問題事例』 17:00 パネリストご講演(各20分) 18:00 休憩 18:10 パネルディスカッション 19:15 質疑応答 19:30 終了 本シンポジウムについてのお問い合わせ先   谷村勇平 教育学部2年 mistletoe-yggdrasil@hotmail.co.jp   福田匡剛 ロースクール1年 wdymy262@yahoo.co.jp 国際人権NGO ヒューマンライツ・ナウ 学生グループ 〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3F Tel 03-3835-2110 Fax 03-3834-2406 E-mail: info@ngo-hrn.org

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